魔王を倒して国に帰ったら、褒美の代わりに魔王城跡地の再開発を命じられたので好きにヤラせてもらいます

作者登龍乃月

 百年間続いた魔族と人族連合の争いが勇者グレイと、そのパーティーによって終結した。
 グレイ達は長き旅の果てに魔王フィンを打ち倒し、ディランフェルト王国へと帰郷した。
 ディランフェルト王は、魔王を倒した者には褒美として姫との結婚を約束していた。
 しかし――帰ったグレイに告げられたのは褒美ではな…

物語全体のあらすじ


 百年間続いた魔族と人族連合の争いが勇者グレイと、そのパーティーによって終結した。

 グレイ達は長き旅の果てに魔王フィンを打ち倒し、ディランフェルト王国へと帰郷した。

 ディランフェルト王は、魔王を倒した者には褒美として姫との結婚を約束していた。

 しかし――帰ったグレイに告げられたのは褒美ではなく、魔王城跡地の再開発と掃除いう新たな命令だった。

 それも単身で、である。

 命令とあらば仕方ないと、グレイは単身魔王城跡地へと旅立った。

 王国から魔王城へ向かうのは約二ヶ月ほどを要するが、グレイはその半分の月日で到着する。

 パーティーがいない分自由に動ける事も悪くないと思いつつ、魔王城の前に立つグレイ。

「んん……再開発をするならここまで壊す必要なかったな。観光名所になるかもしれないし、ま、誰が来るんだって話だけど」

 魔王城はグレイ達と魔王配下達との度重なる激しい戦闘で、三分の一ほどを残して壊れていた。

「王様からの命令は明日からにするか……」

 グレイは広大な魔王城の敷地とそこに散らばる城の残骸をうんざりした表情で眺めた後、近くの森にあった廃屋を仮拠点として活動する事を決めたのだった。

 その日の夜、就寝していたグレイの小屋に魔族と見られる少女が侵入してきた。

「人……!? 突然ごめんなさい、すぐに出ていくから……」

 廃屋に人がいた事に驚いた少女はそう言って崩れ落ち、意識を失った。

 少女が大怪我を負っている事に気付いたグレイは少女の追手を退けた後、回復させて匿うのだった。

 意識を取り戻した少女は、グレイが倒した魔王フィンの娘ユミルであり、反魔王派から戦犯として追われていたのだった。

 ユミルは勇者の顔を見ておらず、グレイが勇者だとは気付かなかった。

 ユミルを匿い、なし崩し的に共同生活をする事になったグレイが自分の目的を伝えると、ユミルも城は自分の家で大事な場所でもあるから、とグレイを手伝う旨を伝えた。


 その後、ユミルの執事であるプルートが合流し、三人は城の掃除と残党狩りを順調に進めていく。

 廃品処理に困っているグレイに、ユミルから街で売り捌いて生活に必要な物を揃えようという提案を受ける。

 街に向かう途中ハイオーガのカグラから襲撃をされるが、返り討ちにしたところカグラもグレイについて行くこととなった。

 後日王の采配に不服を覚えた元パーティメンバー達も合流し、再開発と魔族の権力争いに巻き込まれていくのであった。