森尾月子

もりおつきこ

何気におばちゃんです。
今まで書いてきた書き物を残したくて登録しましたが
どうしたらよいかわからず、
別サイトより手直ししながらUPしています。
妄想ものです。夢物語です。

YUZURU 191

メールにはすぐ気が付いた西村。
すぐにそばにいた山田が気づき西村に携帯を渡した。
ちょうど、TV局での出演待ちで控室にいたのだ。押してメールを確認。
メールよんだ西村はそれを自分のことのように喜んだ。
そのあと弓弦からの電話。ちゃんと声が聴けてうれしくなってしまった西村。

「山田っ!山田っ!」
「なんっすか?まささん。そう何度も連呼しなくっても横にいるじゃないですか(笑)」
「今日の予定は?今日の。」
「えっと、この分が終わったら事務所に帰って取材があります。」
「で?」
「あとは。ありませんっ(笑)」
「んじゃ、弓弦と合流していい?」
「弓弦さんは大丈夫だったんですか?」
「巻き込まれてはいないんだが翔太がな。
 まぁ、大丈夫だそうだけど様子がちょっと気になるらしい。」
「大したことないといいんでしょうがねぇ。」
「お前も行くか?」
「わたしは会議が入っていますもん無理っす。」
「残念だなぁ(笑)」

そう雑談していると出番ですと呼ばれスタジオに移動していった。
終わったらすぐに事務所に行き取材を早く終わらせ弓弦のもとに行きたい、
その一心で西村は動いていたのだ。

スタジオに入る前に山田に西村が伝言した。

  `事務所での取材があるが、さっさと終わらせてそっちに行くから。´

そうメールを打って返信しておいてと。
山田はにやにやと笑いながらも「わかりました」と返事をし後姿を見送った。

事務所にいた渡辺そんなは、山田から西村の様子を聞き
弓弦さんからこういうメールがあったと 知らせられ、もしや自分の携帯には?と確認をしてみると
きちんと弓弦からのメールが来ていた。
メールを確認した後渡辺も弓弦にメールを入れ病院に向かうこととした。

一方、あちこちに電話をし連絡を取りメールを送った弓弦はその病室内の不思議と和やかな中にも
何かが違うと違う感触があると感じ取る。

百合子が弓弦を呼ぶ。にこやかに、そして嬉しそうに。
父も母も何か違うと感じながらも翔太の動く全部を観察しながら話をしていることに気づく。
そう、翔太の様子が昨日の事故が起こる前と今とでは違うのだ。
明らかに違う。言えば記憶を失くす前の翔太とも少し違うのだが記憶を失くした翔太とは違う翔太なのだ。


 (ねぇ、弓弦さん。)
 (なぁに?)
 (なんだかお兄ちゃん・・・・・変だよね?)
 (そうね、ちょっと様子がね。)
 (大丈夫かなぁ・・・・)
 (大丈夫でしょ、きちんと受け答えしているし。でもちょっと違うんでしょ)
 (そうなんだけど・・・・・)


「何こそこそ二人で話してるのさ。」
「なんでもないわよ?お兄ちゃんが大変になってから弓弦さんと仲良くなっただけよ?」
「そうなの?でも弓弦さんって兄ちゃんに似て綺麗な人なんだぞ?」
「お兄ちゃんそっくりなんでしょ?ママがそう話してたもん。
 手をつないでも背もあんまり変わらないんじゃない?」
「そうね、翔太君とすべてが似ていて双子見たいってよく言われてるかな(笑)」
「ほんとよく似ているよなぁ。翔太からあんなこと聞かれたときは面食らったが
 原田さんにあったらそういう風に聞くよなぁって感心したよ。」
「ほんと、翔太にそっくりでわたしもびっくりしたのよね。」
「ママがびっくりするぐらいだもん(笑)似てるんだよね」
「自分でもびっくりしたしさ、翔太君がデビューしたときあたしはもう`mask´で働いてたんだけど
 来る人来る人翔太君じゃないのかって聞くんだもん。
 違うって笑ってごまかすのが苦痛でたまらなかったよ。」
「でも、年も変わらないんだろう?」
「そうだね、俺が29だし弓弦さんは・・・・。」
「26よ。」
「3つかぁ。同じ年だったら双子のっていうときっとみんな信じてしまうんだろうなぁ。
 おい母さん、何か聞かれたらそういうことにしておこうか(笑)」
「無理よ(笑)私すぐに嘘は顔に出てしまうから、ね、百合ちゃん(笑)」
「そうだね、ママ嘘つけないよねぇ(笑)言葉の端っこに笑う声が出るんだもん。
 ママは無理だね。それよりお兄ちゃん。」
「ん?」
「「お兄ちゃん‘俺´って言ってるけど・・・・・。」
「なんか変か?」
「だって昨日までのお兄ちゃんは`僕´って話してたじゃない。」
「そうだっけ?(笑)でも昔っから`俺´って言ってるよな。」
「昨日までは`僕´って自分のこと言ってたんだよ?」
「本当だなぁ、翔太。お前本当に今は・・・・・。」
「今?今ってどういうこと?」
「なぁ、母さん。昨日の事故の前までの翔太の話し方と今とでは違うよな。」
「そうねぇ、いつもの翔太に戻ったのかしらって思うぐらいに早口で話しているし・・・・。」
「なぁ、翔太。」
「なに?おやじ。」
「ほらやっぱり。ママ、お兄ちゃん少し違う(笑)」
「そうだなぁ、母さん、昨日まではお父さんとお母さんだったんだよな。やっぱり変かぁ・・・・。」
「そうですね、翔太君の様子が気になるところですが・・・・。」
「原田さん、こんな翔太ですが今日も付き添ってくれますか?」
「えぇ、大丈夫ですよ。しっかりと。」
「さて、母さん。お昼だけどどうする?翔太もしっかりとしているし大丈夫だろう。」
「百合ちゃんおなかすいたでしょう?どうする?」
「2階に食堂がありますが結構おいしいですよ?バランスいいし。」
「翔太の分はきっとここに運ばれてくるんでしょうし4人でゆっくりと食べに行かないか?」
「お父さんそれいいですね。弓弦さん一緒に行きましょう。百合ちゃんも。」
「俺は?俺はここで?」
「翔太はここで食べるんだな(笑)お前が一緒だと食べるところも大変になる。
 それに山本さんもマネージャーさんも来るんだろ?ここにいなきゃいけないんじゃないのか?」
「なんだかなぁ・・・・。」
「それよりもひとつ聞きたいんだが・・・・翔太。」
「何?おやじ。」


「翔太の覚えていること思い出したこといったいどれぐらいなんだ?」


「言葉にするとどうなのかがわかんないけど、でも顔を見て名前は分かる。
 まだ少し頭が痛いから思い出そうとする努力はしていないけど、無理して思い出そうとしなくても
 おやじだっておふくろだって百合子だってもちろん弓弦さんだってわかるし。」
「それってもしかして・・・・・」
「ねぇ、翔太君。」
「何?弓弦さん。」
「翔太君は今どれぐらい覚えているの?」
「どれぐらいって・・・・・。昨日の事。昨日の事故の事。俺記憶失くしてたでしょ?
 んで・・・・・そんなに覚えてないけど(笑)ここ数日は覚えているよ。
 `僕´って喋ってた記憶少しは。」
「記者会見で話しした新しい橋本翔太としての決意とか・・・・
 その前は?事故で記憶を失くす前の記憶。」
「思い出せそうな感触はあるけどまだズキズキと頭が痛くて。でも、痛みが無くなったらきっと。」
「そうか、翔太。無理に思い出さなくたってきっと大丈夫だ。それよりも手術した後だ。
 精神的にも肉体的にもまだまだきついんだ。ゆっくりいいさ。」
「さぁさぁ、父さんも百合ちゃんも原田さんも一緒にお昼を食べましょう。それからでもいいでしょう?」
「そうね、ママ。お兄ちゃんは大丈夫っぽいしパパもとりあえず腹ごしらえしようよ。
 ね、弓弦さん。お昼食べよう。お兄ちゃんとの話はそれからでもいいじゃない。」
「そうだな、百合子の言うとおりかな。んじゃ翔太おとなしく待ってるんだぞ?」
「わかったよ、おやじ。とりあえず飯食ってゆっくりしているよ。」
「んじゃな、行ってくる。」
「早く帰ってくるから、お兄ちゃん。ママ早く行こう、おなかすいちゃった。」
「翔太君、山本社長たちが来たら携帯に電話して。すぐに戻ってくるから。」
「わかった。」

翔太を残し4人で食堂に向かった。

弓弦が百合子と腕をからめて前を歩く。その後ろを夫婦で歩いて向かっていたのだが、
その後ろ姿がどうにもやっぱり翔太と百合子に見えるから不思議でならない。
視線を合わせると二人笑ってしまった。
笑顔が出るということはそれだけ何事にも安心しているからなんだろうと。

食堂に着くと弓弦は夫妻と百合子にどうするか聞き食券を買うと注文を した。
お昼だというのに人が少なかったために窓際の4人掛けの席すわりへ食事を待つ。
しばらくして番号で呼ばれカウンターまで取りに行き持ってくると楽しくおしゃべりしながらも
話をしながらの楽しい時間を過ごした。

「久しぶりにここで食べるなぁ。窓からの景色もなかなかでしょ?」
「そうだな、翔太が入院しているときは病室ばっかりだったしすぐに隊員だったからなぁ。」
「そう、あの時もこの病院でお世話になったんですよね。
 本当にみんなが怪我だけで終わってよかったですわ。」
「そうだな、母さん。」
「すみません。」
「違うのよ、原田さんのせいじゃないって何度も話すじゃない。
 あれは巻き込まれたあの子の運命よ。それよりも、あなたもこの病院で命をつないでもらったでしょ。
 運命をつなげてくれた大切な場所になったわね。」
「そうですね。ここの同じ入院患者さんたちにも励まされ元気をもらい立ち直ることができた。
 でも、またこんな形で戻るなんて(笑)」
「でも、同じもの4つ注文したのに原田さんのだけはきちんと考えて
 原田さん用の食事になってるわ(笑)」
「みんなまだあたしが退院したってこと忘れてるんじゃないかしら。」
「ねぇ、弓弦さん。」
「何?」
「なんだか弓弦さって呼ぶけど、忘れてお兄ちゃんって呼んじゃいそう。声も似てるんだもん。」
「そうだな、百合子の言うとおり。
 はじめっから双子だって言い張ればそのまま双子のような気がするな。」
「あら、私は初めて見たときから原田さんの事娘みたいに思っているわよ?」
「あたしもお兄ちゃんだけじゃなくってお姉ちゃんもいるような気がしてきたわ。」
「そういう風に言われてすごくうれしいんだけど(笑)」
「そう思えるんであればいいじゃないか。私たち夫婦をお父さんお母さんと呼んでも。」
「呼び方はどうでもいいじゃない。翔太のことでも遠慮なく私たちはお世話になっているんだから
 原田さんだって遠慮なくお父さんお母さんだと思って甘えていいんですから。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「原田さん?」
「ごめんなさい、嬉しくってつい。」
「泣いてるの?」
「大丈夫、うれし涙なんだから。それよりもこの後どうするんですか?」
「そうだなぁ。母さん百合子の学校のこともあるし、翔太が大丈夫なんだから
 百合子午後から学校へ行かないとな。」
「えー?学校に行かなきゃダメ?」
「もちろん。母さん百合子をお願いしていいか?」
「えぇ、送っていってくるわ。そのあとはどうしましょう。」
「わたしも山本社長と顔を合わせたら会社の方へ顔を出して帰ってこようと思うが。」
「そうね、あなたも寝てないものね。少し休みましょう。何かあったら連絡が入るだろうし。」
「お父さんもお母さんも休んでください。あたし翔太君と一緒だからお昼寝の時は一緒に休めます。
 大丈夫だから休んで。」
「ありがとう、そうさせてもらうかな。」

食べ終わると4人は早々に翔太がいる病室へ戻っていく。

部屋に戻ると西村が夕方に来るというメール。
誠からも、達哉たちも時間を見てこちらへ来るというmailが入っている。
そのメールを確認しながら5人で話をしているとき翔太の療養のことを話ししていたことを思い出した。

「そうそう、今思い出したんだけど・・・・・。お父さんの方にも連絡が入っていたでしょ?」
「ん?なんだったかな?」
「昨日の事故の前、うちのお爺ちゃんから電話があって翔太君の退院後の療養の事。」
「そうだそうだった。翔太君退院マジかだったんだけど、
 ジャニスが来日することとまささんのライブも入るから・・・・。」
「俺、退院したら少しの間療養するのに弓弦さんちにって甘えたんだっけ(笑)」
「覚えてるのね?社長来るけど、話しできるわね?翔太。」
「大丈夫、怪我してるっていたってちゃんとここ数日のことは覚えてるさ。大丈夫だよ。(笑)」
「ほんとに?ねぇ、翔太君大丈夫?」
「何度も言わせない(笑)おやじ、俺大丈夫だから。おふくろも百合子連れて行っていいよ。」
「そぉ?百合ちゃんとりあえず学校に行こうか。」
「行ってらっしゃい、百合ちゃんお母さん。何かあったらすぐに連絡しますから。」
「すみません原田・・・・。ごめんなさいね、弓弦ちゃんお願いするわ。」
「はい(笑)」
「おふくろ、俺が息子なんだからな?弓弦さんは違うんだからっ。」
「翔太が焼きもち焼いてるぞ(笑)」
「でもお兄ちゃんは弓弦さん大好きなんだもんね(笑)」
「うっせぇなぁ。みんな帰ってよ、大丈夫だからさ。」
「そうはいかないよ?あたしは付き添わなければいけないんだからあたしはいるわよ?」
「弓弦さんももういいのになぁ・・・・・。」
「翔太、弓弦さんを困らせるんじゃないぞ?
 山本社長も来るししっかりと自分のことをすべて伝えるんだぞ?
 まぁ、私は何を聞いても驚かないし好きにしたらいい。」
「んじゃおにいちゃん、あたしは学校に行くね。」
「翔太、本当に大丈夫なんだね?」
「大丈夫だって(笑)」

「原田さん。いや、弓弦さん。翔太をよろしくお願いします。」
「はい(笑)」

午後の時間一番で病室から家族がそれぞれの場所に移動したため翔太と弓弦と二人っきりになった。

翔太はどれぐらい自分を取り戻しているのか気になる弓弦。しかし、何も思い出してもいなかった場合
考えるということに無理をさせてはならないと思うと何から切り出して話をしたらいいのかがわからない。
黙って翔太が横になっているベッドの横に椅子を持ってきてすわり遺書にTvを見ている。
何気ない世間話のことやニュースが流れる。そのニュースの中に池袋の病院のヘリ墜落事故として
巻き込まれた事故が放送されている。
翔太もそれを食い入るように黙ってそれを見ていた。

「ねぇ、弓弦さん。」
「何?」
「昨日のこの事故・・・・・。」
「ん・・・・・ねぇ翔太君。」
「ん?」
「あのさ、正直に話すけどいい?」
「ん。大丈夫。」
「今は具合悪くない?どぉ?」
「今は・・・・俺さ、頭の中を手術したんだろ?
 その傷口なんだろうなぁ・・・・頭がずきずき痛いんだけど
 頭の中が痛いわけじゃない。ただ、手術跡が麻酔切れて痛んでるんだろうなぁってそれだけ。」
「痛み止めもらった方がいい?」
「ん、大丈夫。それより・・・・。」
「正直、翔太君は今現在何を思いだしているの?どこまでどんなふうに・・・・。」
「どこから話したらいいんだろう・・・・一つ一つ答えて行くにしてもどう話していいか分からない。」
「んじゃ、昨日の話からしてみる?」
「昨日の・・・・・事故の事?」
「そうね、思い出している昨日のことから。」



「昨日は朝いつものように起きた。んで、弓弦さんと一緒に話をしてたんだけどえっと・・・・。
 前の日に記者会見があって俺一生懸命答えてたのは覚えているよ。
 それで疲れたけど自分では満足な一日が割った感じで
 で、朝起きたんだ。すっきりと目が覚めた。
 `僕´という言葉は似合わないとも言われたことを思い出してたんだけど
 どうしても`僕´って話してしまうんだ。
 朝一発目から熊ちゃんから電話があって話ししたこと覚えているよ。
 朝から弓弦さんは自分の分の朝飯を買いに行ったときに熊ちゃんに会ったって。
 で、それから今後のことで話をって病室に上がってきたんだ。
 その午前中はいろんな人が来たなぁ。
 リーダーや月城さんやみんな(笑)
 `僕´っていう俺を不思議そうに見ながらもこれからのことでいろんな話をしてて。
 その日の前の記者会見でうちのおやじが退院してしとばらく療養するけどという話をしたときに
 弓弦さんちで療養するって話してしまったんだ。
 だから大騒ぎでさ(笑)その話しでみんな終わってから俺ん所に集まったんだよねぇ。
 でも、途中で弓弦さんの携帯に原田さんから電話があってなんだか4月に入るとバタバタするんでしょ?
 だから俺の療養先を大泉の原田さん宅にしないかって提案があって
 それもみんなで話してたみたいな気がする。
 で、みんなのスケジュール合わせるためにお昼前には病室から事務所にいったんだっけ?
 弓弦さんも仕事場に顔を出さなきゃいけないからとか言って俺をおいて出かけて行ったんだっけ。
 俺一気につまんなくなってふてくされて寝ちゃったんだ。TV見ててもつまんなかったしさ。
 で、ちょっと眠くなってうとうとしているとさ、検温の時間とか言って看護師が入ってきて
 無駄話しながらふざけてたんだ。
 弓弦さん帰ってきただろ?それも貴志さんと一緒に。シャツがどうとか言って。
 貴志さんとしばらく話してて楽しかったなぁ。
 復帰したらあのピンクのシャツを俺に着せて3人お揃いで店に立つんだって言いながら。
 ふざけてたらしばらくして貴志さんが帰ると言い出して見送るのをついでに
 夕飯食べてくるって弓弦さんと二人とも病室から出てったんだっけ?
 で・・・・・・・・・・・・・・・。・・・・・・っつ・・・。

 なんだかさみしかったけど出て行った二人を見送った後またTVつけて見てて、んで・・・・・。
 んで、18時になってちょっと過ぎたときドアをノックする音が聞こえて返事したら、
 食事を持ってきましたと言われたからドアを開けたんだ。
 したらさ・・ドーンという音とともに配膳のおばちゃんと一緒に吹き飛ばされて・・・・・。
 で気が付いたらここ。この病院の病室だった。」


「よく覚えてるんじゃん。すごい、全然覚えてるんじゃん。」
「覚えてるさ、だって昨日のことだもん。覚えてるに決まってるじゃん。」
「でもさ、ほんと。昨日の事故の前の事は思いだしていることある?」
「どうかなぁ・・・・。」
「でも思い出し始めてないと自分のことを`俺’とは言わないよね?
 それに、あたしのことしっかりと原田さんでなく弓弦さんって呼んでるし。」
「どうだろう(笑)なんだか訊問されてるみたいだな俺。」
「だって翔太君のことわかってないとあたしも話ができないでしょ?」
「そうかもしれないけどさ・・・・(笑)」
「これから社長もマネージャーさんも来るよ?大丈夫?」
「大丈夫ですよ(笑)だってきちんとではないけどちゃんと話することはできるもん。」
「あたしは横にいるだけでいいのね?」
「だから大丈夫だって(笑)」
「なんだかなぁ・・・・。ほかに覚えていることは???」
「覚えていることって言っても・・・・・なにから話したらいいんだ?俺(笑)」
「思い出したところからすべてよ(笑)あたしと二人っきりだもん、
 緊張することもないだろうし大丈夫だったら。」
「大丈夫は大丈夫だけど・・・・・でもどこから(笑)」
「昨日のことをあれだけ覚えているんだし`俺´って話している以上は自分のことだもん。
 わかるでしょ?具合悪くならない限りは。どっちにしても社長たちが来るまで短い間だけど。」

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