彼の両腕にあるそれは、一体何を隠そうとしているのだろう。
「その手は何のためにあるの?」
危ない男に惹かれるのは十代までだと思っていた
なのにどうしてだろう
初めてその目を見た時、
“今までずっとどこにいたの”と
思わず問いたくなるほど、
私はずっとあなたに会いたかったような気がした
別に探してなんていなかったくせにね、
失った幸せと引き換えに舞い込んできたのは、
寂しさにまみれた一人の男でした
「さぁ、人を殴るためとか?」
彼はまだ気付いていない
自分の両手がこんなにも温かいこと。