生まれつき心臓が弱く、夢も希望も失っていた朝比奈獅子。
そんな幼き日の獅子に生きる希望を与えてくれたのは、ある一人の少女だった。
「……私に関わると死ぬよ?」
しかし、転校先の高校で再会した彼女はすっかり変わってしまっていた。
獅子はもう一度、かつての友人である桜花の笑顔を取り戻そうと日々奮闘する。
「私の大切な人はね、皆死んじゃった……全員私が殺したから」
自分が生きている所為で大切な人の命が失われていくと、涙を流しながら罪を告白する桜花を獅子は守りたいと思った。
忘れたくても忘れられない過去と向き合いながら、穏やかに時を重ねる獅子と桜花。
ところが、そんな獅子たちの元へさらなる残酷な真実が襲い掛かる。
「あの時、僕が願わなければ……」
これは、罪を抱えた2人が紡ぎ出す、切ない恋物語。