かつて幼い自分を救ってくれた兵士に憧れ、軍人になった胡杏華。しかし女子である杏華は、士官学校を卒業して少尉になってもなかなか戦闘を伴う仕事に就けなかった。自分の現状にいらだっていた杏華だったがある日、士官学校時代の恩師の推薦により、軍の権力者・杜雪厳中将の護衛官に任命される。

※タイトルを変更…

手袋


 会議場の扉付近に待機して、会議の内容に耳を傾けつつ、暗殺に備える。

 中将の一日は想像以上に忙しく、杏華は側についているだけでつかれてしまった。


 首都警察の人とスパイ監視網について話し合ったあと、司令本部に戻って書類のチェックやサイン。昼食は銀国軍要人と軍事協力についてのランチ・ミーティングで、午後はこのデモ対策会議。

 この会議が終わったら軍の特殊部隊の訓練を視察して、その後はまた司令本部でデスクワークという予定になっている。


 ――処刑の命令とか、逮捕・尋問の許可とか、書類のやりとりからしてすでに怖いんだよね。


 一介の護衛である杏華に書類の詳しい内容などわかるはずもない。それでも、中将がかなり苛烈な方法を使ってテロリストやスパイを取り締まっていることはわかった。