森尾月子

もりおつきこ

何気におばちゃんです。
今まで書いてきた書き物を残したくて登録しましたが
どうしたらよいかわからず、
別サイトより手直ししながらUPしています。
妄想ものです。夢物語です。

YUZURU 14

 `konkon´


「はい。誰?」
「誠。」
「誠さんどうしたのさ。」
「今度のDVD持ってきてるか?」
「あぁ。持ってきてるさ、見るの?」
「見たいんだけどさ、もしかして弓弦も見てる?」
「あぁ、今見てた。一緒に見る?」
「入ってもいいのか?」
「誠さんだもん。」
「安心してると、危ないぞ?(笑)」
「またまた。今ステップを練習してたんだ。」
「真面目だねぇ。この夜から練習か。ていうか、眠くないんだろ?俺もさ。」
「あたしもさ、この時間はまだ起きて仕事中だろ?
 なんとなくさ、横になっても無理っぽくって。」
「外でやる?CDデッキはあるだろ?CDは持ってきているんだ。」
「そうだな、部屋でやるとうるさいだろうし。」
「んじゃ。」

そういうと弓弦は誠と二人で外に出た。
真っ暗な宿舎の外は、明かりも何もないはずなのに
足元がうっすらと見える。部屋の明かりもそんなに多くはないのに。
宿舎に聞こえないように少し離れて芝生の上で練習を始めた。
練習をしながら、上を見ると満天の星。
さすが沖縄と話をしながら、一つ一つ練習をしていた。
それを宿舎のスタッフはにこにこ笑いながら見ている、窓越しに。
仲がいいんだなぁと。まるで兄弟みたいだと。
夜勤のスタッフが見ている所を槙村が見つけた。

「どうしたの?」
「あぁ、槙村さん。ほらあれ。」
「ん?」
「なに?」
「あそこ。」

そうして外を見つめる。すると、そこには弓弦さんと誠さん。
二人ステップを踏む。芝生の上で。
その練習する姿は、すごくゆっくりなはずが次第に曲合わせているのか
早くなり、そのまま翔太と元原の姿に見えた。
形だけの影はすごく似てきたと思うぐらいに、動けていたのだ。

それを見た槙村は、明日の朝が楽しみだと思い声もかけずに
部屋へと戻っていった。スタッフの二人に、邪魔はしないようにと。

そして、次の日の朝が来た。

「おはようございます。」
「おはよう。」

そんな挨拶をしながらも食堂に集まり、話が始まった。
副社長も起きてきて、秋山が今日のスケジュールを話す。

「午前中は基礎連。午後は各々練習。」
「はい。」
「あとは、その合間にいろいろと話し合いが入っているが
 まぁ、なんだな。次の準備もしないといけないしな。」

そういって今日のスケジュールを大まかに伝えられ、朝ごはんを食べた後
準備をしてそれぞれの練習場所に向かった。

「皆さん準備できました?」
「はいな。」
「OK。」
「んじゃ、始めますか。」

そういって練習が始まる。昨日の夜に練習したところも
きちんと弓弦たちはできていた。

「すごいですね。練習したでしょ`love is・・・′は
 仕上げにかかりましょうよ?」
「この曲は前から練習してるので仕上げないとまずいでしょ?
 踊るのはできても歌えないとね。歌えないと困るでしょ?
 そして、もう一つの`the monster’も。途中までは何とかなのですけど
 なかなかかみ合わなくって。
 それは歌はある程度は大丈夫なのですけどね。」
「歌かぁ。誠さんはうまそうですね。」
「悠太さんほどではないですよ。
 でも、それぞれのパートがあるんですよねぇ。」
「誠さんはリーダーの所でしょ?リーダーは結構歌がうまいから
 難しいですよ?」
「翔太君のも、難しいですよね。」
「弓弦さんなら大丈夫でしょ、これからカラオケいきます?」
「誠さんだけとならいきますが、あなたたちとはちょっと。」
「えぇ、行きましょうよぉ。早くいかないと槙村さんたちが帰ってきますから。」
「そういうおどかし方する?」
「へへ。」
「でもお昼食べた後は、きちんと仕上げないと秋山さんたちに怒られる。」
「んじゃ、残りはお昼食べてからということで。」

そういって、一度部屋に戻り汗を流し7人は着替えて出てきた。
宿舎のスタッフには、少し出てくるとだけ伝え7人は車で出て行った。
この地域はそうそう騒ぐ人もいない。
それどころか自分たちの地域にこのM’scompanyの宿舎があるということが自慢で
それを不快な人たちから守るということに使命感を感じているらしい。
素のまま街に出ても、こんにちわと普通に話をしてくれる。
タレントたちを大切な同じ住民だと思ってくれているからだと。
そう翔太たちは話をしてくれた。
いい人たちに囲まれて育つと、こう素直な人に育つんだなぁと
誠もそう感じた。誠は過去にいろいろと面倒なことをしていたから。
弓弦も前に一度聞いたがあの店はもともと犯罪を起こした人が更生するための店で、
何かしらの仕事を与えることを考えたんだということ。
保護司をしていたオーナーのお父さんが始めた場所だということと一緒に。
すると、誠が口を開く。この沖縄という場所が、そしてこの子たちの
その素直な気持ちが誠に話をさせるきっかけになったのか。

「俺さ、もう35なんだよな。悠太君たちは今いくつだっけ?」
「悠太は29だよな。俺は28です。」
「するとここの研修生として入ったのは?」
「俺が12で、悠太がそのあとだったっけな?」
「多分そうだったよ。」
「するといい青春を送る時期にここで素直に育ったわけだ。」
「そういうことになるんですかね。
 ていうか、ここでまっすぐに育たないわけはないですよ。
 先輩たちもいい人だし、人としてもすごく尊敬する人ばかりだし。」
「いいなぁ。俺はさ、両親ともいないんだ。捨てられた。
 物心ついた時には孤児院にいたんだ。引き取られていった先でさ
 ひどく生活に困って、また捨てられてって繰り返され
 結局高校一年の時、心配してくれていた担任を刺しちまった。
 少年院に4年間いて19の時に出所。
 それから今の店のオーナーに引き取られあの店にいる。
 あそこは俺らみたいな人間が集まる店だった。」
「そうは見えない。そう感じない。なんでそんなこと話すんですか?」
「なんでだろうな。だけど、今はそうじゃない。
 弓弦がいるように、頑張る人間が寄りつく店となった。
 弓弦が来た時はな、すごく男気だけの世界で
 飲み屋のねーちゃんとかしかの出入りしかなかった。
 この5年だよ。
 弓弦がバイトで入った時から数えてこの5年であの店は変わったんだ。
 下っ端でこき使われて、それでも先輩たちの腕に負けないようにって
 自分がコンクールで優勝したことも隠して俺たちの下についてがんばった。
 そのうちにさ、こびた女が誰かのために来たのかと思ってたが違ってて
 自分のためだけに頑張っていると、そういいながら下っ端をがんばるのさ。
 そんな弓弦を周りも少しづつ認め始めて、追いつかれるのもかと
 頑張ってみんなで勉強した。
 その5年間はすごく充実してたな。」
「誠さんは、人と一緒にお風呂に入らないんですよね。」
「あぁ、やくざと喧嘩したことがあって足の付け根に刺された痕がくっきりと残っているからな。」
「でも、もう忘れたほうが幸せですよ?」
「そうかもな。悠太君の言うとおりかもな。」
「弓弦さんって、どうしてその店に行ったんですか?」
「はじめはさ、怖い人ばっかりかと思ったら
 そうでもなくってさ。静かな店だったけど飲み屋のねーちゃんとはいえ
 ひっきりなしに来るんだよ。で、表で見ててその切れないお客に紛れて入ったんだ。
 そしたら、頼んだカクテルを飲んで涙出た。
 おいしいとか度数が強いとかじゃなくって
 あたしの顔を見て、あなたの今の気持ちをって出されたのが
 すごく感動して涙流しちゃった。
 それがコンクールの終わった夜でさ、取った賞なんて返してやりたいと思った。
 ここにすごい人たちがいるじゃないかって。」
「そうなんだ。それは誰だったの?」
「誠さんじゃなかったな。誰だっけ?」
「お前もしかしたら邦明さんのをいただいたんじゃないのか?」
「わからないけど、目が印象的でさすっとした背の高い人。
 怖いんだけどふっと笑った時に優しい笑い方をする人だった。」
「そっか、邦明さんのに味をしめたのか。邦明さんはあの夜が最後だったんだ。
 帰り際に刺されて亡くなった。」
「そうだったんだ。面接に行って決まった時は一緒に仕事ができると思ったんだけど
 いざ出社するといなくて、でも聞けなかった。」
「いろいろと歴史がつまったお店なんですね。」
「でもさ、邦明さんが亡くなってそのあとのおまえだろ?
 みんな何かしら気にしててさ。それも女だし。
 こんな男くさいところで下っ端からだと聞いて
 根性あるやつだと思いつつも、早く辞めるんじゃないかって
 いじめるやつもいたもんな。でも、弓弦負けなかったよなぁ。
 喧嘩してなぐり合っても、相手が性根尽きるまでたちあがったもんな。
 大したやつだと一目置かれるようになったのは4年前だな。」
「そうだっけ?なんだかいつの間にか喧嘩吹っかけてくるやつが
 いなくなったなぁとそう思ったけどさ。」
「おまえさ、喧嘩強いんだもんな。的確に急所を狙ってくる。それも腕長いし。」
「そうですかねぇ。て言うか合法ならば性転換するけど(笑)」
「弓弦はさ、入ってすぐに荒れたよな。お母さんが亡くなった時だったっけ。
 そん時の喧嘩は警察沙汰だったな。
 警察も、女のくせにって上から目線で話しされて警察でも暴れたもんな。
 でもさ、オーナーがもみ消した。オーナーが身元引受人で警察に行ったら、
 警察官がみんな引いちゃって。一応身元引受人はオーナーしかいなかったしな。
 でさ、お店に帰ってきてから怒られ怒鳴られ女なのに命捨ててかかるなって。」
「あぁ、怒られた。どんなに頑張ってもお前は女なのだから
 無茶して自分を殺すなって。だから、今のあたしがいる。」
「そうなんだぁ。」
「自分を大切にって親とオーナーに教わったようなもんだもんな。」
「誠さんのこともいろいろ聞いたけど、入って来た当初から
 あたしには優しかったよな。」
「そうだったっけ?」
「貴志がその弓弦の警察沙汰の前に入ってきててさ、
 貴志、弓弦に近づけなかったもんな(笑)」
「怖いじゃないですか。入ったその時は弓弦さんをまじめに男だって
 そう思ってたし、喧嘩でしょ?相手のあの顔を見たら弓弦さんこわっって思うって。」
「貴志は知らなかったんだよな、なんでそんなに荒れてるのかって。
 入ったばっかりで。そうだったんだよなぁ。」
「俺はさ、賞を撮ったコンクールの後仕事三昧に疲れちゃって辞めちゃったんだよね。
 次を探してて`mask´のことは知ってたからちょっと覗きに行ったんだ。
 そしたら一緒に賞を取った弓弦さんが働いてるだろ?
 それに外を見たら従業員募集張ってあるし、興味本位で受けたんだ。
 受かったけれどさ。ただ一緒にコンクールで賞を取ったとだけしか知らなくてさ
 いざ働き始めて聞くとさ、ごつく怖いんだもんな。
 話を聞けば聞くほど怖かったけど、でもふっとさ優しく笑うんだ。
 だからこいつと一緒に働きたいって思って弓弦の下につくって直談判したんだよね。」
「僕は、それよりも後だったのかなぁ?
 弓弦さんに対してのほかの人の態度が妙な感じでさ。
 入ったばっかりだし、先輩たちには気軽に話しかけれなかったし。
 なのに弓弦さんは僕に優しかった。」
「そうだったっけ?あたし、あまり人のこと覚えてないほうだからわかんないけど。」
「僕は貴志の後だからなかなか話せなかったけど、
 貴志と組んでいろいろと先輩たちから教えてもらってる時
 弓弦さんも僕らに対してはすごく優しかったってことしか覚えてないですけど。」
「ますます覚えてないなぁ(笑)」
「それより貴志、真志。」
「なんですか?誠さん。」
「お前らは、大丈夫か?」
「なにが?`love is・・・´は。」
「全然OKです。ばっちり(笑)」
「あたしたちと違って、若いっていいなぁ。」
「だって、貴志はどっかのタレントだったんでしょ?
 歌って踊ってかっこよかったんだってよ?
 だから僕は貴志と一緒に練習してたし。」
「お前らはすごいなぁ。遅れているのは弓弦だけだ(笑)」
「待ってくださいよ。マジであたしだけ?」
「頑張ってくださいね?弓弦さん。」
「だけど、弓弦さんも誠さんも夜に練習してたでしょ?」
「月明かりに、すごく良かったよなぁ、貴志。」
「二人とも、すごくかっこ良かった。
 あの息の合っているダンス。僕たち以上に良かったですよ。
 弓弦さんと誠さんだからあんなにすぐ息が合わせられるんだって。
 で、自分たちを見せるということをちゃんと知ってる。
 あんなの見せられたら、まいっちゃうよ。
 本当にさ本当に息の合ったものを見せられるとさ
 男と女って性別関係ないんだって。
 男と女を超えたつながりがあるんだなって思える。」
「だな。悠太もそう感じる?」
「あぁ、翔太だって。」
「翔太は初めて弓弦さんを見た時に、家に帰って親に聞いたんだって。
 `父さん。外に子供つくらなかった?´ってさ(笑)」
「そうそう。そうしたら何バカなこと言うんだって言われて(笑)」
「でもさ、いろんな人のいろんな歴史を聞けるということは、
 自分たちの人生に対しての肥やしになる。
 だから、あそこに立っているときは人の話だけを聞いて
 聞かれたら素直に答えればいいと、俺たちはオーナーに教わった。」
「弓弦さんもいろいろあった口かぁ。ケンカ売るのやめとこうっと。」
「ねぇ、誠さんは身長は?」
「189だっけな?」
「するとリーチは1m近く?」
「計算上はそうなるがそうないとおもうぞ?」
「弓弦さんは?」
「身長は176だけど、リーチは80ぐらいか?」
「足は?」
「90ぐらいか?いつも皮パン頼みに行くと特注になるもん。」
「すげぇ。足ながっ。誠さんもそれぐらいあるということだよね?」
「俺は、純日本人だっ(笑)弓弦よりも短い。」
「そうなの?そう見えないけど?」
「誠さんと弓弦さんと二人隣に立つと絵になるよなぁ。」
「翔太君は身長は?」
「俺っすか?俺175だっけ?それぐらい。」
「悠太君は?168だったかな。あの中で一番低いと思うけど。」
「翔太君は背丈も一緒ぐらいなのかぁ。戻ると大変だなぁ。」
「貴志さんは?」
「180だな。でも体重が(笑)」
「それでも弓弦と同じぐらいか?」
「真志さんは?」
「190あるかな?でも僕は重いですよ?」
「そうなの?」
「80kはあるもん。」
「そうは見えないですよね。」
「貴志も真志も誠さんも背が高いからあたしが小さく見える。
 俊哉は逆にかわいいよな。」
「かわいいって言わないでくださいよ。」
「でも俊哉は170無いだろ?」
「171ですって。ぎりありますよ。」
「そかそか、でも俊哉はかわいいって人気あるもんなぁ。特に女性の顧客が多いし。」
「そうですかぁ?なんか微妙だなぁ。」
「あの・・・・・。夕方まで時間あるのでこのままぶらぶらしませんか?」
「そうだなぁ。この中では一番弓弦のこと知らない部分多いから白状させちまおう。」
「あら。誠さんだって同じよ?」
「お互い様か(笑)」
「あの、誠さん。率直に聞いていいですか?
「なんですか?翔太さん」
「弓弦さんと男と女じゃないんですか?本当に何にもないんですか?」
「おいおい。真面目に聞いてるの?あんたたち(笑)」
「だってさ、仕事仲間だけなはずなのに
 なんでそこまで信頼して信用してすべてをお互い預けるように
 できんの?俺らそれがわかんない。」
「翔太君も悠太君もお互いをすべて知らないの?」
「プライベートは別だとそうどこかで思ってる部分もあって全部という全部は知らない。
 研修生として入るまでの過去は知らない。」
「そうなの?おかしいんじゃない?だって、ダンスするときでも組むでしょ?
 お互いを信用して信頼しないとできないでしょう?怪我が多くなってしまう。」
「弓弦さんは、長崎で育った時の事たまには誠さんと話すことあるの?」
「あぁ、あるさ。西村さんの事も今回早く帰って会いに行く恩師のことも。
 小さい時の事とか母の事とか、店を手伝ってた事とか
 未成年だとわかりきっているのにカウンターでお酒使った物作ったり。」
「弓弦の煙草始めが中学一年だったこともな(笑)」
「仕方ないじゃん。環境がそういう環境だったんだもん。」
「煙草かぁ。俺らはきっちりと20から。」
「あなたたちは人の手本となる人だからそりゃ駄目でしょう(笑)」
「煙草吸う?」
「て言うか、煙草買いによっていい?コンビニ。」
「えぇいいですよ。」
「あたしも切れちゃってて。」
「翔太君も悠太君も車にいるでしょ?」
「はい、ここで待ってますから。」
「誠さんなんだったっけ?」
「セブンスターのメンソール。1Bお願い、まだあと8日間あるからさ。」
「そんなに吸うんですか?それだけ吸ってて息切れしません?
 ダンスしてて息切れしちゃうのがふつうでしょ。」
「そうなの?」
 
そういって誠さんたち5人で話しをしている間、
弓弦と貴志はコンビニに着くと飲み物7本と誠さんの煙草と
自分の煙草を買って戻ってきた。

「はい、誠さん。」
「ありがと、おごりだろ?」
「まさか(笑)あとでくださいね。」
「しっかりしてらぁ、そんなところは女だよな。」
「普通なら当たり前でしょ?
 先輩でもちゃんとけじめはね。お願いしますよ、誠さん(笑)」
「弓弦さんは何吸ってるの?」
「赤ラークの100’s。」
「きついの吸ってますねぇ。」
「そうでもないけど、ここには100’sがなかった。
 仕方ないから短いのを倍買った。」
「俺らは軽いのしかすえないもんなぁ。一本頂戴は言えないな(笑)」
「軽いの吸ったら俺らは本数増えるしな(笑)」
「貴志、僕の煙草は?」
「ほれ、俊哉のマルボロメンソール。真志のアクア。」
「ありがと。弓弦さん、お金後でいい?」
「いいよ。あとでね、利息は一割な(笑)」
「ひっど。(笑)」
「車の中だけど、吸っていい?」
「僕たちは大丈夫ですよ。」
「で、どこ行く?」
「とりあえず、自然公園とか行ってみます?」
「そうする?誠さん」

そういって7人はその場を後にして、自然公園というところまで足を延ばした。
その公園があるところは人が少ない割には、広々としていて
平日だからなのか、人が少ない。大きな木が多く、木陰が多くて
結構風が通り、今でも日中は結構暑い気温。
一応デッキがあるから、そこで練習と思い人が来ないような場所を探して
7人広がる。曲を流す。心地よい風の中で練習を始めた。

「そこ違いますよぉ。こうです、こう!」
「こう?」
「だーかーらー。こうですって。」
「あ、逆か(笑)」
「向かい合ってやってるからそうなるんだ。弓弦は翔太君の横でやれば?」
「そっかそっか、すまん(笑)」

そんなそどりながらも笑いが絶えず、楽しそうに踊っている4人。
人が遠巻きに見ている。`あれってもしかして?´と。
それに気づいた悠太が帰ろうと言いだすが弓弦と誠はその人たちに声をかける。

「ねぇ、お願いがあるんだけど。
 練習しているんだけどさ、見ててチェックしてくんない?」

そういうと、遠巻きに見てた人たちが集まり周りを囲むように座り
翔太と悠太もそれに混じり弓弦と誠のダンスをみんなで見始めた。
かなり`love is・・・´の方は出来上がってて、みんなも拍手した。
もう一つのはいまいちなのか、反応が鈍い。誠はそれが気になり一人一人聞いてった。
弓弦も気になったがそれは仕方ないと、帰ってからまた練習をしないとと反省をしていた。
夕方になり、わんこのお散歩をする人たちに入れ代わるように
見ていた人たちも少なくなっていったので、帰ることとなった。
それから宿舎に帰ると19時を回ってた。

「ただいまぁ。」
「お前たちどこほっつき歩いてたんだ?」
「すみません、なんだっけあの場所。自然公園?」
「そうそう、自然公園で練習してたんすよ。秋山さん。」
「ほんとか?」
「嘘じゃないですって(笑)ちなみに`love is・・・´は
 5人ともOKです。あとは歌の方のレッスンを。」
「んじゃ、夕飯後見せてもらうかな。」
「秋山さんが見てくれるの?」
「それって幸せなの?それとも運が悪いの?」
「弓弦さん?俺も一応踊れるんですけど?」
「秋山さん、厳しそうなんだもんな。」
「弓弦、我がままだろ?見てもらえるだけでも、ありがたい。
 きちんと悪いところ見てもらって注意してもらわないとな。」
「だってさ(笑)昨日のことがあるし。」
「気にするな。それはそれ、これはこれ。」

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