病名「幸せ」の貴方へ

作者兎束作哉



――貴方にとって幸せとは何ですか?



『奇病』と呼ばれる、心の病が身体に害を与える奇怪な病気が世界中で現れ始めた現代の日本。


主人公の一人である海沢四葉かいざわよつばもその奇病だと診断される。四葉の『奇病』は「幸せを感じると身体に異常が現われる」もの。幸せを望まず生きていこうと決めた四葉は、バイト先のカフェで二つ下の女子高校生愛島幸あいじまさちと出会う。

もう一人の主人公である幸は、母親との関係に悩みながら、恋人をころころ変えることで二人の友人に呆れられていた。そんな二人は、偶然の出会いをきっかけに少しずつ、惹かれあっていく。


そして二人の中の『幸せ』の価値感徐々に変わっていくことになり――?