作品コメント
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- mint
壮大なstoryで引き込まれました!
風景の描写の細部に至るまで丁寧に
表現されていて、物語の中にすっと
入っていけるような作品でした。
居心地の良い場所には哀しみもない
代わりに変化もない。ユナ少年が感
じたことが現実を投影しているよう
で心に響きました。
物語としても申し分なく面白い上に
大切なことに気付ける良作だと思い
ます。
執筆お疲れ様でした(^-^)
作品を宣伝cornerに書き込んでくだ
さってありがとうございました!
是非多くの人に読んで頂きたいオス
スメ作品です(^^)d - 森本万葉
悲しい罪とその先に開かれた未来を臨む物語
現実世界を生きる少年ユナが夢の世界の青年ジェスの記憶を追っていくという形で少しずつ物語の全容が明らかになるストーリー。
日常ひとつひとつの動作に対して五感に訴えかけるような細かな描写が書き込まれているため、空気の流れや、温度感、手に触れる物の質感といった生活の雰囲気がとても身近なものに感じられました。途中夢と現実の狭間でゆらぐユナ少年の浮遊感がその緻密な情景の描写により如実に表されていたと思います。
世界観もとても美しく、ラナトゥーンの金色の世界を表現した箇所はどれも息を飲むほどです。
しかし、この物語の見所はそれだけではありません。一人一人の心持ちに合わせて見えてくる景色が違うこと、そして、その思いがどう交差し、どうすれ違ってくるかというところにも目を向けていただきたいです。
その一人一人の思いを罪と呼んでよいのだろうかともどかしい気持ちになること間違いなしです。それにも関わらず、ラストがなんとも清々しく思えたのは、この物語を通じて語り手のユナの心の変化に由来するものなのでしょうか。明記されていない未来に希望を感じました。
素敵な物語をありがとうございます。 - 栗栖ひよ子
世界は一人一人の想いで動いている
ファンタジー小説を読むとき、書くとき
は、世界観のきらびやかさやストーリー
に目がいきがちですが、大切なのは「人
の想い」ではないでしょうか。
ファンタジーでも、そこに生きる人の想
いに共感できなければ、その人たちに血
が通っていなければ、それは作り物の世
界になってしまう。
この作品を読んで感じたのは、登場人物
が物語を進める上での駒ではなく、それ
ぞれの意思を持って動いている、という
ことです。
一見悪役でも、その気持ちにも行動にも
確かな理由があって心を動かされるし、
主人公の行動でも、悲しくて止めたくな
ってしまうものがある。
何が罪だったのか、どこからが間違いだ
ったのかなんて分からない。
でもこの作品のラストは、そんな気持ち
をすべて昇華してくれるような清々しい
ものでした。
すべてを失ってしまったら、その先には
何があるの?
――そこには、再生と、希望が。
あえて読者の想像に委ねるラストに、こ
の物語の希望を委ねられた気持ちになり
ました。 - 神水紋奈
罪の果てに
金色の世界に、確かに存在する町――息づくような金色の獣。
作者様に見えている世界は、とても美しかった。
その光景が、確かに目に浮かんできた。
美しい世界、それでいて触れたら消えてしまいそうな儚げな世界。
それこそ、夢の中のような――。
これは、毎晩見る夢に悩まされている少年の物語。
夢でつながれた、月の裏側の世界の物語。
かつて、初代の王が罪を犯していなかったら、物語はここまで複雑に、悲しいものにはならなかったのではないでしょうか。
アズが「罪」を犯すことも、ルーンが「罪」を犯すこともなかった。
そう思わずにはいられませんでした。
私は、こんなにも美しい情景を今まで小説で見たことがありません。
情景の描写をしているだけなのに、そこに、作者様の中に確かに息づく世界を感じて、不覚にも涙がこぼれました。
素晴らしい物語を、ありがとうございました。