神様 僕を婿候補にしてください!

作者冬彩 桜月

前世 餓死しかけていたところを 神様に助けて
もらった 結音(ゆね) いつか 神様に自分の
想いを告げたい そう思っていたが前世
言うことが出来ず 今世こそと会いに行くと……

親は知らない気づいたらこの町に居て 忌み子だの 奴隷だの言われながら 働かされて 殴られて 蹴られて食事も満足に貰えず 牢屋のようなと

ころで生活させられていた。ある寒い冬の晩

だった 綺麗な鈴の音が聞こえ 外を覗くと

上等な着物を身につけた 人がたっていた。

あぁ、ついに神様が僕をあの世へ連れて行って

くれるのだろうか?いっそ死んだ方が楽だ

「お前、寒くないのか?」僕の顔を覗くように

しゃがみ込んだ 人じゃない、直感だった

とにかく 綺麗だった 穢れがなく 宝石ような赤い

美しい瞳が 天の川のような 美しい髪が

全てにおいて人間なんかと比べ物にならない

くらいとにかく 美しかった。「ほら、ここを

開けてやる 死にたくないなら ついて来い」

そのまま動かずジッと見た その時はただ

生かされてまた この地獄を生きるぐらいなら

死んでやると思った すると 柔らかく微笑んで

「死ぬぐらいなら ついて来い」差し出された

その手は 暖かかった 雪道を歩くだけでも

すごく 幸せな気分になれた。連れてこられたのは大きな屋敷で暖かい場所「あなたは、神様

なの?」また優しく微笑み 頷いた「そうだ

我は治癒の神 癒音 お前には 我のために

生き延びてもらう」この人の為になら

地獄さえも 生きてやる それくらいただ

嬉しかった。