月森ゆら
テンポ良く絶妙な語り口。
面白かった!!
とんちの冴えるヤジロベーと、天然ミカン姫のユーモラスでほのぼのとした時代劇。
冒頭の米泥棒から鬼伝説を絡めたヤジロベーの作戦が冴えます。
読んでいて「そうきたか!」と思いつつ進んでいけば、今度は姫様との身分違いの恋。
さてさてどうする?
何て言うべきか
ストーリー展開とか文章とか『上手い』と言うのもかえって失礼なんじゃないかと思うような巧さです。
会話のテンポも良くて、ブッと吹き出してしまうボケとツッコミと、何よりもリズム感のある語り口もまた魅力的でした。
物語は至ってシンプルに綴られながら内容はとても濃く、短編といえど物足りなさを感じない(もしろ得した気分)作品。
そして何より『読む』という意識より『読ませる』『読まされる』感覚に入るような、勢いと吸引力のあるお話だなと思うのです。
読後の感想を一言で言えば『面白かった!!』につきると思う。
うん、面白かったです!
秋の夜長に是非ともオススメですよ。
作者様、楽しい作品をありがとうございました。