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汪海妹

ワンハイメイ

2019年の夏頃より小説を書いています。

一番最初は主人公たちが高校生から大学生になる頃を扱っていて、その次と次の次はそのまま彼らが親になって大人になってゆく世界を書きました。その後、そのまま作品の中に出てきた脇役を今度は主役にし、以前の主役達を脇役にするという形で、どんどん作品数も増えました。

自分の作品の中で一番読まれている作品は、木漏れ日①というもので、これはリーマンを卒業して起業する…

(^^)/こんにちは。

今週、既刊お読みくださった方、ありがとうございました。

<(_ _)>

今後の掲載予定です。

7月 木漏れ日③ 掲載済
  松尾君は絶対勘違いをしています。
   3章 本編 執筆中 6.2万
  きみどり②
   7章 執筆中 0.1万
8月 未定

さっき、先週のものすごく長い自分のブログを読み返してて、ブログのラストに来週はハイテンションで現れると予告をしてあったんですが、ふ、ふふふ……

もう、疲れすぎてて解放感も何もござんせん。

チーン

「どうして、自分、嬉しくないの?」

( ຶ- ຶ)

最終日には、スキップしながら帰るんだと思ってた。しかし、ただひたすらの徒労感と辞めた実感がござんせん。

なんというかねぇ……。

⊂( ⊂_ω_)

怒る暇もないくらい大変すぎた。怒ったり呆れたりする機能をオフにして、あと、何か食べたいなとか、何かしたいなとか、可愛い服買いたいなとか、いろんな欲望もどっかへゆき、もちろん健康のために行っていたウォーキングもできず、酒をいつもより飲み、夜は安眠できない。

やっと終わったので、自分の心と体を整えるために、一体このドヨンとした気分はなんだろうと分析してみる。それはさぁ、あまりにお粗末な引き継ぎのせいだよ。

こんな無責任な引き継ぎ、やりたくてやったわけじゃないけど、最後の日に不安そうにしている後任の子、見てごらんよ。むっちゃ胸が痛んだわ。

自分の働く動機って、お金ではないんですよね。もちろんお金は高ければ高いほど嬉しいけど、それが1番の動機じゃないんですよ。人の関心にもともと飢えているので、周りの人に感謝されたり頼られたい人なのですね。それが、めちゃめちゃな引き継ぎして部下と後任の子を残してく、徒労感半端ないです。

仕事が終わったその日からオフになって遊びにひた走りたかったけど、自分の遊び心が戻ってこないよ。

自分の仕事の仕方がいいとも思ってないのよね。昔の負の思い出を挽回するために無理しちゃうようなところが自分にはあるし。責任感強すぎると自分を潰しちゃうし。ただ、すっきりしないのはすっきりしないよ。

そんなモヤモヤで迎えた退職日の翌朝。後任の子からウェイシンが入る。

「これはこうすればいいですか?」

そして、金曜日、まるで今も一緒に働いている人のように事細かに仕事の指示を出しました。

かなり感心しました。仕事のできる人ってさ、結果のために利用できるものは躊躇せず利用する。もちろん、前任者が非協力的なら退職後に連絡は取れないけど、私なら怒らないだろうと判断して、利用してくる。

自分ももう歳を取りましたよね。目的のために躊躇しない若い人というのは、遠慮しながら結果を出せない人より仕事ができると知ってる。こういうふうに必死に頑張っている人がいたら、周りの人はやっぱり自然と助けてあげなきゃと思うよね。

どうせモヤモヤするのだからと、会社に出社はしなくとも、出勤中に間に合わなかった引き継ぎ内容をメールすることにしました。タダ働きだけどね。

「そういえば、日本のあの人があの契約書のサインバックを忘れてたよな」

キヒヒ、とパッドの前で忍び笑いする。
新卒の新人が、重箱の隅をつつくように本社の不備を指摘したらおもろいな。

イタズラ開始である。まるでこりゃ、死せる孔明生ける仲達を走らす、みたいだな。
もう退職した人が裏で糸引いて、本社にまでいちいち要求してくる的な?

「最近なんか担当が変わったのか、インボイス原本の到着が遅いんだよな」

まだ自分の記憶が鮮明なうちに、後に残ってやってく子たちが周りの人たちの度肝を抜くような活躍ができるように、戦術を立てるようにこと細かい引き継ぎ書を追加でメールしておきますかね。

仕事はチームでやるんだよな。個が目立ちすぎると、後ろに隠れてしまう人がいるし、下の人が目立たない。でも、やる気のある子達だよね。決して投げやりにはなってないのですよ。

そんな子達が幸先の良い再出発ができますように。死んだ孔明になったつもりでメールを打つか。人間は第一印象が90%。仕事の信用を得るために、みんなにとっては今月と来月が肝ですからね。

という意味ではまだ全然、生き霊のように引き続き会社に出社している半透明な自分がいるようだ。
本当は切り替えて小説を書いたり旅行の準備をしたいのですが、遊び人な自分はとりあえず仕事人な自分の気分がもうちょっとすっきりするまで出てきてくれないみたい。

そんなこんなで朝から追加メールを打ってると、おばあちゃんがやってくる。

「今晩は学校の子達が空手の体験教室にゆくよ」
「そんなんうちの子は興味ないでしょ?」
「でも、みんな行くんだよ」
「……」

息子を呼び寄せ、ばあちゃんと話させる。こちとら死んだ孔明だからな。忙しんだよ。話がまとまったところで、息子に話しかける。

「別に空手なんて興味ないでしょ?」
「誰が行くの?」
「知らないよ」

離れたところからおばあちゃんが話しかけてくる。

「みんな、行くよ!」

もう、ね、私、普段小学校の送り迎えしてないから、おばあちゃんに学校関係の話行くのね。

「友達が行くなら行くかな」
「そうか。それでいんじゃね」
「じゃ、お母さんが、送り迎えするね!」
「ん?」

孔明、しばし休息、おばあちゃんを見る。

「これが場所だ」
「……」

一方的に場所が送られてきた。

チーン

まるで、これ、あれみたいじゃね?たまの休みに家で仕事してたら、奥さんがキレて子供を押し付けて遊びに出掛けて行っちゃうみたいな。

「わかりました」
「じゃ、そういうことで!」

主婦は休みがねんだよ。嫁が無職になったよ。死せる孔明なんて嘘ぶってる場合じゃねえ。
その前に主婦のストライキだ。

ばあちゃん、出かけてったわ。

やれやれ

「さてさてどこかねー」

……ちょっと遠かった。

チーン

ちっとものんびりできてる気がしねえ。休み気分ねえぞ。しょうがないか、一児の母ですからね。

それでは皆様、また来週。
汪海妹

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