泣いたら負け~吉原1と呼ばれた女~

作者白石

あの人がいない人生を生きていくなんて出来なかったから、私は私を売った。たかが風俗嬢だった私が、されど風俗嬢だと思えるまでの長い長いお話。

日本一のソープ街、東京吉原。そこに生きてる女の子一人ずつに一人ずつの物語があると思う。お金にしろ、男にしろ、他人よりも絶対に辛い思いをしたみんなは、絶対に優しい。それでもそんな優しい物語りの本当を語る女の子はいない。女の子にとっては吉原の大門をくぐるとそこは地獄。そんな地獄から、はい上がるために、生き抜くために、私はこの本を書こうと思った。今は人より少し辛くても、たかが風俗嬢だけれど、されど風俗嬢だから。