愚図

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お酒を飲んでふわふわして、美味しいものを食べて笑う君を見てへらへらとご機嫌になって、きちんとホテルに連れ込んでくれる夜。
こんなになっちゃって心配だなあと言われて微笑む。
肌に触れることよりも大切なのは、待ち合わせに君が来ることへの喜びとか時々私を撫でる手のひらの中の慈しみとか、シーツに包まって見つめ合うときの愛のある瞬きとか、そういうものだ、と思う。
私が求めていることを一生懸命に考えながら過ごしてくれる君に、私は一体どれくらいを返せているだろうかと考える。
仲直りのセックスを存分にしたかったのに、と言う君のそのひと言で私がどれだけ嬉しくなってしまうかきっと知らないだろう。
ふざけたことばかり言っておどけて見せる時のぶん殴りたくなるくらい世界で一番可愛い顔を、どうか他の誰にも見せないで欲しい。




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