「君との婚約を破棄する」それこそが、テレサ・ドルステンが待っていたものだった。世に溢れるロマンス小説のごとく、王子の恋を邪魔する少女として婚約破棄を宣言される。それをもとにして、自分で物語を書く機会がようやく訪れたのだ。従者の青年は主人に問う。「盛りすぎじゃないですかこれ」「大袈裟な…もっと見る