超能力者である古川駆流は廊下の曲がり角で偶然、進藤鳴瀬と衝突し、尻もちをつく。鳴瀬が学校中で噂が立つほどの不良生徒であることを知っていた駆流は、鳴瀬が駆流を立ち上がらせようと差し出した手を取りつつ、因縁をつけられる前に時間を巻き戻し、衝突自体をなかったことにしようと画策する。しかし、能力は発動せず、代わりに周囲の時間が止まっていた。

駆流と手を繋いでいる間だけ時間を止められるということを知った鳴瀬は、自分が未来視の能力者であること、一週間後に隕石衝突によって地球が滅びることを駆流に話す。運命回避のための協力を仰がれ渋る駆流だったが、その最中に隕石が頭上に見え、思わず時間を止めてしまう。

二人だけで隕石を砕くロケットを開発するという理想を掲げる鳴瀬に苛立ちを覚える駆流だったが、その理想の中に見え隠れする「身近な人たちと平穏な時間を送りたい」という鳴瀬の願いに気づき、今からでも帰って母親と終末を過ごせと忠告する。両親が窃盗犯に殺害され孤児院で暮らしているという駆流の身の上話を聞き、鳴瀬は親の元へ帰る決断をする。

鳴瀬の家の前で別れた二人は、それぞれの帰る場所に向かって走り出す。