森尾月子

もりおつきこ

何気におばちゃんです。
今まで書いてきた書き物を残したくて登録しましたが
どうしたらよいかわからず、
別サイトより手直ししながらUPしています。
妄想ものです。夢物語です。

YUZURU 67

西村達と話しながらも弓弦はPCを開き、メールの確認をしてみた。
朝一で社長からのメールがいはいっている。

 `原田君。
  今日の午後、14時にそっちに行くこととなった。
  大丈夫だろうか。検査など入っているのであれば早急に連絡をくれると助かるが。
  それと西村がそっちに朝から行くと思うのでよろしく頼む。
  そこにいるように伝えてくれ。
  そして山本社長も、同じく`mask´のオーナーも来る。
  みんな14時にそこに集まることとなった。
  多分、君のお爺さんも来ると思われるが。
  とりあえず、その連絡だ。あとで電話する。´

社長からのメールだと記者会見で話すことの打ち合わせみたいだなと。

「西村さん。川上社長からメール来てた。
 martinの所の社長もうちのオーナーもお爺ちゃんも来るらしい。」
「真面目に直近の打ち合わせだな。
 翔太。真面目にお前もここにいたほうがいいぞ。」
「まじですか?でも楽しく過ごせるなら一緒にここにいたほうがいいかな。」
「なんだか翔太がいると弓弦といちゃつけないじゃんかぁ。」
「そういうこと口に出す?西村さん!」
「弓弦さんといちゃいちゃさせませんよ?弓弦さんはみんなのアイドルなんですから。」
「ねぇ。あたし一人でゆっくり過ごしたいんだけど・・・・・。」
「弓弦にプライバシーなんてあったっけ(笑)」
「そういうこと言うかなぁ(怒)」
「西村さんだって退院してから仕事が多くてそばにいることできないんだから
 そばにいたいって思うの当然じゃん。
 俺だって退院して仕事づくめでさ、弓弦さんのおしゃべりしたいのに
 できないんだもん。俺だってそばにいておしゃべりしたいよ。」
「わかるわかる。そうだよなぁ翔太。」
「そうですって。」
「んじゃ、静かにしてよ?」




 `tuurururururururur tururururururururu´



「はい、原田です。」
「あぁ、川上だが。今大丈夫か?」
「えぇ、大丈夫です。社長、今日の午後の事ですか?」
「あぁ、大丈夫か?検査とかは?」
「えぇ、入っていません。先生も記者会見のこと気にしてましたよ」
「そうか、先日そっちに行ったときに少し医院長と話をした日があって
 記者会見の前に打ち合わせをしに来ると言ってたからな。」
「打ち合わせと言っても別に何もないような気が(笑)」
「ないわけじゃないんだろうが、口にしてはいけないこととか
 話に共通性がないとと思ってな。知っていることわかっていることが
 みんな同じなのかどうかをさ。」
「ですね。14時でしたっけ?社長。」
「あぁ、少し早くなっても構わんかね?」
「12時過ぎからならいつでも構いませんけど。」
「私と渡辺とが先に行こうか。
 13時半ぐらいには君のお爺さんと誠君と小林さんが来る。
 山本社長は14時前だろうな。西村からは何か連絡が来たか?」
「連絡も何も、目の前にいますよ(笑)朝一番でこっちに来ましたから。」 
「そうか。無理な仕事を入れてしまったが
 やっぱりどうにかして帰ってくると思ったよ。さすがは西村だ(笑)」
「社長も、無理なこととわかってたんですね(笑)」
「何時に来たんだ?西村は。」
「今朝の7時過ぎには病院に来たみたいですよ?」
「根性だなぁ(笑)」
「で社長。西村さんともう一人、橋本君も昨日からここにいるんですよ。」
「なんでだ?」
「西村さんがいないときは自分が看病当番だって決めてるらしいです(笑)」
「原田。慕われているなぁ。でも、マスコミにはすごいネタだぞ。
 疑われないように用心しておかなければならないぞ。
 彼にとってもスキャンダルな話題として暴露されたら事実などお構いなしに
 打ち叩かれる。彼のことも考えてな。」
「わかっています、社長。橋本君も今日の午後の打ち合わせにはいたいそうなのですが。」
「いいんじゃないか。むしろいたほうがいいだろう。」
「わかりました。では、このまま西村さんの相手してもらっていますね。」
「まるで西村と原田の弟分だな橋本君は。」
「誰もがそう思ってくれたらスキャンダルにはならないんでしょうけれど。」
「そうだな。でもそういうやつらばかりではない。
 お互いにそういう面も気にしなければいい関係は続かないからな。」
「社長も心配性ですね。大丈夫です。では、後程。」
「あぁ。またあとで。」



「社長から?」
「あぁ、13時前には来るんじゃない?」
「渡辺も一緒?」
「そうみたいよ。そう言ってたけど。渡辺さんって?」 
「お前も知ってる渡辺だよ。前の俺のマネージャーやってた。」
「やっぱり何度かあったことある人だよね。」
「あぁ、執事みたいにきちっとしたやつ。」
「思い出した、完全に思い出した!
 あたしあの人の後ろからこついたことある(笑)」
「おいおい、弓弦ブリキのおもちゃじゃないんだから
 これからは渡辺で遊ぶのやめろよな(笑)」
「それは渡辺さんの出方次第だな。」
「弓弦さんの新しいマネージャーさんなの?」
「そうそう。新しいおもちゃ(笑)」
「そういうこと言わない!マネージャーなんだから。」
「でもどこでも一緒ですよね。俺も自分のマネージャーで遊ぶもん。
 て言うか遊んでもらったりする。」
「翔太の所は5人それぞれついているのか?」
「はい、一人ひとり別々です。単独の仕事もあるし
 別々にいないとバラバラの仕事もありますからね。」
「Martinはみんなそれぞれにいろんなことやってて忙しそうだよね。」
「あぁ俺もそう思う。よく休みが取れてここに泊まれたなぁって。
 それだけのアイドルだとここにいることもパパラッチされて
 スキャンダルな話題に仕上げられてしまうぞ?」
「大丈夫ですって。俺なんにでも正直に答えてて
 そうならないように最初から布石打ってますもん。」
「んじゃここのこと聞かれた?」
「あぁ、いつも後ろついてくるパパラッチがいてさ大きな声で言っちゃった。
 先輩が入院しているのにお見舞いに行っちゃいけないのかって。
 そしたらどうぞだってさ。」
「翔太・・・・・お前マスコミを少しなめてるな(笑)」
「なめてませんって、ちゃんと隠さなくてもいいことはおおっぴらに話すし
 逆に味方につけなきゃっても思ってますから。」
「それならいいけどさ。」
「でも、気を付けないといけませんよねぇ。」
「そうだ。でないとお前ライバルの地位蹴落とされるぞ?」
「んぁ?」
「お前がまだ弓弦を狙っていることは百も承知だ。」
「へへ、ばれてます?」
「でも弓弦の気持ちは俺に向いてるから俺は余裕だがな(笑)」
「そんな余裕ぶっこいていると、さらわれますよ(ニヤッ)」
「いや。大丈夫。弓弦は俺の物だし俺は弓弦の物だから」
「んもぅ、何二人ではなししているのさ。廊下で誰かが聞いてたらどうすんのよ。
 仲良く兄弟でいてくださいよ?」
「弓弦、メールはもう返信し終わったのか?」
「まぁだ。もう少しだから。」

そう話しながらも弓弦の指がせわしくカタカタと動いている。
西村も翔太もその弓弦の指の速さが目をくぎ付けにしていた。

「ねぇ、弓弦さん。」
「ちょっと待って、もうすぐ終わるから。」
「はぁい。」

弓弦はキーボードの方は全く見ない。画面だけど目で追っている。
西村も使いこなせる方なのだけれど、そこまではできない。
翔太はほとんどPCを使うことはないのでそれが不思議でたまらない。
横で見てても、どうしたらそういう風に指が動くのかが不思議でたまらない。

「弓弦さん終わった?」 
「もうちょっとで終わる。」
「ねぇ、西村さん。」
「なんだ?」
「弓弦さんって、どこを見てキーボードカタカタ言わせているんですか?」
「俺だってわかんねぇ。とにかく早いんだよな。」
「ねぇ、弓弦さん。」
「なに?」
「弓弦さんの指には目が付いているんですか?」
「なにそれ(笑)どういう意味なのさ。」
「だって、キーボード見てないでしょ。俺から見たらすっごく不思議でさ。」
「そうそう、俺も。弓弦はいつもさ見ないで打ててるけど
 どうしたらそうなるのかわかんねぇ(笑)」
「少し前にね、チャットができるネットサイトがあってさよく時間があるときにね、
 チャットして遊んでたんだ。でさ、それが楽しくって。
 ネット上だから画面でしゃべっている人は誰だかわからないんだけど
 いろいろと喋っているうちにさ、もっともっと喋りたくって
 どんどんキーを打ち込めるようになっていくんだ。
 早打ちチャットとかあってさ、1分間で何文字打ち込めるか競ったりして。
 楽しかったなぁ。今でもメールしたり近くまで行ったときなんか
 京都とか行ったときとかにあってお茶でもって連絡したりしてたしさ。」
「楽しそうだなぁ。」
「それとか、日時決めてオフ会したりして楽しかったよ。長崎に帰ったときだって、
 帰って来たってメール入れたらさわざわざ時間取って会いに来てくれたり釣りに誘ってくれたり。
 長崎のネット友達がやっぱりいつ電話してもいいなぁって思うよ。」
「顔もわからない所からのスタートで、
 仲の良い気の合う人を見つけるのは大変そうだけど?」
「でも、そうやって話せる人ってさ限られててさメアドや携帯の番号を交換するまでには
 その人を知るための努力をするんだよね。」
「へぇ。弓弦は俺と一緒で長崎だから、地元の言葉で話せる友人とかできると
 すごく楽しかっただろうな。」
「西村さんと同じ年の人がいたよ。女の人でさ、長崎市内で居酒屋してるんだって。」
「へぇ。でも俺さ、自分の高校ぐらいしかわかんないけど部活の方だったら少しはさ。」
「その人さ、後でわかったんだけどさ。
 うちのお爺ちゃんが言ってたでしょう。西村さんがコンクールで
 賞をとったって。あの時佐世保の女の子もとって同じ地域で
 二人もとるのは珍しいって。」
「あぁ、俺がさステージに上がった時横にいた佐世保の女の子。
 緊張しててさ、喋れなくって泣いちゃって。」
「その時のね、妹さん別の学校に通ってて。
 長崎西高の吹奏楽部で打楽器してたんだって。お姉さんは西村さんと同級生だね。」
「ちょっと前にメールしてて、妹さん夫婦がやってる居酒屋に西村さんが来たって。
 里帰りしたときに友人たちと来られたのよって妹とメールで話してたよ?」
「いつの話だ?それ。」
「正月明けなんじゃない?」
「あぁあぁ、長崎帰ってみんなで呑みに繰り出した。その時のお店の人なんだ。」
「オーナーさんがその女の人よ。気づかなかったの?
 すぐseaちゃんはわかったって言ってたけど。」
「ずるいなぁ・・・・そういう時はそう話しかけてくれたらいいのに。」
「少し前までどこかの吹奏楽団を臨時で手伝ってたらしいけど
 両腕とも腱鞘炎でだめにしちゃったって。
 で、今は居酒屋さんのママやってるって言ってた。」
「へぇ、そんなつながりもあるんだ。」
「思い出した?その人。ネットではseaちゃんってHNなんだって。
 今は多分変えてるって思うけど、あとで教えてあげようか?
 懐かしい思い出話もできるじゃん。」
「うんうん、どうせ俺ら結婚するし結婚式やるときには招待するんだろ?」
「あぁ、招待したい。その人には来てもらいたい。
 あたしのかあさんとseaさんと仲が良かったんだ。いつもかわいがってくれてさ
 seaさんもその妹さんも本当のお姉さんみたいで大好きな人なんだ。」
「そういう人がいるっていいなぁ。」
「翔太君にはいないの?近くても遠くても。話ができる気の合う友達。」
「広くはないなぁ。学校の友達とかそれだけ。」
「seaさんは、martinのファンだって。
 お店オープンした年と、martinがデビューした年と同じなんだって
 そう自慢してた。紹介してあげようか?
 今はチャット出来るサイトがないから、facebookとかtwitterでつながっているよ。」
「そうかぁ。そういうつながりもありなんだなぁ。」
「翔太!俺らもそういうのやってみるか(笑)」
「むりっす。大体PCわかんねぇもん。」
「まぁ、時間がね。なれて使いこなせるまでが大変そうだしな。」
「あははははは。気が向いたらでいいんじゃない?気が向いたら。」
「そういえばお昼前だけど、お昼食べてきたら?あたしはもうすぐ来るから大丈夫だし。」
「俺らカレー2杯も食べたからなぁ。」
「おいしかったですよね`garnet´のカレー。」
「`garnet´で食べてきたんだ。ならまだ減ってないでしょ。」
「とりあえず、軽く食べるもんかって来ようっと。」
「西村さん食べれんの?」
「少しだけな。翔太は食べれないのか?」
「今から打ち合わせでしょう?気難しいのがたくさん集まるのに。」
「単なる打ち合わせだ。緊張してもどうしようもない。
 この間の弓弦のお爺さんにあった時が一生で一番緊張したもんな。」
「へぇ。嫁にくださいって言った時?」
「言うなっ!恥ずかしいなぁ。」
「さぁさぁ。お二人とも、売店に行くの?早くいかないと
 ほしいものは売り切れちゃうよ?」
「んじゃ、行ってくるか、翔太。」
「行きますか、兄貴(笑)」

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