インスピレーション

作者辻咲アーサ

あの瞳に見つめられると胸が締め付けられ苦し
くなる。
こんなこと初めてだった。
もしかしたら、これが恋なの?
開かずの扉を開くようにそっと
目を閉じた…

「こんな奴に任せるなんて嫌だよ…」


その声は、いつも私の頭の後ろにひっついてくる。


そう、私は責任を負える程の権限を持って

いないのに、この仕事を任せられた。


失敗したらクビと思ってやれと、上司には教えられた。


お客さんに届いたものが、不良品ならもうこの仕事

も終わりだ。


何万人の社員の生活をおびやかすことになる。

負債額も、相当だろう。


主人公、千葉 えりこは普通の短大を出たどこにでも

いる、入社3年目の23歳の女の子。


顔は、日本人形のように、上品な顔立ちでなかなかの

美人。


この仕事は、上役の人に


「千葉さんに合う仕事だと思うからやってみま

せんか?」


と説得され任された。


仕事内容は秘密。


何故なら情報を漏らすことは禁じらているから。


説明はこれだけ。


仕事よりもえりこは、気になることがあった。



それは、あの瞳。


あの瞳を見ると、ゾクゾクとする。


なんだろう。凄いインスピレーションを感じた。


黒豹のような透き通ったビー玉のような瞳。


彼に見つめられただけで、胸が締め付けられる

ように苦しくなる。


まるで、魔法をかけられたように、

場面が明るいパノラマ写真の物語を組み立てて

いったーーー。





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