森尾月子

もりおつきこ

何気におばちゃんです。
今まで書いてきた書き物を残したくて登録しましたが
どうしたらよいかわからず、
別サイトより手直ししながらUPしています。
妄想ものです。夢物語です。

YUZURU 69

銀座でチャリティーコンサートが毎年開かれているのですが今年は山本社長のご協力で、
unionmartinの曲をダンスを含めてコピーしそれを披露する予定でした。
そのチャリティーコンサートに西村さんも参加することとなって、西村さんがしょっぱなに。
そして私たち`mask´はラストでの予定でした。
その西村さんのしょっぱなのステージにあたしも上がっていたのですが
それが終わり西村さんは事務所の仮設テントに手伝いに行き私と見ていた
面々は`mask´へ戻ったんです。
その時にUFJ銀行銀座で強盗が発生したと連絡が来ててTVでも言ってましたよね。
速報という形でTVでも流れてて、事務局からもオーナーに中止しましょうかと連絡が来てました。
それを聞いて橋本君が西村さんを迎えに行くというのであたしの一緒に行ったんです。
すぐに、公園の片づけをしている端に西村さんに姿を見つけて駆け寄りました。
うちのオーナーの所に避難してって。それを伝えに駆け寄って話をしてたんです。
すると、突然後ろから音がして西村さんが血まみれになり橋本君が倒れた。
びっくりしているも何も、西村さんたちに駆け寄る前に殴られて
からだとか顔を殴られ首の付け根まで何かで殴られて気を失いそうになりました。
だけど目の前で西村さんが血まみれで倒れて橋本君までもが血まみれで
どうしたらいいかわからなくって叫んでたんです。

俺は、その事務局からオーナーに連絡が入り店から出ないようにと言われ
ふと気づくと弓弦と橋本君がいなくなってたので俊哉に聞いたら
公園に西村さんを呼びに行ったと言うんでオーナーが俺に呼びに行けと言いました。
俺が公園につくと3人ではなししている姿が見え、帰ろうと言いによっていこうとした時
まさにその瞬間でした。車から4,5人の人間が出てきて、
弓弦を捕まえ殴って車に連れて行くところ、その弓弦の視線の先には
西村さんと橋本君が血まみれで倒れてて、西村さんは動けずに倒れ込み
橋本君は弓弦がさらわれるのを必死に弓弦の名前を呼んでいました。
弓弦は大きめのワゴンに連れ込まれ、そのまま車は逃走し警察も追いかけましたが
追いかけて追跡すると、弓弦を殺して道に放り投げると言われ
警察も右往左往してましたね。

俺は撃たれた後、かすんでいく視野の中で弓弦が連れ去られていく様子だけが
覚えていることでした。気が付くとベッドの上でしたからね。

俺は、撃たれた後肩が動かないのとそのショックで立ち上がれずにいて、
追いかけようとしたら、その中のやつに蹴られて頭を殴られて
意識が飛びそうになったんですが、誠さんが駆け寄ってきてたので
すぐにそのやつらは車に乗って消えました。
何度も何度も弓弦さんを呼びましたが弓弦さんも殴られて声が出ないのに
泣いている顔だけが見えました。
連れ去った車が見えなくなると同時に誠さんとか警察の方々が俺と西村さんを助けてくれて
救急車で病院に行ったということろまでが俺も覚えているところです。
もちろんそのやつらの顔は見えませんでした。

あたしはこの間三上さんにお話しした通りで、
車に乗せられた後頭に何か布みたいなのをかぶせられて
全然外のことがわからないようにされていました。
すごいスピードで、右に左に曲がるといきなり停まって
どこかに入ったようなガラガラというシャッターの音がしました。
そこで、車を乗り換えた見たいです。

すまんな、後で話はするが犯人グループはやくざ者でな。
TVの中継に写った車に乗り込んだ一人がどうしても知っている奴に似ててな、
すぐに、知ってるやつを突っついた。
吐いたよ。そいつの所の下っ端でな、金が要るというので強盗をしたらしい。
そいつの指示ではなく、その犯行に及んだやつら単独でやったらしい。
弓弦は無傷で返せと脅した。
そうしないとお前に古傷つついて、警察と相談願うぞと。

小林さんの人間関係はつつけば何か出てきそうだな(汗)

途中、電話が入ってたような気がします。
車を乗り換える前か後かはわからないのですが。
すぐにおろされて、逃走してきた車の中を乗ってきた痕跡を消すかのように
掃除をしていました。きれいに。掃除機の音とかバケツに水の音?
雑巾みたいなものを絞る音とか。
その間にそばに停めてあったと思われる車に荷物を乗せ換えるやつもいたみたいです。
目隠しをされていたので、聞こえるものでしか判断はできないのですが
そこをそんなにしない時間で出ていきました。
あたしはその次の逃走する車にはクールボックスみたいなものに入れられて、
ただ閉めてしまうと死んでしまうからと、少し隙間を開けてくれていましたよ。
道が、一般道から高速道路に入った揺れに変わりパーキングにもよったみたいだったけど
どれぐらいだろう、高速道路を降りまた一般道みたいな揺れに変わった。
で、しばらくすると山道みたいな道路に入り込んだのか
舗装していないような揺れに変わって。どこかについたみたいだった。
そこでも何か大きなドアを開けるような音がして車を入れたんだと思う。
犯人たちは車を降り、あたしもおろされた。荷物を下ろしている様子はわからなかったけど、
あたしもおろされてその場所の隅に連れて行かれた。
目隠しが取られて周りが見渡せたんだけれど
車の整備工場みたいなところで、事務所的な場所にあたしは座らされた。
そこで一晩過ごしたのかな、多分。
奴らはそこのドアを閉めて鍵をかけた。そういう音がしたんだけどさ。
あたしは動けないようにしてあって、毛布の温かさだけが安心できるものだった。
朝まで寝てたな、朝の陽射しが天井から落ちてくるまで。
パニックでおなかがすいたとかここはどこだとかそういう風なことが全然意識できずに
ぼーっとしてた時、大きなドアが開いて人が入って来た。

あたしが生きていることを確認したら、すぐに車の方に行ったみたいだった。
すごいなと思ったことが2,3人でやってたんだけど車のナンバーを外して交換してた。
窓に真っ黒いフィルムを次々はっていってるんだ。手際よく次々と。
そんな中あたしはその人たちとは別に他のやつにまた目隠しをされて
クールボックスに入れられ、荷物と一緒に車に積み込まれた。
その時に、驚いて耳を澄ましてたんだけどさ
バス広告とかで使われている塗装用ラッピングフィルムがあるでしょう。
あれをはがすすごい音がしたんだ。
窓に貼るフィルムをはがすような音のすごく大きなデカく大げさな音。
それが済むと誰かが来たみたいで声がした。
済んだか?済んだら足がつく前に出るぞと声がしてそれからそんなしないうちに
そこを出たと思う。

そこで一晩か。大変だったなぁ、不安だったろうに。

えぇ、すごく不安だった。
だけど下手に動いたり逃げたりするときっと殺されると思ったから
動けなかった。怖かった、その怖かったなかで体中が痛むし震えが止まらなかった。
どこかの部屋に移動したと思うんだけど、それまではしばらく時間があった。
移動中はどこかのお店に寄ったりとかしてたみたい。
監禁された場所はわからないけど、朝いた場所からはかなり遠いとは思わなかった。
クールボックスに入れられたまま部屋に連れて行かれた。
エレベーターに乗り、すれ違う人とは釣りの話をしてた。
部屋に入るとクールボックスから放り出されて、部屋の毛布とか布団とかが
積んであるところに投げ出されて、蹴り上げられて。痛かった。すごく痛くて気絶してしまった。
しばらくして気が付くと、周りは暗くて何も見えなくって
動こうとすると体中が痛くて立ち上がろうともできなかった。
もちろん手足は縛られてたし、動こうとして壁に当たって音を出してしまったんだ。
そうしたら、誰かが入ってきておとなしくしていろと。
出ないと、痛い目にあうぞって。
ねぇ、翔太君泣かないで。あなたが痛い目にあったわけじゃない。

でも、俺は撃たれても貫通してて手当してもらってた時
弓弦さんは怖くて不安で痛くてどうしようもない状況に居させられたんでしょ。

だけど、そのあたしの様子を見に来てたやつが・・・・・・・・。
犯人グループの一人は。

弓弦、無理しないでいいぞ。

原田君、無理はするな。君の体は精神とともにまだ大きく不安定なんだ。
無理はするな。

いえ。大丈夫。大丈夫ですから。

 `konkon´

遅れました。三上です、皆さんもうお揃いでしたね。あ。お話し中でしたか。

今弓弦の覚えていることを話してもらってたんです。

そうですか。この間の原田さんの喋られたことで進展がありその話もと思い来ましたが。

三上さん、お疲れ様です。いま、ちょうど高橋君の話しに差し掛かるところでした。
今はなしてたのはこの間話した分と同じです。

そうでしたか。どうぞ続けて。

えっと。
その犯人隊に混じって大学時代に付き合っていた彼が含まれてたんです。
高橋和哉。いわゆる元彼でした。彼の素性をお話ししますね。
あたしと付き合ってた時は世田谷区に住んでいて、ご両親は真面目な方でした。
父親は商社マンで母親は典型的な主婦で、お邪魔するときはいつも
手作りのお菓子でもてなしてくれる優しい人でした。
もちろん和哉もそういう家庭で育った優しい人間で、
あたしも和哉と付き合えて幸せなひと時を過ごせました。
しばらくして、あたしたちは別れましたが卒業するまであまり顔は合わせなかった。
ちょっと気まずい別れ方をしたから。
それからあとはどうしていたのかは知りません。
ただ、部屋を見に来てお前綺麗になったなぁと寄って来た時に
顔を見て気づいたんです、和哉だって。
どうしてとか聞いても何も言わなかった。
卒業してからいろいろあったんだとは分かったけど何も話はしてくれなかった。
そこで何日過ごしたかは覚えてはいないんだけど、
昼間はみんないないんだ。仕事やバイトに行っているのかはどうかはわからないけど
確かに、出入りはあるけど外から見たら普通の家にしか見えないぐらいに
出入りがあったんだ。夜になると集まって何か相談していたみたいだった。
和哉は毎日その部屋にいるときが多い方で、あたしの面倒を見てくれていた。
仲間がいないときは優しかったよ。あのころと変わらない和哉がそこにいたんだ。
だけど、逃げ切るためにどうしたらいいかとそれだけで頭がいっぱいだったんだろう。
あたしには詳しい話は何も。だけど、和哉はあたしを大切に見ててくれた。
トイレに連れて行くときも乱暴な扱いはしなかったし
誰もいないときは、横で懐かしい話をしてくれた。
でも、何か聞いたりすると何も話してくれなかなかった。
血が出ているところを、消毒してくれたり絆創膏を張ったりしてくれた。

そんな時和哉がいなくて他の誰かが部屋にいた時かな?
チャイムがなって、誰かが訪ねてきたようだった。
多分ね、自治会の人とかじゃなくって警察だったんじゃないかと思う。
痴漢や解決していない強盗事件が多くて治安も悪いので気を付けてくださいって。
で、何かあったらその先の角の交番に私たちはいますからって。
そう言ってドアが閉まったんだ。
三上さんにも言われたけど、その時に声を出して助けてと言えば助かったのかもしれない。
だけど、和哉のこともあるしチェーンがかかったドアだと耳で思ったから
静かにしてたんだ。もしチェーンが外れないのにそういうことをしたら
殺されてしまうかもしれないって思って。て、静かにしてた。
その夜に、和哉が言うんだ。次の日曜の早朝、ここを出るって。
横浜までの道を多摩川沿いを走り逃亡するって。
その時に、あたしを連れていくと。逃走途中で警察に見つかった時のための人質にと。
見つかった時の逃亡のため。でも和哉が言うんだ。弓弦は途中で車から降ろすと。
横浜につく前にお前を開放するというんだ。
しばらくして夜になると、犯人たちが集まってきたんだ。
細かく詰めた話をしているようだった。その中であたしの話になった時に
和哉が途中で車から降ろしたらどうかと言ったんだ。
最後まで連れて行くと、どこかで見つかった場合足手まといになるし
親父さんが電話で言ってたじゃないかって。
殺したり怪我させたりするなって。だから途中で。と。

お前は愛されているんだなぁ。お前に知り合えた人たちから。

で、その朝。土手を走っているとき鉄橋が見えてその柱を目がけて
和哉があたしを走行している車から突き落とした。
生きて帰るんだって耳元でささやいた後、車からあたしを突き落した。
突き落すタイミングが悪ければきっと死んでたんだろうなぁって思う。
少しでも外れると川に落ちていたと思うし。これだけの怪我では済まなかったかもしれない。
誰にも言うなと言われたけど言われたけど、あの河川敷には
沢山の浮浪者がいると確認できるんだろうけど
その中の4人のお爺さんに助けられた。
車から突き落されたところを見てた人、あたしが転がってきたことで家を壊された人
多分その中4人の中であたしの右足首の手当てをしてくれた人が混じってたんだと思う。
あたしを助けてくれて3日目の夜にあたしが気が付いて
その晩はいろんな面白い話をしてくれた。いつのまにか寝着いてしまったけれど
朝早くに、西村さんが見つけてくれたあの公園までゆっくりとゆっくりと
あたしに杖を持たせてくれて、両脇を抱えベンチまで連れて行き座らせてくれた。
そしてあたしの服に入ってた携帯を、この使い方がわからないが
何度もベルが鳴っていたと渡してくれた。
和哉が取り上げていた携帯を、他の人に隠れて持たせてくれてたんだと思います。
突き落されるときに、何か胸のあたりにあるなぁっては思ってたんですが。
それをその携帯を一緒にひらってくれてたんだと思います。
確かに携帯を見ると、電池は切れかかってたのですが不在着信で
ちかちかとしてたのがわかりました。
で、ベンチまで連れてきてくれた人たちを見送った後不在着信を覗き、
西村さんと誠兄さんの番号での不在着信だったため、西村さんの携帯にかけました。

で、俺にかけてきて今に至るってことか。

弓弦がさらわれてから2時間おきぐらいにずっと携帯に電話してたんだ。
でも電源か落とされてて、かからなかったんだ。しかし、西村さんの病室に来たよな。
あれは確かそうだ。鉄橋に車が激突して爆発炎上した日だったな。
店が終わって、なんだか寝れずにいてさふと弓弦の携帯にかけたんだ。
つながるんだよ、弓弦の携帯につながってベルが鳴るんだ。
鳴るんだけど、つながらない。
でさ、それが気になって西村さんの所に行き携帯を借りた。
もしかしたら弓弦は西村さんの携帯になら反応するんじゃないかって思って。

で、携帯の不在着信にに西村さんの番号が・・・・・。

でも、弓弦は誠さんと俺に携帯番号がありその前にさ、
電話帳にたくさんの関係者の番号があって、かけやすい110番もあったのに
俺に電話をしてきた。運命だと思ったよ。

原田さんはよく頑張ったなぁ。生きて帰ってこれたんだ。

三上さんそんなに言わないで。あの時は、意識朦朧としてて
どうしていいかわからない状態だったんだ。
西村さんの携帯にかけた時も、頭の中には西村さんにかけなければって
そう思って誰でもない彼にかけたんだ。
絶対にあたしを見つけてくれるってそう信じて。
そして、見つけてくれた。その安心で、気を失ってしまったけれど。
後は気が付いたベッドの上だった。
でも夢の中で和哉や歩生がかわるがわる出てきてこっちに来てはいけないというんだ。
闇の中でもがいていると、ひかりがさして暖かい感触が伝わってきたんだ。
必死にその方向に行こうとした。真っ暗いなかで一つだけ暖かいものがあって
それがある方向に行こうとして、つかみかかろうと一生懸命に手を伸ばして
そして、つかんだと思ったら急に真っ暗になって。
でも、生きて帰れと言われたんだと、必死でそれを探した。
目を開けると、病院にいたんだよね。
で、目の前に人がたくさんいてその中心にあたしの手を握りしめた
西村さんがいた。帰ってこれたんだってそう思った。

でもショックだったなぁ、原田さん。きちんと話をしてもいいか?

えぇ。あたしが知りたいことを先に。和哉のことを。

ここで話をしてもいいのか?原田さん。

隠しても仕方がないでしょう。
記者会見がある前にきちんと事件の内容がわからないと
記者から質問を受けた時にそれぞれの話ができない。

んじゃ。
原田さんと突き落としたと思われる日早朝6時前にXX線での激突炎上した車。
午前中はわからなかったのだけれど、それを不審なスピードで走るのを見かけた
巡回中のパトカーが追跡をした。
土手を走っているときに、何か車から落ちたのを見て不法投棄だと思い
追跡したらしいんだ。
すると、その車は急にスピードを上げ町中に入っていき交差点に差し掛かると
別の方向から来たパトカーに出会いがしらぶつかりそうになったのを急ハンドルで回避。
その様子を不審に思い、そのパトカーも土手の方向から追跡してきたパトカーも
追いかけたんだ。
そうしたら急ハンドルで不安定になった車が
ガードレールに接触何度もぶつかりながら鉄橋のほうに行きの鉄橋の横の柱に激突炎上した。
始めは逃走車とも思わずに、検証してたから単独での事故処理をしてしまう所だったのだけれど、
身元確認のために消火された車から出てきたバッグを調べていたところ
強盗された銀行の紙幣番号が一致し、遺体6人分が強盗関係の物だと断定された。
その時はその遺体の一人が原田さんと思われたのだけれど
身内のかたに確認してもらうと全部違うというんだ。
背の肩さも、肩幅もすべて当てはまらないと。
で、その日の午後から捜索が始まった。しかし、携帯の話は今日初めて聞いたなぁ。

すみません。話さなかったわけじゃないんですが話しそびれてしまって。

まぁ。
でわかったことですが6名。広域暴力団組織・陣内組の下っ端で
岩崎源一郎(58歳)大牟田雄一郎(42歳)川本純一(42歳)
広川順平(26歳)高橋和哉(26歳)本村慎吾(25歳)と判明しました。

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