十歳の日向子は、産まれてすぐに祖父から呪われているといわれ牧場へ里子に出されていた。しかし、祖父の死によって生家である香月伯爵家に連れ戻されることとなる。そこで、不思議なものが見えるという正太郎と出会う。
それは日向子にとって初恋だったが、正太郎とは二度と会うことはなかった。
それから月日は流れ、猫をかぶって華族女学校に通う日向子は、美貌の書生にいきなり抱きつかれる。怒った日向子は、書生を思いっきりひっぱたいたのだが、なんとその書生の秋貴は父が決めた日向子の許嫁だった。
日向子は秋貴に反発しつつも、いっしょに鹿鳴館の夜会を訪れることになる。体を動かすことが大好きな日向子は、ダンスを楽しみにしていたのだ。しかし、西郷隆盛の首なし幽霊が現れ大騒ぎとなる。驚く日向子だったが、秋貴はあれは幽霊でない、生きた人間だと証明すると言い出した。幽霊の正体を求め、二人は謎を追うこととなる。
初恋が忘れられない日向子と、正体不明な秋貴との恋と謎が交錯するものがたり。
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