あらすじ
この世界には学校教育では更生の望めない人間がいる。そういった対象を粛清するのが裏教育委員会である。彼ら彼女たちは人外な力と非道な感情を行使し、この世界を平和にすることを目的とする。
今回のケース。問題児のケンジはむかつくという理由だけで教育実習生の鈴村にいたずらをしようとする。しかし、そのいたずらのせいで鈴村は屋上から落下してしまう。殺してしまったと思ったケンジは友達でいたずら仲間であるタカシとヒロと一緒にその場から逃走する。
一晩中、人を殺してしまったという罪悪感にさいなまれたケンジは次の日、タカシとヒロに助けを求める。しかし、ヒロは「やったのはケンジだ。俺は関係ない。お前とは友達ではない」と言ってケンジを見放す。その時、ケンジは友達を失うことがどれだけつらいことかを知った。自分のいたずらで大切な友達を失うことでケンジは自分のやったことがどれだけ悪いことかを自覚した。一方、タカシはケンジを見放すことはなかった。「友達だからいつでも一緒だ」とそう言ってくれた。その時、ケンジは友達の大切さを知り、もう今回のようなことは一生しないと心に決めた。
だがすべては裏教が仕組んだこと。教育実習生として小学校に潜入した鈴村の演技。そして裏教と密通していたヒロの仕業だった。ヒロは金に目がくらみ、友達のケンジを嵌めたのだ。ヒロも裏教と同様にケンジを更生させなければいけないとそう感じていたから、今回のことを実行した。しかし、本当のところはヒロもタカシのようにケンジと一緒にいたかった。事が終わった後、ヒロはお金を握りしめ、一生戻らない友情を嘆き、自分の行いを後悔した。
つまるところ、今回の粛清対象は問題児のケンジと普段から盗みをはたらくヒロの二人だった。
こうして、裏教育委員会は粛清していく。今回のような人の心をえぐるひどいやり方で。
ときに、更生の余地なしと判断されたものには死という教育をも厭わずに。
世界の闇に巣くう、必要悪の教育機関。それが裏教育委員会である。