「……僕のことが、みえるの?」
「っ、え?」
――壬生寺で出会ったのは、花のように美しい男性でした。
新選組一番隊組長の沖田総司が“視えて”しまった立花結月は、ひょんなことから幽霊である彼が成仏できるよう協力することになって……?
「結月さんのそういう御節介焼きな所――僕は好きですよ」
「心配なんですよ。幽霊ですけど、それ以前に僕も男ですからね。こういう時くらい頼ってください」
「……ふふっ、不思議ですね。結月さんに呼んでもらっただけで、何だか自分の名が特別なものになったように感じます」
「あの日、もう泣かせないと約束したのに……また泣かせてしまいましたね」
――――君がため 惜しからざりし 命さへ ながくもがなと 思ひけるかな
私は現在(いま) 貴方は過去に生きた人
【このお話はフィクションです。実際の団体は関係ありません】
2021.09.30 番外編*一年後の話 追加しました。