森尾月子

もりおつきこ

何気におばちゃんです。
今まで書いてきた書き物を残したくて登録しましたが
どうしたらよいかわからず、
別サイトより手直ししながらUPしています。
妄想ものです。夢物語です。

YUZURU 59

「なぁ、弓弦さん。俺と弓弦さんってもう5年もなるんだな。」
「そうだなぁ。貴志がスタンダードで優勝してさそれからだからもう5年もたつのかな?」
「あんときさ、女のくせにそれもすげぇ若いしって見てた。
 隣に立つと俺とたっぱが変わらなかったしさ、
 こいつ俺のライバルになるんじゃないかって見てたんだ。」
「光栄だなぁライバルと認めてくれてたんだ。」
「でもさ、先に`mask´に入店してて、先輩になるとは恐れ入ったよ。」
「貴志はいつ入店だっけ?」
「いつだっけなぁ。コンクールがあったろ?それから半年はたってたと思うけど。」
「あたしはコンクールの終わった3日後だったかな。」
「偉く早いな。なんで?」
「コンクールの終わった次の日に`mask´に行って、
 そこで出されたものを飲んでそれに感動してさ、
 そこのオーナーに面接を申し込んたんだっけ?そしたら次の日から来てって言われて。」
「弓弦さんは即決めしてたんだ、オーナー。俺は面接が終わってから
 一週間待たされたぞ?」
「そうなんだ。でも貴志と真志と3,4日しか違わないんじゃない?」
「そうだなぁ。でも面接日は一緒だったんだぜ?」
「そういう詳しいことは誠さんが知っているのかなぁ。」
「だと思うけどさ。あの中での一番の古株だし最近壊れているから
 何でもしゃべるかもな。でもさ、弓弦さん、誠さんと兄弟でよかったな。
 あんなできた兄さんはいないぜ?」
「だなぁ。でもそのほうがよかったのは貴志の方なんじゃないのか?」
「それは弓弦さんが西村さんと結婚しなければ俺の出番だったと
 そう思うけど。でも、もう決まっちゃってるしなぁ。」
「ちょっと遅かったな。」
「もっと早ければ、弓弦さんにもっと早くに気持ち伝えてたら少しは違ってたかな。」
「どうだろうなぁ。俊哉なんて入ってきたときからあたしに
 スキスキビーム送ってきてたけど。」
「俊哉は弓弦さんに一目ぼれだったらしいよ?弓弦さんに一目ぼれして、
 何回か通っているうちに表の募集の張り紙見て応募したらしい(笑)」
「あたし俊哉が通ってたこと聞いたことないけど?」
「知らなかったの?誰だっけ・・・・・そうそう。
 そうだ、峻が知ってる。通っても弓弦さんを指名する勇気がなくって
 峻を指名してたらしいからさ。」
「初耳だっ(笑)」
「あの中ではさ、一番が誠さん二番目が弓弦さん三番目が峻さん
 真志、俺、健って続くけど、俺からあと俊哉とかの代から下は
 みんな入店して弓弦さんに一目ぼれしているんだよ?
 知ってた?」
「知らないって、そういうに気づいてたら違う行動してるって」
「みんなさ彼女いないだろ?」
「あぁ。」
「みんな、自分たちの中では弓弦さんを彼女って意識しながら
 あの場で頑張ってるんだって。弓弦さんを超えた時に
 気持ちを伝えるんだって。みんなの恋ごころつかんじゃって
 弓弦さんはずるいよな。なのに、西村さんと婚約するんだろ?」
「西村さんと結婚するのはまだね先の話なんだけどさ
 あたしの気持ちは決まっているのに、まだ一人でこの世の中を
 泳がせるつもりらしいよ?」
「それだと、弓弦さんがもし別の人に気持ち奪われちゃったりしたら
 西村さん後悔するよ、きちんとつかまえておけばよかったって。」
「どうだろうねぇ。でも、あの人あぁ見えてさ焼きもちやきなんだよ?
 今日もさぁ、いきなり仕事で大阪に行ったらしいんだけど
 最終の新幹線に乗ることができないんだって。
 で、大阪に泊まるからここに帰って来れないでしょ?」
「あぁ。」
「23時回るけど電話を入れるからって。声を聴かないと寝れないって。」
「それはあまりにも(笑)」
「ね?どう思う?これだとどっちが年上なんだかわかんない(笑)」
「弓弦は愛されているんだなぁ。そこまで心配されて。
 割り込む隙もないぐらい?かなぁ。」
「割り込めるとしたら、西村さんが浮気したら割り込めるかもよ。
 あたし浮気とか大っ嫌いだからさ。」
「んじゃ、次に西村さんに会ったら浮気の勧めを教えようっと(笑)」
「ったく。貴志はずるいなぁ。」
「なぁ弓弦さん。」
「なに?」
「ベッドからそうやって上半身起こしててきつくない?」
「えぇ、今はきつくないわよ?」

弓弦がそう答えると、横にいた貴志が急に立ち上がり近づいてきた。

「弓弦さん。抱きしめていい?」
「駄目だよ、まだ鎖骨もくっついてないし肩甲骨もくっついてない。」
「そうじゃなくって、それは言い訳でしょ?」
「貴志。もうあたしは・・・・・」
「本当に生きて帰ってきてくれてありがとう。神様に感謝だなぁ。」
「貴志、そう思ってくれてありがとう。」
「んじゃ、抱きしめてもいい?」
「え?」
「だって、誰か来たり見てたりしたらできないし。
 ここだと弓弦さんに張り倒されなくていいし(笑)」
「普通に駄目でしょう?」

そういう言葉を無視して貴志は弓弦を抱きしめた。
大切なものを抱え込むように、優しく。

「弓弦さん。いつまでも愛しているから、大好きだから。」
「ありがとう、貴志。いつもあたしには優しいんだな。」
「お願いがあるんだ。」
「なに?無理なことでなければ。」
「これはさ、みんなからのお願い。」
「なに?」
「店内では、女に戻ること。
 俺らはシャツにネクタイで黒だろ?いわゆるギャルソンスタイルじゃん。
 弓弦さんはシャツにネクタイは一緒だけど、
 黒のタイトスカートにするって。オーナーが準備していると思うけど。」
「まじでスカートはかされるの?」
「いや、弓弦さんだと絶対あのブースでは黒のタイトスカートででも十分に
 似合うって。足きれいだし細いし長いし。
 十分、弓弦さんは女に戻ってもあそこでは一番だよ。」
「嫌だなぁ、オーナー指令だと仕方ないけどさ
 あたしいつもの格好での仕事がしやすいんだけどな。」
「今抱きついたから弓弦さんのサイズ分かったし、それで制服の注文入れておくから。」
「貴志それってずるくない?」
「いやいや、調べただけですって。上からDの65だろ?
 でも弓弦さん痩せたよな?」
「痩せてはいないと思うけど、貴志お前なんで的確にわかるんだ?」
「内緒さ。でもウエスト60無いよな。56?57?だろ?」
「まじで触感でわかるんだ。すごいってそれ・・・。でも誰にも言うなよ?恥ずかしい。」
「でもういっちょ!スカート注文できねぇだろ?」
「言うの?言わなきゃダメか?」
「だめ。だってマジ注文困るもんオーナーが。」
「まじ誰にも言うなよ?」
「あぁ(笑)」
「なんかばらされそうだなぁ。」
「言わないって(笑)俺と弓弦さんだけの秘密じゃん(笑)」
「・・・・・・・・・・・・・・80だ。」
「なに?聞こえないよ?(ニヤニヤっ)」
「だから・・・・・・・・・80だって。もぅ。」
「 80ね?」
「うそ。77。」
「ちっちぇぇ。」
「でも図ったとこないし、ここ数年。」
「んじゃ図ろうよ。どうせ病室にはメジャーとかおいてないだろ?」
「だね、計れないじゃん(笑)」
「そう油断するといけないんだぞ?ほれ。俺のベルトがある!」
「ずるい・・・・・・貴志すげぇずるい!」
「はい、弓弦さん。腰上げて、自分で測る?」
「自分で測る!ちょっと待って!」
「立てる?立ちあがれるのか?」
「左足は大丈夫だし。」
「んじゃ。」
「よいしょっと。ねぇベルト。腰に回して。」
「ほい。えっと、ここ。ここに印っと。」
「でいいの?」

そういうと弓弦が倒れそうになった。
貴志がすぐに抱きつき倒れずにはすんだが、弓弦は慌てた。

「あ、ありがとう貴志。助かった。」
「いいんだけどさ。なんだかなぁ・・・・俺の弓弦さんじゃないから
 抱きしめてもなんかむなしいな。」
「そうだね、仕方ないじゃん。そう言わない。だけどなぁ・・・・・。役得?貴志。」
「役得、考えると・・・・(笑)やっぱり役得だな(笑)」
「んもぅ。貴志。何があってもkissしてあげない。」
「それは卑怯だって弓弦さん。コンテストが来年あるの
 弓弦さんも出るんだろうけど俺も出るんだぜ?
 もちろん俺が勝ったらおまけしてもらおうと思ってたのに。」
「コンテストって何?」
「`mask´からは5人でる予定でさ、誠さんと弓弦さん
 俺と峻と俊哉が出る予定なんだけど。何にも聞かされてない?」
「あぁ、何にも。でもたぶんそれ出れないかも。」
「なんで?」
「退院したらさ、秋山さんとの仕事があるしかなり先の話だけど映画の話がある。
 それが落ち着くころには結婚式だもん。」
「仕事・・・・・仕事辞めるの?」
「仕事は辞めない。辞めたくない。あたしからバーテンダーの仕事を
 取ったら何にも残らない。辞めないわ。」
「でも、この仕事との両立は難しくない?」
「西村さんが言ったの。`俺の妻は天性のバーテンダーで俺の自慢なんだ´って。
 だから、辞めない。絶対に。」
「そっか。秋山さんの仕事は長くなる仕事みたいなの?」
「まだわからない。」
「映画は?」
「映画はさ久原氏の作品だから断れないよ。
 あたしのために書き下ろした作品で、あたしがそれをしなければ
 その書き下ろしたものはお蔵入りにするんだって。」
「弓弦さんのためにだけ書いた作品かぁ。」
「断れる?断れないでしょう?」
「だなぁ。頑張れ、弓弦さん。(笑)」
「まだ2年3年先の話だろうけれど少しづつ詰めていくって話。
 それに何年もかかっての撮影じゃないだろうからがんばるさ。
 撮影たって西村さんも言ってたけど、仕事するぐらいの
 開いた期間も出てくるだろうから気にするなって言ってた。」
「そっか。とりあえず、ふたは開いてみないとわからない(笑)」
「何が何でもがんばるさ。こうやってみんなに迷惑かけているんだもの。」
「そういう弓弦さんがみんな大好きなんだよなぁ。」
「そんなこと言ったって何にも出ないぞ?」
「んじゃ、弓弦さん。俺仕事に行きます。」
「今日も一日頑張ってな。あたしの顧客を頼む。」
「yessir、弓弦さん(笑)」
「貴志、ちょっと。」
「もう帰るんだけど、なに?」
「こっち来て。耳かして。」
「なに?」

貴志をそばまで寄せて耳打ちしようとしぐさを見せる弓弦。
貴志も素直に耳を貸そうと弓弦に近づいいた。








その瞬間、手で顔の向きを変えて軽くkissした弓弦。







「貴志、勘違いしないでよ?ありがとうのkiss。」
「これで俺、かなりがんばれるかも。」
「単純だなぁ。仕事がんばってね。」
「あぁ、行ってくるね。」






部屋に着た貴志は少し疲れてて元気がなさそうにしてたのが
帰り際の弓弦のkissでそれまでのことがなかったように
明るい笑顔で部屋を出て行った。本当に単純なやつだなぁと弓弦は
笑って見せた。
しばらくして、担当医が呼んでいると看護師が弓弦を迎えに来た。

「原田さん、迎えに来ました。結果数値が出て先生が呼んでいますよ。」
「んじゃ、車いすっと。」
「はい、もう慣れてしまいましたね。うまい具合にbedから移れるように。」
「でしょ?何度も自分でしないと退院したり外出したりすると
 慣れてないと大変になるし、周りに迷惑かけるから。」
「でもそれだけ動けると、外出は楽ですよ。きっと。」
「そう思う?でも、先生は感染症が怖いから
 そうそうには外出させたくないみたいに言われてた。」
「それは誰だって怖いから嫌ですよ?
 でも、それは気持ちの問題でしょう。原田さんはどうなの?」
「怖いけどそれだけきちんとマスクしたりうがいしたり
 基本的なことをしてれば大丈夫だとおもうけどな。」
「さぁ着きましたよ。先生、原田さん連れてきました。」
「こちらに。」

入ると担当医の大久保先生と、後二人の先生がいた。

「初めましてではないのですが、外科の大橋です。」
「婦人科の竹下です。」
「原田です。大久保先生?どうしたんですか?」
「3人で囲むとびっくりされてしまうな。でもこれから診察の後
 私たちの質問に答えていただくだけだよ。」
「簡単で単純な質問だけにしてくださいね(笑)」
「んじゃ、とりあえず怪我の診察から。そっちにあるのに着替えて。」
「はい。」
「はじめにCTスキャンするよ。そのあと上半身はレントゲン。
 おなかはエコーで検査だ。」



「息を吸ってそのまま。」



「じっとしてて。」



「はい、次はレントゲンね。そっちのレントゲン室に移動してください。」





そう言って検査が進む。前よりも、動いての痛みが少ない分
弓弦も気持ちが楽に受けられた。

「おなかのエコーもするんですか?怪我してもいないのに。」
「それは、こっちの婦人科の竹下と外科の大橋がな。」
「エコーで使うジェルが冷たいですが、我慢してくださいね。」
「それ辛いぃ」
「我慢我慢。」
「エコーの写真を撮りますね。そのまま動かないで。」




冷たい感触の上をエコーのスキャナが滑るようにおなかの傷跡をなぞる。
その感触が気持ち悪いようでもあるしくすぐったい。
我慢できずに少し動くと怒られまたエコーの写真を撮り直すために
またスキャナがおなかの上を移動する。



「先生くすぐったいですよ。もうだめです、笑っちゃう。」
「仕方がない、この写りのいいので説明しながら話を聞くこととしようかね。」
「なんでしょう。」
「まず先に、原田さん。回復が早い、多分外出しても
 感染症を起こさないように気を付けていただけるという約束ができるのであれば
 外出はある程度許可しましょう。」
「本当ですか?」
「ただし。骨折したところに負荷がかかるような行為は厳禁ですよ。」
「わかってますって、歩けないから車いすでの外出になると思うし
 一人では外出はさせてくれないでしょうし。」
「あなたの周りはあなたを大切にする人ばかりですものね。
 きっと無理をさせる人はいないでしょう。」
「記者会見後からの外出はOKとしましょう。」
「では、私からの質問です。答えたくないことは答えなくてもいいですよ。」
「でも話の上で話さなければいけないことが出てくるかも。」
「それは原田さんが話しても差し支えがなければ。」
「隠すことは何もないですが。」
「では、原田さんのこの子宮の手術はいつの意手術だったのかそこから。」
「少し前なのですが、高校2年の時に若気の至りと申しますか
 自分を相手を傷つけたことがありまして。」
「それはお話しできますか?」
「えぇ。終わったことですから。あたし妊娠しちゃったんです。
 相手からは産んで欲しいとと言われたけど
 産婦人科に行ったら大学病院に回されて詳しく検査しましょうと言われ
 検査したんです。すると、小さい赤ちゃんのすぐそばに
 子宮癌が見つかったんです。
 その時の先生の説明だと、左の卵巣が成長するときに子宮本体に
 くっつき食い込んだまま腫瘍になってしまってそれがその時の検査では
 stage1と判断されました。」
「まだ高校2年で妊娠はなぁ。でもその人はおろせと言わずに
 産んでくれと言ったんだろう?」
「えぇ、産んでくれと言われました。
 それは幸せなことだったと今でも思っています。」
「でもなぁ、やっぱりstage1の子宮癌としては、
 小さい赤ちゃんのそばにあるのはリスクあり過ぎだなぁ。」
「で、高校2年というあたしの命と赤ちゃんとだと
 あたしの命を優先するべきだという意見と
 母が生きてほしいと願ったから、手術をしました。
 その時に赤ちゃんはおろしてしまうという最悪な結果になってしまったけど
 その時の先生や看護師さんたちが言うんです。
 あなたが生きてくれさえすれば、この天国に行った命は
 またあなたのもとに帰ってくるかたらと慰められました。」
「あなたは幸せだ。」
「その時の先生が、将来あなたが愛しい人との子供が欲しいと思うときが
 絶対出てくるだろうと。その時のために最低限の分しか取り除いていないと。
 だから再発の危険はあるが、再発につながるものはすべて取った。
 そして赤ちゃんがまた舞い降りた時に子宮の筋力が耐えられるように
 温存する手術の仕方をしている。
 だから心配しなくても大丈夫だと言われました。
 それから毎年、がん検診だけは欠かさずしています。」
「そうだったのか。でも、それだけではないだろう?
 それだけだとこんなに大きな傷は残らない。」
「その手術のあと、いろいろありまして。」
「ありまして?」
「あたし、ここを刺されたんです。一文字に切り裂かれて。
 その時に子宮の筋肉が完全に切断された状態になったって
 執刀医の方が言われました。妊娠しても子宮が大きくならないと。
 それからピルを服用するようになりました。
 悲しいですが今あたしのおなかの中で赤ちゃんができても
 あたしのおなかはそれに耐えられない状態だと。」
 でもそれから何年経つ?」
「今25ですから9年経ちました。」
「原田さんはその9年間のうちにその子宮に負担がかかる手術とか病気はしましたか?」
「いえ、検診をかかさず受けてたし病気は何も。」
「原田さん、この事件がある前まではピルを服用していましたか?」
「えぇ、この事件の起こる前までは常用していました。」
「というと、ここに運ばれてきて今までピルは服用していないということですね?」
「えぇ。」
「原田さん、一度ピルの常用をやめましょう。
 この9年間癌検診受けて発病している兆しは確認できていないでしょう?
 ということは、あなたの体は健康に成長してきたという証拠だ。
 私たち医師は、この間からの検査できっと大丈夫という思いがある。」
「先生。本当に?あたし子供が産める?」
「たとえ、妊娠した後何が起ころうと、私たちは原田さんをバックアップすることができる。」
「だから原田さん、その時手術をした病院と先生を教えてほしい。」
「原田さん、その時はどちらにおられたのですか?」
「もちろん長崎ですよ?長崎市内。」
「その子宮癌の手術をしたのはどちらで?」
「その時は市内のクリニックから福岡の医大の方に紹介してもらって
 福岡の方で。確か、伊藤先生と言われてました。執刀医。」
「あぁ、福大の伊藤先生かぁ。さすがだなぁ。」
「伊藤先生の信用があるからこそ、そのクリニックの先生は
 伊藤先生執刀での手術で押したんだな。」
「原田君は、本当に幸せだ。伊藤さんの執刀なら再発はしないだろう。
 妊娠が可能なのか可能な成長をしたのか
 それは婦人科での診察と検査ではっきりしましょう。」
「刺されたときはどちらで?」
「長崎市民病院に担ぎ込まれたんですが警察が来たり通報とかで
 救急車も一応来てたんですね。その救急の連絡の中で
 たまたまその伊藤先生が長崎大学の方に来られてて
 伊藤先生の耳にも入り、長崎大学に回され手術が行われたんです。
 その刺された手術も伊藤先生が。」
「では、福岡大学の伊藤先生に連絡をとればその手術のカルテを
 見せてもらえるということか。」
「今伊藤教授は確かどこだっけ・・・・・・。」
「神戸大だっけな。すぐに連絡を取ってみよう。」
「伊藤先生は教授になってらっしゃるんですか?」
「あの腕ですよ?有名な方ですしね。あちこちで引っ張りだこですよ。」
「連絡を取られると伊藤先生に会えるんですか?」
「今回の事件だ伊藤教授の耳には届いていると思うよ。多分連絡を取ると、
 すぐに飛んでくるだろう。君の体を心配して。」

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