今月の注目作家インタビュー/上條一音さん(2020年10月)

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こんにちは、魔法のiらんど編集部です。今回ご紹介する注目作家は、上條一音さんです。
2020年6月に開催した「ミニ小説コンテスト」の極上ファンタジー部門で「絶えうるなら、琥珀の隙間」が最優秀賞を受賞した上條一音さん。本日は受賞作「絶えうるなら、琥珀の隙間」に焦点を当てつつ、上條さんご自身についても迫っていきたいと思ます!



上條一音さん

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―魔法のiらんどをご利用されたきっかけを教えてください。

(ピー)年前になりますが、学生の頃に周りの友達がみんな携帯小説を読んでいて、私も読者として魔法のiらんどにお世話になっていた事がきっかけです。


―はじめて書いた作品はどんな作品ですか?当時を振り返ってどんな思い出がありますか?

高校生の女の子と、年下の男の子の恋愛物語でした。今思えば赤面してしまうほど拙い文章だったのですが、それでも初めてレビューを頂けた時は、読者の方々とネットを通して直接繋がる事ができる『携帯小説』と言う媒体の素敵さに感動した事を覚えています。



ーー代表作『絶えうるなら、琥珀の隙間 』についてお伺いします!



▽代表作『絶えうるなら、琥珀の隙間』

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―作品を執筆された動機、ストーリーを思いついたきっかけなどを教えてください。

ふと頭の中に、大自然の中で手を繋ぎながら歩く主人公二人のイメージが浮かび、「あ、書きたい!」と思った事がきっかけです。あまりにも衝動的に書き始めたせいで、100ページ近くまで書いてから「これはあかんわー!」と思い、また1から書き直す羽目になりました。不器用人間にノープランは良くないなと痛感し、それ以来ちゃんとプロットを立てるようにしております。


―完結までの執筆期間やその間の更新頻度を教えてください。

構想期間も含めると1年半ぐらいでしょうか。「果たしてこれは終わるのだろうか」と白目を剥きながら、ほとんど毎日お仕事終わりにポチポチとキーボードを打っておりました。


―執筆する上で、こだわっていた部分はありますか?それはどんなところですか?

世界観を崩さないため、なるべくカタカナを使わず、日本語の美しさを意識して執筆していました。『現実のようなリアルさ』→『現実のような繊細さ』と言ったような感じです。ちなみに意識しただけで有言実行できているか定かではありません!


―完結までに苦労されたこと、大変だったことはありましたか?

数年ぶりの執筆だった事に加え、救いようのないほど歴史ダメダメマンだったので、とにかく手が進みませんでした。登場人物たちがどんな生活を送っているのかをきちんとイメージするため、ネットで資料を読み漁りながら少しずつ書き進めていくのが大変でした。



ーー普段の執筆活動や作品についてお伺いします!

―普段の執筆時、プロットやメモなどは作成しますか?作成する場合はどのように作成していますか?

大体「これ書きたい!」と言う場面が思い浮かぶので、それをエディターに会話形式で書き出した後、ひたすら隙間の会話を埋めていきます。ストーリーの矛盾点を無くすため、できるだけ細かく書き出してから本執筆に移る事が多いです。


―作品を完結させるまでの執筆期間やその間の更新頻度を教えてください。

ページ数にも寄りますが、完結までは平均で3~5か月くらいでしょうか。お仕事の忙しさに追い詰められていなければ、ほぼ毎日に近い頻度で執筆しているのですが、1~2週間ほど熟成させてから章ごとにまとめて公開しているので、実質の更新頻度は1週間くらいだと思います。


―どういった時にストーリーを思いつきますか?

さあ、考えよう!と意気込むと大抵何も思い付かない残念な頭なので、お風呂に入っている時やお仕事中など何か別の作業をしている時に、ふと浮かぶ事が多いです。


―ご自身の作品で特に思い入れのある作品をひとつ、教えてください。

再帰的オーバーフロー』です。


―『再帰的オーバーフロー』について、それに対する思い入れの度合いや、あるいは作品のアピールポイントを教えてください。

再帰的オーバーフロー』の舞台はとあるシステム開発会社なのですが、私が同じ業種な事もあり、いつか自分の仕事を題材にした小説を書きたいなあと思っていたので、ちゃんと有言実行できたと言う点で思い入れがあります。世間ではIT業界はブラックと言う風潮があるかと思うのですが「辛い事ばっかりじゃないよ!ちゃんとやりがいもあるよ!もしかしたらラブもあるかもしれないよ!(私は皆無でした)」と言う事を、少しでも誰かにお伝え出来ると嬉しいです。ちなみに決してIT業界の回し者ではありません!


―ご自身の作品で特に思い入れあるキャラクターをひとり、教えてください。

再帰的オーバーフロー』の主人公、鎧塚凪です。


鎧塚凪について、そのキャラクターに対する思い入れの度合いや、ここを見て!といったポイントがあれば教えてください。

私が凪と似たような年代、そして同じお仕事をしていると言う事もあり、今の自分が持つ悩みや思いを何となく重ねて書いていました。私自身、もう大人と言って良い年齢なのですが、お恥ずかしながら「あれ?私の中身、数年前から成長止まってね?」と感じる事が多々ありまして……。ですので、例え『大人』と言える年齢になっても、手際よく物事を解決できるわけでもなければ、それなりに我儘も言いたくなるし、辛い事があれば簡単に泣きたくもなるんだコノヤロー!と言う私の子供じみた訴えのようなものを、凪を通じてお届け出来れば幸いです。

▽『再帰的オーバーフロー 』はコチラ

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―読者のみなさんへのメッセージを!

初めまして、上條一音と申します!まさか自分がこのような素敵な場へのお声掛けを頂けるとは夢にも思っておらず、しかも過去のインタビューが超人気作家様達ばかりなので、白鳥に囲まれたアヒルのような気持ちになっております……。
とは言え、せっかくのありがたすぎる御機会を頂きましたので、この場をお借りして、僭越ながら感謝の気持ちを述べさせて頂きます!
まずは、いつも本当に本当にありがとうございます。たくさんの面白いモノが溢れている世の中で、私の書いたものにわざわざ眼を向け、貴重なお時間を割いて下さった全ての方に、心から感謝しております。また、頂いたコメントは何度も何度も読み返し、その度に堪らなく幸せな気持ちになっております。正しく日々の糧でございます。これから自分がどのような小説を書いていけるのか上手く想像は付かないのですが、読んでいただいた方のお時間がほんの少しだけでも潤うようなものをお届けできれば嬉しいなあと思っております。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。


――インタビューにお答えいただき、ありがとうございました。






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