プロローグ
「ねぇ、人って死ぬ前がわかる人と知らないで
死んでいく人と二通りなんだって…。
死ぬ前がわかる人は臨死体験の時、死初列車と
いう列車に乗る。その列車が蛇のように長く
死者と臨死の人を乗せて空を登って宇宙を舞う
時、言葉にいいつくせないほど息苦しくなる…」
学校の帰り道、仲良しグループ男女5人は、
ある噂話しで盛り上がっていた。
「なんか、その話凄く嘘臭くねー。
毎日始発列車で通勤してる人に申し訳ない
と思わないのかよ。その噂流した人…」
つかさず釘を打つのがこの話のヒーロー
椿 準（つばき じゅん）。
「そうだよねー。大迷惑な話し…。」
相づちを打つのがヒロインの東藤 薫子
（とうどう かおるこ）。
「続きを聞いてよ。1年に一度だけ
その列車は走るらしいけど、その死初
列車の悪夢を見続けた人が一週間後に
臨死体験らしき夢を見て亡くなったん
だって…。嘘じゃなく本当にあった
らしい。」
死初列車の説明をするのが薫子の大
親友の高峰 景（たかみね けい）ちゃん。
「本当に不気味な話しだよねー。
やだやだ。」
返事をするのが準の悪友、滝沢
謙太（たきざわ けんた）。
「…。」
無言で聞いている準と謙太の
これもまた悪友の長田 広（おさだ
ひろ）。
5人はこれから遭遇する信じられ
ない体験を予期することなど
勿論なかったので他人事のように
いつもの日常会話を楽しんでいた。
そう、ある出来事が起こるまではー。