「こんな奴に任せるなんて嫌だよ…」
その声は、いつも私の頭の後ろにひっついてくる。
そう、私は責任を負える程の権限を持って
いないのに、この仕事を任せられた。
失敗したらクビと思ってやれと、上司には教えられた。
お客さんに届いたものが、不良品ならもうこの仕事
も終わりだ。
何万人の社員の生活をおびやかすことになる。
負債額も、相当だろう。
主人公、千葉 えりこは普通の短大を出たどこにでも
いる、入社3年目の23歳の女の子。
顔は、日本人形のように、上品な顔立ちでなかなかの
美人。
この仕事は、上役の人に
「千葉さんに合う仕事だと思うからやってみま
せんか?」
と説得され任された。
仕事内容は秘密。
何故なら情報を漏らすことは禁じらているから。
説明はこれだけ。
仕事よりもえりこは、気になることがあった。
それは、あの瞳。
あの瞳を見ると、ゾクゾクとする。
なんだろう。凄いインスピレーションを感じた。
黒豹のような透き通ったビー玉のような瞳。
彼に見つめられただけで、胸が締め付けられる
ように苦しくなる。
まるで、魔法をかけられたように、
場面が明るいパノラマ写真の物語を組み立てて
いったーーー。
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