アイリス(yuki)

本当の悪魔は誰?
史実に基づくストーリーに作者さまらしい味付けがされていて、軽快なテンポの会話を読むうちにすっかり取り込まれしまい、計算された文章力にはシェークスピアを思い出しました。


当時キリスト教圏内では、敵である異教徒と親しく交わる事を禁じられていましたが、その状況下で破門をも恐れずエジプト王と友情を深めたシチリア王の勇気ある生き方には感動しました。


中世の十字架軍や教会の権威などに興味のある方には読み応え十分の作品だと思います。


宗教戦争は今も続く難問ですが、神の名の下で戦いの犠牲になった多くの民。
この陰謀の首謀者は誰だったのか?
操られる事なく、生涯己を貫いたシチリア王と妻の献身的な愛と儚い死、今の世の中にも通じるものがあると思います。

力作でございま~す!どうぞお読み下さい。
再レビューさせて頂きました(汗)