旅客来(き)たりて嘆(なげ)いて曰(いわ)く、近年より近日に至るまで天変・地夭(ちよう)・飢饉(ききん)・疫癘(えきれい)遍(あまね)く天下に満ち、広く地上に迸(はびこ)る。 

世皆(みな)正に背(そむ)き人悉(ことごと)く悪に帰す。 故に善神国を捨てゝ相(あい)去り、聖人所を辞して還らず。 是(ここ)を以て魔来たり鬼(き)来たり、災(さい)起こり難(なん)起こる。 言(い)はずんばあるべからず。 恐れずんばあるべからず。



謗法の人を禁(とど)めて正道(しょうどう)の侶(りょ)を重んぜば、国中(こくちゅう)安穏にして天下泰平ならん。



先難是(これ)明らかなり、後災(こうさい)何ぞ疑はん。 若し残る所の難(なん)悪法の科(とが)に依って並び起こり競ひ来たらば其の時何(いかん)が為(せ)んや。


汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ。