森尾月子

もりおつきこ

何気におばちゃんです。
今まで書いてきた書き物を残したくて登録しましたが
どうしたらよいかわからず、
別サイトより手直ししながらUPしています。
妄想ものです。夢物語です。

YUZURU 45

「みんなちょっと。こっちに。」
「なんっすか?」
「今、西村さんから弓弦の意識が戻ったと連絡が入った。
 明日早朝に面会に行くが、とりあえず俺とオーナーが行く。
 午前中は検査が入っているからしいがその検査しだいでは
 午後から面会可能となるだろうって。」
「その連絡が入ったら俺らも行っていいんですか?」
「あぁ、ただし大人数ではだめだ、騒がしいからな。」
「オーナーが一番に会いたいでしょう?」
「オーナーが帰ってきたら俺らも2,3人づつ行こう。
 な。そうしないか?」
「そうだなぁ、でも警察との面談もあるらしいから
 西村さんに連絡を入れてからがいいだろう。」
「そうだなぁ。今は意識戻ってゆっくりとしているんだろう?
 で、明日の朝は検査でバタバタだし
 午後から病室の移動をするとなると、やっぱり落ち着かない?」
「それに警察がいるんだろう。早期解決って毎日毎日
 TVでも言ってるもんな。きっと、体調が良ければ話をって感じだろうしな。」
「無理しては動かないだろう。朝から誠さんとオーナーが行くのか?」
「だなぁ。俺とオーナーと。」
「俺は、あとでいいや。」
「俺も。それよりもここをしっかりと守ってなきゃ弓弦さんに怒られる。」
「復帰は早いだろうな、根性あるし。」
「復帰かぁ。言っていいのかなぁ・・・・・・。オーナー。 
 隠してちゃまずいでしょう、もう。」
「そうだなぁ。」
「何俺らに隠し事してるんですか?」
「いや、弓弦がいいと言ったらいうさ。
 多分、自分の口から言いたいだろうから俺やオーナーの口からはやめとこう。」
「そうだな、誠。お前もはっきりせんといかんしな。」
「なになに?誠さんと弓弦さん??結婚するとか?しないとか?の話???」
「おいおい、なんでそういう話になるかなぁ。それが本当だとうれしがはずれだ(笑)」
「違うんですか。」
「それだと俺は貴志や健に殺される(笑)」
「誠さん、ここで言いますか?」
「貴志っ。真面目にお前弓弦さん狙ってたのか?」
「いつも一緒に居るだろう、一緒に居るとそれが当たり前になるし
 弓弦さんのあの笑顔で隣に立たれてみろ、誰だって落ちるさ。」
「そうだよなぁ。ねぇ誠さん。」
「弓弦信者が多いんだなここは(笑)とりあえず明日の朝に行ってくる。
 検査次第では午後から会えるから楽しみにしておきな。」
「んじゃ帰るか。誠、どっちに帰るんだ?」
「ひかりのうちに。伝えないといけないし。
 というと明日はひかりさんとご両親とくるのか?」
「俺は、連絡を入れるのでそれからって伝えます。」
「じゃ明日の朝は誠と二人だな。」
「朝7時は迎えに来ますから。」
「あぁ、頼む。お休み。」
「お疲れ様でした。お先に失礼します。」






家に着く。ガレージには弓弦のBMWとバイク。寄せて止め直して誠の車を停める。
ひかりの家の方はもう明かりが消えてしまっていたが誠は勝手口の鍵を開け、2階に用意されている弓弦の使っていた部屋に上がっていった。
するとひかりが自分の部屋から顔を出す。

「おかえり、誠さん。」
「ただいま。どうしたんだ?こんなに遅いのに。」
「寝れなくって。なんだか寝れなくって起きてたの。」
「ひかりちゃんは何でもそうやって感じるんだな(笑)」
「なに?何かあった?」
「おじさんもおばさんも起きているのか?」
「多分・・・・でも、どうかしたの?」
「んじゃ、下に降りてこないか?おじさんとおばさん起こして。」
「わかった・・・・けどなぁに?」



「おかえり、誠ちゃん。」
「おかえりぃ、今日も一日お疲れさん。」
「いえ、こんな夜中に起こしてすみません。」
「あたしなんとなく起きてたらさ、誠さん帰ってきた車の音がして
 部屋には居る前に声かけちゃった。」
「ひかりちゃんは本当に勘が鋭い(笑)」
「明日朝早いがオーナーを連れて病院へ行ってくる。」
「それって・・・・誠さん。」
「そうだ(笑)弓弦が今日20時過ぎに気が付いたそうだ。」
「本当に?弓弦、大丈夫なの?」
「あぁ、西村から電話があった。閉店するぐらいに。」
「お父さんお母さん。やった!弓弦が!弓弦が!」
「ひかりはなく蒸しだなぁ、喜んでも悲しくても大泣きしてしまう(笑)」
「明日朝から検査が入るそうだが、西村が言うことには意識がしっかりしているから
 検査の後は面会できるかもしれないってさ。」
「誠はどうするんだい?」
「俺は明日、オーナーを連れて朝一番でと思っているが。
 西村が検査が8時から入ったからその前がいいって言ってたから
 お店を代表して俺とオーナーが7時過ぎに行く予定。」
「そっか、ならその後に行こうか。お昼の仕事を早めに切り上げて
 ねぇ、父さん、どうだい?」
「そうだな、誠ちゃん。お前が朝一で行って面会だろ?
 で、そのあと検査があってそして検査から解放されるのは
 きっと昼すぎるんだろうなぁ。」
「そうだな。多分そうなるかと。」
「んじゃ、検査の結果が出る頃にでも行くか。母さん。」
「その頃に照準を合わせようか(笑)きちんと弓弦の怪我を知っておかないとね。
 あの子心配させないように隠すから(笑)」
「そうだな。んじゃ、会いに行ってその様子でこっちに連絡を入れるとするか。」
「ひかりはどうするんだい?」
「あたし明日は忙しいかなぁ。だって弓弦が気が付いたんでしょ?
 するとうちの会社自体も騒ぐだろうから動きが取れなくなるかも。
 あたしは明日を外して会いに行くわ。弓弦が気が付いたそれだけで
 あたし仕事する元気でてきたもん。」
「お前はげんきんだねぇ(笑)」
「んじゃ、一応報告はしたんで休むよ。オーナーを7時前には迎えに行かなきゃいけない。」
「もう26時だ。さぁ休んで明日に備えよう。店も忙しくなるかもなぁ。」


部屋に入ると、月明かりが差し込んでいる。
ソファに座る誠の顔は何気に笑っている。うれしい。
弓弦の意識が戻ったのがすごくうれしくて。
ソファに座り込み、ブランケットにくるまりお気に入りの水割りを一つ
前において助かってくれてありがとうとつぶやき吞んでいた。

嬉しい気持ちが気持ちを落ち着かせていないのか
誠は浅い眠りの中を漂っていた。そしてその朝を迎える。







「おはようございます、オーナー」
「あぁ、おはよう。」
「前まで来ていますが、もう行きますか?」
「あぁ、待ってな。」




そういって小林が店の2階から降りてきた。

「おはよう。誠、眠れなかった顔だな。」
「寝れますか?弓弦の意識が戻ったんですよ?これで一つ先に進める。」
「なんだ?一つ先に進めるって。」
「そろそろオーナーには話をしないとですね。」
「なにをだ?」
「弓弦と俺は腹違いの兄弟だということを。きちんと話をしなければいけないし
 弓弦がきちんと説明をしないと俺は宙ぶらりんのままなんで。」
「おい、それはいつわかった話なんだ?」
「俺がそう聞いたのはチャリコンの前々日の帰りです。
 弓弦の体の事とと一緒に弓弦の結婚の事とそして俺とのつながりと。
 弓弦の伯父伯母従妹のひかりちゃんと交えて話をしてくれました。
 だからあとは弓弦が意識を取り戻し、弓弦の家族であるあと一人の
 爺さん・つまり原田氏に会って話を聞かないとだめなんですが。」
「大切なことお前今まで黙ってたんだな?(笑)」
「弓弦があんなことになって宙ぶらりんのままでどうして言えますか(笑)」
「とりあえず、良かったなぁ。お前は一人じゃなかったんだ。
 それだけでも嬉しかっただろう。」
「えぇ、もちろん。それに大事な妹が助かったんです。嬉しくて寝れませんって。」
「誠。とりあえず、話ができるところまで話してくれよ。
 病院に着くまででいいからさ。」
「俺の事は、弓弦自身かなり前から知ってた様子でした。
 知ったのは弓弦を送ってきた弓弦の爺さんが俺を見て気が付いたそうで
 その時に俺の出生を調べたんでしょう。
 弓弦に俺のことを話ししたそうです。だから弓弦に生きていて
 もらわないと爺さんにも会えない。会いに行くきっかけを
 なくすことになってしまう所でした。
 俺は弓弦の父さんと結婚を反対された彼女との間ににできた子供らしい。
 だから弓弦と俺は腹違いの兄弟ということだそうです。」
「複雑で簡潔に話しされると難しいな。あとでゆっくり聞くよ。
 お前が弓弦の兄なのかぁ。それが現実なら受け入れるしかあるまい。」
「えぇ。俺としては血のつながりがなかった方がより嬉しかったのですが。」
「お前も弓弦を大切に思てたもんな、俺はわかっているつもりだったし
 お前がその気になったら俺は協力するつもりだったが
 血がつながっていると知るとちょっとな(笑)」
「詳しいことはきちんと弓弦を介して爺さんと話ができれば
 きちんと俺も口にすることができるだろうし、
 弓弦があれだからもう少し落ち着いてからになるんでしょうけれど。」
「そうだな、ゆっくりいいじゃないか。さぁ着くぞ。」
「ですね。」
「誠。」
「なんですか?」
「泣くなよ?」
「あはは、オーナーも。」




病院は朝早くからたくさんの人で駐車場もいっぱいだった。
隙間に停めると、急いでおり病院に入っていく。
受付を多り過ぎ、エレベーターに乗り込む二人。
弓弦と西村がいる階につき降りると真正面に看護師たちの集まる
ナースステーションがありエレベーターを出てくると一人の看護師に呼び止められた。

「朝早い時間のご面会はお断りしているのですがどなたに会いに来られたのでしょうか?」
「あの、昨日連絡があって。西村さんから。」
「えっと西村さんからですか?」
「身内なので確かめていただけたら。私は相原誠と言います。」
「そちらにかけて、お待ちください。」

看護師は西村の所まで行き確かめる。
この時間はまだ弓弦と同じ部屋にいたのだが、相原誠さんと言う人が
面会に来たということを西村に伝えた。
まだ眠っている弓弦を起こすかどうかは迷ったが、部屋に来てもらってくださいと
看護師にお願いした。

「おはよう。西村さん。」
「あぁおはよう。まだ弓弦は寝ています。昨日20時過ぎに意識が戻り
 それから体中の痛みが激しいために鎮痛剤を投与され
 まだ眠っているんですが、検査があるしもうそろそろと思ってたところです。」
「まだ、弓弦は。」
「えぇ、もう起きるでしょうが。」
「8時になったら検査が始まるので、起こしますか。」
「何時だ?」
「7時半前ですね。」




「弓弦。弓弦?」


手を握り、耳元で名前を呼ぶ。
まだ痛みが取れないままなのか、渋い顔をする弓弦。

「弓弦、ごめん。弓弦、起きたか?」
「あぁ。えぇ、おはよう。眩しい・・・・朝なの?」
「あぁ、朝だよ。もうす検査の時間だ。その前にほら。」




「誠さん。オーナー!」
「弓弦、本当に。弓弦・・・・・・。」
「誠さん、ただいま。」
「あぁ。」
「オーナー。帰ってきました。」
「おかえり、弓弦。」
「おかえりな。待ってたぞ、みんなでお前の帰りを。」
「ありがとう、オーナー。ありがとう、誠さん。」
「お前が帰ってこないと、俺は爺さんに会えないしな。」
「そうだな。」
「これから検査だそうだな。」
「えぇ。なんだか怖いけど、自分の状態を知っておかないと。」
「おい、よく見るとお前すごい状態じゃないのか?」
「あぁ。西村さん、なんだっけ?」
「肋骨折れて肺に刺さってたし、左肩甲骨真っ二つでプレート入れられ、
 右鎖骨は真っ二つ。右大腿骨の筋肉裂傷。
 右足首、関節をなさない状態らしく人工骨を入れること決定。」
「それだけで済んだのか?本当にそれだけか?」
「わかんない。でこれから検査なんだけど。」
「そうか、行ってこい。検査はすぐ終わるんだろう?」
「わからないけど多分何もなければ。」
「弓弦、真面目に受けて来いよ。正直に何でも話すんだ。」
「わかってるって、て言うか何もしなくても運ばれているし
 何も言わなくても白状させられる。」
「んじゃ、弓弦。行ってこい。」
「あぁ。」

検査室に連れて行かれる弓弦を見ながら、西村は誠と小林を話しをしていた。
これから検査がありそのあと弓弦が大丈夫であれば警察からの要請で
話をするため
病院内に部屋が用意された。弓弦のベッドをそこにそのまま運び込み
そこで話ができるようにと。

「原田さん、そのまま動かずに。」
「とりまーす。いいですかぁ?いいというまで呼吸止めて。」

そうやってレントゲンを撮る。
まだ動けない弓弦を、専用のに乗せ換えレントゲン室に入れて撮り終えたら次。
CTスキャンで隅々。そして一時間後に結果が出た。
それに付き添うという西村だが弓弦が引き止めた。一人で聞きたいと。
しかし西村も引き下がらない。隠しごとみたいでいやだと、一緒に聞きたいと。
何気に仲が良い分我が強いのか衝突も人前でも構わずに。
見ている誠と小林はおかしくてしょうがない。
すぐ帰るつもりが西村と話していると検査が終わり結果が出て
それでみんな呼ばれたのだがそれを見てておかしくて。

「お二人さん。まぁ仲良く聞きなよ。先にお暇する。
 誠。誠はいいぞ、二人に付き添え。身内のことだからな。(笑)」
「いいんですか?送っていきますよ。」
「あぁ、そうか。誠に連れてきてもらったんだっけ、忘れてた(笑)」
「そうですよ、だから送っていきますって。
 これだけ威勢が良ければ心配はありませんから。あとで西村さんに聞きますよ。」
「そっか、ならお前に甘えて。」
「どっちにしてもそんなしないで開店準備しなければいけませんし。」
「そっか、なら俺らはこれで。」
「また連絡するよ。」

診察室に呼ばれている西村をその場に残し二人は病院を後にした。
もう店に着て準備をしている奴らにも、そのおかしく元気なやり取りを
話ししたくて店に向かったのだ。
一方、先に診察室に連れて行かれてて、西村が来るのを待っている
担当医と看護師は不機嫌な顔をしている弓弦を見ながら話をしていた。

「そんなに青白い顔をして不機嫌な顔をしていると青鬼と言われるぞ?」
「いいんですっ。先生、西村さんまで呼ぶの?」
「呼ばなきゃいけないでしょう?だって、旦那さんになる人でしょ?」
「だけどぉ。まだ結婚してないしっ。」
「でも予定でしょ?」
「予定は未定っ!」
「おいおい、あんなにしおらしかった弓弦はどこに行ったんだ?」
「まじに西村さん呼んでるし。」
「さてと。発表しますか。」
「でも、そんなにきついことはないでしょ。」
「えぇ、手術した時に話したことと同じです。
 それ以上に、何かあるというのはありませんでした。
 隠れた内臓出血も、脳内出血も大きいものはないし
 ただ、原田さん。誘拐されてからあなたは何も食べてないでしょう?」
「えぇ。何も食べれなかった。怖くて緊張して何も。」
「それによる不調が出ていますが、今は自分で食べれると思いますか?」
「多分はいちゃうかも。お水をいただくのにも少し胃がつらい。」
「だと、やはり点滴で充実させてからとは思うのですが
 今日の夜はおかゆからチャレンジしていただきましょうか。」
「大丈夫です。吐きたかったら吐いていいんですから。
 食事のときはわたくしが付きます。」
「そうだね。そうしよう。君がついてくれ。」
「で。原田さん、あなたには細かく聞いて行かなければならないが
 言いたくなければ言わなくていい。」
「なんですか?」
「まず、誘拐されたその日はなにもされなかった?」
「その日は、顔の左側を殴られただけ。」
「それは左眼球下陥没骨折だな。」
「あはは、そうだったんだ。」
「陥没した所の骨折は、小さい骨折だったから、自分でも
 そう気にしなかったんだろうな。すでに薄くくっついていた。
 ひびが入っているような感じだけど、
 しばらくしたらきちんとつながるでしょう。」
「あたしの顔は?変形しているの?」
「大丈夫。顔の骨折でへこんでもいないし、でてもいないし。
 そのままくっつけば大丈夫。さわらないようにね。」
「あとは右鎖骨の骨折。いわゆるぽっきりとだから右は固定して
 つながるのを待つだけ。でも本当に怪我は全身すごいんだと思ったよ。
 左肩甲骨。これも二つに割れていたので固定している。
 プレートを入れてつなげているので痛みが取れたら
 つながるのを待つだけ。そのつなげているプレートは無理にとる必要なないと思う。
 寒いと冷える鉄のプレートではなく、体温を維持する
 硬質プレートだから気にはならないと思うが痛みが取れたらそれで治療は終わり。」
「なんだかすごく傷跡がたくさんになったみたいだ。」
「お前傷だらけだったんだぞ?ほら見てみろお前の両ひざ。
 擦り傷だらけ。頭も、血だらけですごかったんだって。」
「だって、あたし。走っている車から突き落とされたんだもの。」
「まじか(汗)」
「そうだったんですか。だから傷に大きいところの入り具合が
 体の芯を中心に回るように擦過傷が付いたんですね。
 あとはろっ骨が折れてました。それは?」
「いつだったか、犯人の隠れ家に行ったとき連れ込まれた部屋で
 誰かがあたしが気に入らない顔をしていると蹴ったんです。
 その時に痛いし、ずっと呼吸がしにくくて。」
「蹴られたのか?弓弦。お前。」
「その蹴られてろっ骨が折れて左の肺の下の方に刺さってました。
 折れて刺さっている骨の向きがどうもおかしいと思ったらそうだったんですか。
 3㎝ほど刺さってて、その破れた肺胞は出しました。骨も折れたのをつなぎ固定。
 あとはつながるのを待てば呼吸も少し楽になります。
 そのささった肺胞の周りに血だまりができてて
 それが呼吸の妨げになってたみたいでですね。
 あと。」
「あとは。」
「そうそう右大腿骨の所、一番筋肉が太いところがありますよね。
 そこの外側広筋という筋肉に断裂が一部見られ出血もしてましたが
 完全に切れてという状態ではなく裂傷という感じでした。
 ですのでこれは普通に治るのを待つだけ。
 別に血腫も見当たりませんし、経過は良好でしょう。
 しかし、右足首。これはどうしたんですか?」
「右足首。突き落されたときにかなりあちこちにぶつけたみたいで
 覚えているのは何かにぶつかったとだけ。」
「ぶつかった時に打ちつけているんでしょう。
 関節を作り上げている骨の一部が剥離骨折していました。
 血腫ができてて骨は粉々になって。
 で、関節という役割を果たす骨がもうどうしようもならないぐらいでした。
 でもこれは誰かが応急手当をしてくれてますね?
 血腫が圧迫するほどに大きくなるのを血を出して小さいまま。
 変な方向に固定をすると、神経も圧迫されますし
 こういう風なことをしてくれるとなるとかなりな医療知識がないとできません。
 どなたがしてくれたのかは私も原田さんもわからないでしょうが、
 すごく助かりました。この骨折をして多分4,5日たっているんですかね?」
「今日で6日目ですか、多分。」
「見つかった時点で4日たってたということですね。
 でしたら、運が良かった。人工骨を入れる手術をしますが
 神経の圧迫もないし、筋肉が壊死しているところもないですし
 うまくいくと思います。関節だけを人工物に変える手術ですから
 手術が終わり傷が痛まなくなったらリハビリに入ります。」
「歩けるんですか?あたし。」
「歩けるも何も、今は今まで通りの動きができるまでには完全に治ります。
 人工骨を入れてしばらくすると筋肉も神経もその関節を受け入れ
 元のように動けるシステムを自分自身が作り上げます。
 なので、少しづつリハビリで動かすようにして行きますよ。
 早い人で半年、長い人でも一年経たずに元の動きに戻ります。」
「今はすごいんだ。」
「あの、先生。」
「なんですか?西村さん。」
「弓弦は俺の所でもドラムたたくんです。それは・・・・・。」
「大丈夫です。それぐらいは。最近の技術ですから。」
「人工骨と言えども、基本は自分の骨が基本です。
 これから原田さんに取り付ける人工骨は砕けて
 粉々になった関節の一部を取り出しましたと言いましたよね?」
「えぇ。」
「その砕けた骨を使い人工骨として作り上げられています。
 それを今ある骨と動くようにつなげるというかつけれるように
 前の取り出す手術の時に準備をして傷をふさぎました。
 だから、もう一度そこを開き人工骨をそこに取り付けるというか
 合体させるというか。やっぱりわかりやすくって難しいなぁ。(笑)
 取り出した骨の代わりの人工骨を入れ、筋肉とかで覆わせて
 関節の動きを元に戻るような治療をしなければなりませんし
 少しきついところもあるかもしれませんが、早く治るは治ると思いますよ?」
「まぁ、どう治療するにしてもあたしが何でもがんばって努力しないといけないわけだ。」
「そうですね。頑張れますか?」
「頑張らないと、シェイカーrがふれない。立ってお客様を迎えれない。
 ドラムが叩けない。ピアノが弾けない。全部あたし次第か。」
「バージンロードを歩けないも含まれているだろ。」
「それも含むの?やだなぁ・・・・・。」
「嫌がるなよ。絶対式は挙げるんだからな?(笑)」
「それはそれは(笑)では早い回復をさせないと困るんですね?」
「そうです、そうなんですよ。」
「西村さん急ぎ過ぎ。まだ口約束だけなのに。」
「急がないと、誰かにまたつかまえられてしまう(笑)」
「でも本当にこれぐらいでよかったですよ。
 さぁ、隣りで警察の方々が待っているがどうしますか?」
「弓弦、どうする?がんばれるか?長くなりそうだ。」
「大丈夫なところまででいいんだろう?」
「そうだね。話せるところまで、体力勝負だな。」

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