自分の考えを貫いて生きる風変り姫・咲子と、かぐや姫の忘れ形見であり女たらし東宮・十六夜。この二人の殴ったり蹴ったりの大騒動恋愛物語。下巻。
月の面影を持つあなた。
笑って、ふざけて、
自分勝手な人だけれど、
私は知っているのよ。
その笑顔の裏で
声を殺して泣いていることを。
不安を必死に
隠そうとしていることを。
ねえ、十六夜様。
その苦しみが
愛おしく感じるまで
どこまでも、どこまでも、
共に生きていきましょう?
この身が果てようと、共に。
私の愛しい月の人。