椿良太が初めて佐藤柊夜を目にしたのは中三の冬。駅伝予選会の日だった。家庭の事情で陸上部を引退した良太にとって、柊夜の姿は輝いて見えた。
その後、良太は柊夜と駅伝に出場することを目標に同じ高校へ入学したが、彼女を亡くした柊夜は精神的理由から不登校となっていた。
偶然にも亡き彼女に似た容姿の良太を柊夜は避けるが、何度も現れる良太に根負けし、遂に登校し始め、駅伝練習にも参加するようになる。
共に過ごす時間が増えるほど、柊夜は良太に特別な感情を抱くようになり、遂に良太にキスをしてしまう。
そして、駅伝予選会当日、良太の負傷で途中棄権となると、落ち込む良太を柊夜は必死で慰めた。その後、二人の関係は変化し始め、良太が県駅伝で好タイムを叩き出すと、喜びに溢れた柊夜は良太に告白する。戸惑う良太だったが、その後も共に走ることを選択する。
かつて、大切な人と走ることを夢見た二人は、共に願いを叶えたのだった。
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