19世紀ヨーロッパには、王国、公国、侯国等々、名も知らぬ小国が、あまた存在し、主要大国の餌食とならぬよう、戦々恐々とした時が流れていた。

貴族や、豪商相手の、高級婦人服の仕立て屋を営むナタリーには、そんな、小国の困り事に便乗し、色仕掛けで内側から国を崩すという裏の顔があった。

「傾国のナタリー…