貴方は報われますように

作者虎島沙風

 私は何も言い返せなかった。

 徳永鈴凰(とくながりお)は中学三年生の秋に過敏性腸症候群を患い、高校二年生になった今でも様々な辛い症状に苦しんでいた。
 放課後、密かに淡い恋心を抱いているクラスメイトの柴田槙一(しばたしんいち)が話しかけてきた。
 しかし、槙一は鈴凰に酷い言葉を浴びせ始める。

何でわざわざそんなことを伝えにきたの──?


柴田くんだけには気づかれたくなかったし嫌われたくなかったのに。


……好きだから。


ごめん。

迷惑かけて、不快な気持ちにさせて本当にごめんなさい。

さよなら。この先、もう会うことはないと思う。


元気でね。