森尾月子

もりおつきこ

何気におばちゃんです。
今まで書いてきた書き物を残したくて登録しましたが
どうしたらよいかわからず、
別サイトより手直ししながらUPしています。
妄想ものです。夢物語です。

YUZURU 68

お昼前の病室では、そうやってにぎやかに時間が過ぎて行った。
弓弦の部屋にも弓弦のお昼が届き手を付けようとしたが
まだ西村達が戻ってきていないので、どうしようかと悩んでいた。
一方西村達は売店で、ごそごそと何か見ていたのだけれど、
翔太はまだおなかがいっぱいなのか、あまり気が進まない様子だ。
西村の方は、自分の食べる分とくる社長たちのコーヒーやお茶と
お茶菓子とと選んでいる。

「西村さん、そんなに?」
「俺だけが食べる分じゃないぞ(笑)
 社長たち来るからな。来た時のお茶菓子ぐらいないと困るだろ。」
「そっか。でもその焼きそばパン・・・・・。」
「俺のさ(笑)駄目か?」
「西村さんと弓弦さんってそういう所、似ていますよね(笑)
 沖縄でも弓弦さんの食欲見てすごいって思いましたもん。」
「あいつの胃袋はフードファイター並みだからな。
 でも太らないんだよなぁ。
 俺なんか油断するとすぐ洋ナシのような体形になっちまう。」
「俺だってそうですよ。だから行けるときはジムに通っていますん。」
「だよなぁ。新陳代謝がいいんだろうな。
 弓弦さ、あれ以上太ったことないんだってさ。」
「うらやましいなぁ。でもあんなに食べるって言っても
 食べてない時間もあるだろうしさ、トータル的には
 きっと食べてない部類に入るんじゃないんですか?」
「そうかもしれないなぁ。」
「とりあえず、戻りましょうよ。俺このアイスだけだし。」
「お前そういうのは入るんだな。でもアイス弓弦も好きだから
 取り上げられてしまうぞ(笑)」
「んじゃ2個かってこうかな。」

会計を済ませ二人喋りながら笑いながら6階の弓弦の病室まで戻る。
エレベーターで担当医の先生と合流、一緒に川上社長と渡辺と乗ってきた。

「お疲れ様です。」
「あぁ、お疲れ。橋本君もいたんだったな。」
「はい。これからですよね。打ち合わせ。」
「ちょっと大久保先生の所によって話をしてきたところだ。」
「弓弦さんの部屋に行く前にって立ち寄られたんですよ。
 私もそろそろと準備してましたし一緒に行こうかと。」
「渡辺かぁ。弓弦をよろしく頼むな。」
「もちろんです。あの人がまささんのかぁ(笑)やっと口説き落とせたんですねぇ(笑)」
「やっとだよ、やっと。首を縦に振ってくれたんだよな。」
「えっと橋本さんですっけ?原田さんのマネージャーになりました渡辺です。
 よろしくね。」
「こちらこそ。橋本翔太です。
 西村さんと弓弦さんには良くかわいがってもらってます。」
「ていうか、翔太弓弦から離れないんだもんなぁ(笑)」
「いいじゃないですかぁ。弓弦さんとおしゃべりたのしいんだもん。」
「まぁ、弓弦も気に入っているみたいだしな。弟分みたいだってさ。」
「でも俺の方が3つも上なんっすけど?」
「どう見ても翔太の方が年下だな。」
「まぁ、仕事上でも橋本君と原田は相性よさそうだから
 仕事でもよくからんでくるだろうし、そこそこ仲良くな。」
「はい川上社長。こちらこそです。よろしくお願いします。」
「弓弦は当分、山本社長の所のタレントと組んで売り出すこととなりそうだから
 そこの所西村君お願いするぞ。」
「焼けますなぁ……あいつらみんな弓弦争奪戦参戦メンバーじゃないっすか?」
「大丈夫だ。原田の方がぐんと大人だ。」

「ただいま、弓弦。」
「おかえり。待ってたけど、先に食べちゃった。片付けに来られるからさ。」
「原田君、具合はどうだね。」
「かなり良くなってきました。怪我はほとんど治りましたよ。
 あとは骨折箇所がよくなれば、無理しなければ記者会見後は
 外出許可が下りるようになります。」
「そうかぁ。それはよかった。記者会見が終わったら少しは自由になるなぁ。」
「えぇ。でも記者会見後は外出許可であちこちに挨拶に行かなければなりません。」
「そうだなぁ。原田君は一気に有名になったもんなぁ。」
「社長。記者会見が終わった後外出できるので一緒に事務所に行きます。
 お世話になる挨拶もしていないのに皆さんにご迷惑かけてしまった。
 きちんと謝らなければ。」
「原田はそういう所はしっかりとしているな。安心だ。
 渡辺。原田はしっかりしているから安心だぞ。」
「そうみたいですね。お久しぶりです原田さん。」
「渡辺さんがあたしのマネージャーになってくれるんだ。」
「えぇ。喜んで仕えますって。
 だって西村さんと組んでる時からの仲じゃないですか。」
「あたしのこと覚えてくれてたんだ、うれしいなぁ。」
「私がマネージャーとしてついたからには、大丈夫です。しっかりと売っていきますから。」
「いやいおや、張り切って売りだしてもらってもあたし困るんですけど。
 社長、渡辺さん。あたしタレントとして忙しくなるのはちょっと(汗
 知り合ったmartinのみんなや槙村さん秋山さんには申し訳ないのだけれど
 本業のバーテンダーは辞めたくないし、
 それを邪魔するような仕事はお断りしたいんです。」
「原田君はあくまでバーテンダーの仕事を優先ということだな。
 それはそうしよう、それが本人の意志ならばそうしなければならないだろう。
 しかし仕事が入っているときは、その仕事に対して真剣に
 仕事をしてくれたらそれでいい。」
「私も、そう聞いています。あくまでも本業を大切にと。
 しかしこの事件後は、しばらく忙しいですよ?
 原田さんへの依頼が事務所にたくさん来ています。
 大きいところでK'brotherの秋山さんと作家の久原譲様と
 仕事の依頼が来ています。
 なので仕事に出ても良いと許可が下りる時点で秋山さんとの仕事ですね。
 久原様との仕事は久原様がすでに原田さんには出演依頼のOKは取ってあると
 お伺いしております。」
「西村さん、渡辺さんってこんな人だったっけ(笑)」
「ツボは押さえる人だから大丈夫かない?」
「社長、打ち合わせ終わったら原田さんと二人少し話をしたいので
 ここに残りますけどいいですか?」
「きちんとコミュニケーション取れるまで詰めて来い(笑)」
「で、西村と橋本君は?」
「翔太と二人で椅子を借りに行ったみたいですよ。」
「そっか、原田。良かったなぁ。
 お前がいない間西村は落ち込んで大変だったんだぞ。」
「そうだったんですか?なんだか(笑)」
「原田。事件の初めからを話してくれるんだよな。
 つらいことがあったらしいが今日は話すことができるか?」
「えぇ、大丈夫です。きちんと話すことが着ると思います。
 あたしの知らない部分でオーナーが知っていることも
 今日は話してくれるらしいですから。
 知っている把握しているところがつながればいいんですが。」
「話をしたらわかることさ。」
「椅子もってきたぞ。」
「ご苦労さん。もうしばらくしたら山本社長も来るだろうし
 小林さんも誠さんも来るだろう。それまでゆっくりとして用じゃないか。」
「はい。でも、弓弦。昨日言ってたカステラは?」
「あぁ、こっち。ここに置いてある。」
「切って取り分けてくるから。」
「お願い、看護師さんに言えばやってくれるから。」
「わかった、行ってくる。」
「原田。記者会見には車いすか?」
「いえ、松葉づえで行きますが。」
「そこまで良好なのか?」
「えぇ。今でもこうやってベッドにいて診察やいろんな移動するときは
 調子が悪くない限り松葉づえです。
 そうやって自分の動きもリハビリにつなげていかないと
 かなり筋力も落ちていますから。」
「君は向上力が素晴らしいんだな。それだと外出許可どころか
 担当医が思っているよりも、退院は早くなるんじゃないか?」
「そうなるとうれしいんですが。」

「こんにちわ。原田さんいるかね?」
「こんにちわ、お疲れ様です。わざわざありがとうございます。」
「あれ?翔太。いたのか。」
「西村さんに頼まれて、昨日の夜から看病で。」
「えらくお前は気が利いているなぁ。もしかして原田さんのこと好きなのか?」
「えぇ。大好きですよ。よくかわいがってもらってますし、
 俺自身お姉さんいないから、何かあるとそばにいてって思ってしまうんですよ。」
「しかし、お前が年上だろう?」
「それは社長年の話したら仕方がない事でしょう?
 存在自体が、お姉さんみたいなんですし(笑)」
「その言い方、なんだかあたしふけてるみたい。」
「でもしっかりしているもんな、弓弦。」
「西村君、久しぶりだねぇ。怪我は大丈夫か?」
「えぇ、かなり。仕事もこなせますしね。」

「こんにちわ。そろっていますねぇ。」
「こんにちわ、オーナー。誠さんも一緒?」
「あぁ、誠は車を停めに行ったよ。そんなにしないで上がってくるだろう。」
「オーナー、お疲れ様です。」
「弓弦、お前顔色かなり良くなったなぁ。」
「そうですか?だって記者会見が終われば外出許可出してくれるって。」
「そこまでになったか。良かったなぁお前。」
「みんなで助けてくれたそのおかげです。早く元気にならないと。
 記者会見が終わったその日は自分の事務所へ。次の日はひかりの家に。
 日曜は事務所休みだから山本社長の事務所には月曜日にお伺いします。
 きちんと挨拶して謝らなければ、そう予定しています。」
「渡辺!きちんと予定を把握しておかないとな。
 また、何かあったら困るから(笑)」
「社長、俺が仕事来週木曜まで休みだからすべて付き添いますよ。大丈夫ですって。」
「当分一人にはしてくれなさそうだなぁ(笑)」
「それよりも、弓弦。お爺ちゃんはまだみたいだな。」
「もうすぐかも、たぶんね。」

「こんにちわ。よろしいかな?」
「お爺ちゃん、遅かったね。具合はどぉ?」
「わしは大丈夫だよ、弓弦。弓弦は顔色良いなぁかなり良くなった。」
「安心して、お爺ちゃん。次からは一緒に外出できるよ。
 そこまでよくなってきたんだ。」
「一緒に買い物にも行けるんじゃな。良かったな、本当に良かった。」
「まだ骨折箇所が全然なんだけど、それだけなんだ。」
「それを用心するように心がけるのであれば大丈夫ということですよ。」
「おぉ、大久保先生。ありがとう、本当に弓弦がお世話になって。
 なんといっていいやら。」

「これでそろうのか?」
「川上社長と渡辺さん。山本社長と翔太だろ。
 俺と弓弦とお爺ちゃん。で、オーナーと誠兄さんと。大久保先生。これで全部?」
「全部か。警察の三上君は来ないのだろう?」
「多分。一応、こういうことでとはお話はしていますが
 かなり捜査も進んでいるらしくて、小林さんの情報も役に立ったとか。」
「では、原田君。あの日のことを話ししてくれませんか?
 話すことは大丈夫ですか?」
「えぇ、話せます。大丈夫です。あたし自身にはショックな出来事でしたが
 きちんと話せると思います。」
「弓弦、無理しないでいいぞ。」
「えぇ。大丈夫。大丈夫だって。」
「ちょっと待って、原田さん。ちょっと待ってて。この間のこともあるから。ちょっと待って。」
「先生、大丈夫だって。」
「いや、君の場合はあまりにもショックだったじゃないか。ちょっと待ってて。
 看護師の澤田さんを呼んで。前の麻酔科の池田先生も。準備だけはって。」
「わかりました。」
「先生も用心するなぁ、大丈夫なのに。」

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