僕は何も悪くない。だって、ああしなかったら、やられていたのは僕の方だったんだ。そうだよ、僕は何も悪くない。それなのに、どうして父は、死を選ぼうとしたんだろう…。
「僕は何も悪くない…。
だって、ああしなかったら、やられていたのは僕の方だったんだから。
そうだよ、僕は何も悪くないんですよ。
それなのに、どうして父は、死を選ぼうとしたんですか?」
ある日。一つの事件が起きた。その事件に関わった父子二代の姿を、一人の老刑事が見つめていた…。
井関和美のヒューマンストーリー『僕シリーズ』第四作。
(完結小説)