わたし、メリーさん。悪役令嬢になったの。

作者蒼真まこ

西洋人形のメリーさんは捨てられたと知らず、主の理世のところへ戻ろうと夜道を歩く。ゴミ捨て場で拾ったおもちゃの電話で理世に連絡する。「わたし、メリーさん。今あなたの家の前にいるの」ようやく主の後ろに来た途端、理世は恐怖で倒れ頭を打って死んでしまう。理世に抱きついたメリーさんは理世と共に乙女ゲーム『ジ…

西洋人形のメリーさんは捨てられたと知らず、主の理世のところへ戻ろうと夜道を歩く。ゴミ捨て場で拾ったおもちゃの電話で理世に連絡する。「わたし、メリーさん。今あなたの家の前にいるの」ようやく主の後ろに来た途端、理世は恐怖で倒れ頭を打って死んでしまう。理世に抱きついたメリーさんは理世と共に乙女ゲーム『ジュエル・キス』の世界へ転生する。

理世は令嬢リセリアとして、西洋人形のメリーさんは悪役令嬢メリージェンヌになっていた。転生してもメリージェンヌの願いは理世ところへ帰る、それだけだった。元人形のメリージェンヌは口下手でコミュ障のため、傍若無人な婚約者の王子に嫌われてしまう。理世(リセリア)を見つけたと思ったら、リセリアを愛する王子によってメリージェンヌは婚約破棄、国外追放になる。リセリアから離れたくないメリージェンヌは魔力の電話で連絡しながら王子に近づき、恐怖のどん底に叩き落して阻止する。元メリーさんの執念と一途な思いはテンプレをへし折り、知らずに世直ししながらゲーム世界を変えていく。

捨てられた哀れなメリーさんは異世界で人間となり、様々な出会いや出来事、恋を通して幸せは何かを知っていくのだった。