森尾月子

もりおつきこ

何気におばちゃんです。
今まで書いてきた書き物を残したくて登録しましたが
どうしたらよいかわからず、
別サイトより手直ししながらUPしています。
妄想ものです。夢物語です。

YUZURU 195

話をしている二人はJanisが来日する4月に向けていろんな話をしはじめた。
大泉の家にお世話になるとして自分はどうしたらとかやっぱり片言の単語ぐらいはフランス語をとか。
二人退院した後のそんな話をしているうちに消灯の時間になりいつしか二人とも眠りについた。

そんな心地よい眠りの中なんだか寝返りが打ちにくいと弓弦が目を覚ました26時過ぎ。
窓からは晴れているのか月明かりが差し込んでいて部屋の中よりも明るく
夜の庭を歩いてみたくなるようなそんな明るさだった。
ふと向かいのベッドにいるはずの翔太が見当たらない。
まさか・・・・と思いながら上半身をお越し背中側を見てみるとそこに翔太が入り込んで笑っていた。
びっくりしたと同時にベッドから出ると声をかける。



「翔太君?」
「あはは、入り込むところ間違えた?」
「間違えたもなにも、自分のベッドに戻ってよ。」
「えーいいじゃないですか、あったかいし一緒に寝ましょうよ(笑)」
「だめだめ、冗談でもいっしょはダメ。」
「ん。。。。。」
「さぁ、戻って。」
「はぁい。」


そういって弓弦のベッドから出ると自分のベッドに戻る翔太。
いい子ねと言いながら横になった翔太の頭をなでるとお休みといった。
すると翔太がいう。




「ねぇ、この間みたいにベッドくっつけて手をつないでよ。」
「え?このあいだ?」
「そうそう、あんときは弓弦さんが患者で俺がとりあえず付添いだった。
 今日は俺が安心して眠りたいから弓弦さんのベッドをくっつけて俺の手を握って。」
「そんなに前の事を思い出したんだ。」
「思い出したって(笑)思い出したんじゃなくって覚えてるって(笑)」
「ねぇ、翔太君。」
「なんですか?」
「なんだかもう全然大丈夫っぽそうだね。明日診察の時にでも詳しくやってもらおう。」
「そうですね、手術跡とかが大丈夫であればきっと退院できると思うんですけど。」
「大丈夫、今の翔太君見ているときっと大丈夫。さ、寝よう。明日はご機嫌で起きなきゃ。」
「弓弦さん手!手を握って寝てよ。それが一番落ち着くから。」
「手を握るだけよ?」
「わかってる、だって俺の弓弦さんじゃないから。それぐらいわかっているよ。」
「ほんとに?でも甘えん坊だな。」
「お休み、弓弦さん。」
「お休み。」






夜のしじまに二人の寝息だけがその部屋の中で聞こえている。
たまに翔太の声が聞こえたかと思うとそれに返事をするように弓弦の声も。
静かな夜は月の明かりに時間を計られながら流れる風は本当に静かだった。
きっと朝起きるとまばゆい時間が待っている。たとえ小さなことでもきっと幸せを感じることができると
二人笑いながら吹かう眠りのゆりかごに揺られて眠っている。

そんな二人にも朝が来た。
そんな3月の終わり、今日の朝の診察次第では退院が決まる日でもあった。






「・・・・・おはよう。」
「ZZZZZZZZZZZZZZ・・・・・・」
「おはようってばw翔太君!
「ん?」
「起きてってば、もう7時なんだって。」
「・・・・・・ん。起きます・・・・。」
「今日はどうするの?今日は。」
「ん…・今日は診察の時の話し次第では退院が・・・・・。」
「今日は何日だっけ?」
「えっと今日は・・・・・・・26だっけ?」
「TV局の事故が13日で、15日16日にみんな病室でいろんな話したじゃん。」
「そうだね。」
「で、そのうちの15日は記者会見で出たじゃない?覚えてる?」
「いつだったかといわれるとはっきりとは思いだせないけどでも記者会見で
 今の俺とは違う俺がしゃべったんだ(笑)」
「俺じゃなくてもどっちも翔太君じゃない。でもどんな感じだったんだろうね。」
「別人がってわけじゃないけど、でも話してたこととかなんだか本当に自分じゃないみたいだったんだね。
 でも自分がしゃべったことやすべては今の俺も思い出せるよ。
 もちろん自分の事だもん。」
「そうなんだ、でも不思議な感じなんだろうね。」
「不思議も何も(笑)」
「さ、朝ご飯食べたら診察でしょう?」
「こんなに俺元気なんだから手術跡が難なくOKだったらきっと退院の話してもきっとOKだよね。」
「あたしもそう思うけどどうなんだろうねぇ。」
「いや、退院するって先生に言う。だってこんなに元気なのにできませんって言わないでしょう?」
「翔太君の気持ち次第ってことなのかもね。きちんと退院できるようにこと訳ならべないとね。」
「もうちょっとしたら内野久万ちゃんも来るしはっきりとしたスケジュール教えてくれるかな。」
「うちの渡辺も決まったからってメールしてきたよ?きっと渡辺もここに来るかもね。」
「んじゃ、時間合わせてきてくれたらいいのにな。」
「そうだねぇ・・・・翔太君が診察に行っている間に連絡してみるよ。」
「え?俺が行っている間に?」
「だってこれから診察なんでしょ?仕方ないじゃない(笑)」
「ん・・・・んじゃ行ってくるから。」



弓弦を病室に残したまま翔太は先生の待つ診察室へ向かった。
そして自分PCを開きメールを確認、渡辺とかからのメールがないかJanisからのメールの返信がないかとか
いろんなことをチェックし始めた。
きっと翔太が診察から帰ってくるのはすぐだろうから、それから朝食でも遅くはないと思ったからだ。
勝手知ったる病院の中、何が何時にどう動くはわかっている弓弦は気楽に構えながら画面を見ている。
楽しそうに見はまっている。すると携帯が鳴った。




`turururururururu tururururururururururu´




「はい、弓弦。」
「おはよう、弓弦。」
「あぁ、まささんおはよう。どうしたの早くから。」
「ん?どうしてるかなって思ってさ。」
「今翔太君診察に行ったからその帰ってくるのを待ってるよ。
 早く帰ってくるだろうからそれから朝ごはんって思って。」
「そっか、んじゃ9時過ぎにはそっちに行っても大丈夫だな?」
「何か用事あるの?」
「4月のスケジュールが決まったからさ。山田と渡辺と俺と翔太のマネージャーと
 そっちに行こうと思って確認の電話さ。」
「そうなんだ、ん。待ってるよ。」
「んじゃ、またあとで。」



短い電話は翔太の帰りを待つまでもなく切れた。
その切れた瞬間病室のドアが開き翔太が帰ってきた。



「ただ今、弓弦さん。ねぇ、お願いがあるんだけどさ。」
「なに?お願いって。」
「お願いっていうか…その…・これからおやじたちに電話入れるんだけど
 もう一度おやじたちと一緒に先生のところに行かなきゃいけないんだ。
 おやじたちと一緒に俺と一緒に先生の診察室についてきてくれる?」
「それって????もしかして?????」
「俺率直に先生に言ったんだ。体調が悪くなければ退院したいって。
 少しでもみんなと一緒に居たいし、俺`mask´に早く一緒に出勤したい。
 みんなに、仲間に会いたいんだ。」
「えらく朝から気合入ってるね。朝ご飯食べてからでいいんでしょ?
 早くお父さんたちに電話しなよ。」
「わかった。」
「あ、それと9時過ぎまささんと渡辺と山田と翔太君のマネージャーさんが来るって。」
「なんで?」
「4月の予定が組みあがったそうよ。」
「そうなんだ、とりあえず電話して・・・・・・・食べて……。待ってようかな(笑)」
「そうね食堂に行くでしょう?早く電話をしないと。時間決めなきゃ。」


そう話をしている間翔太は自分の携帯を探し父に電話を入れる。
電話で話をしている翔太の後姿は何となく嬉しそうに見える。
たまに横むくその顔は嬉しそうに言葉を紡いていた。

弓弦も財布と携帯を持つと食堂へ行く準備を終えPCの電源を落とした。
翔太も一緒に食堂へ行きたいのだがやっぱりそこはアイドル。
自分が行くと収拾がつかないぐらいの騒ぎになるとわかっているので食堂へはいけない、
行くと迷惑がかかるとわかっているため動けてても病室で食べている。
翔太の食事が運ばれてくると弓弦は自分は久しぶりの人たちと話がしたいからと言って食堂に向かった。
さみしい顔をした翔太を見ないようにして後ろ手にドアを閉め食堂に向かったのだが
の売りの奥によみがえるあの翔太の悲しそうなさみしそうな顔。
後味の悪い感触が弓弦の背中から伝わってくるのだ。


(しょうがない、食堂に行って自分の分を運ぼう)


そう思い食堂へ足を運んだ。すぐに顔なじみが弓弦を見つけ話しかけてきたが
病室でさみしい顔をして食べていると思うとそれが気になって
ゆっくり時間を作るからと言って自分の分の注文ができるとそれを手にもち帰って行った。
部屋の前まで切ると両手がふさがっている弓弦を見つけた看護師がドアを開けてくれた。
開けた部屋の奥にはやはり翔太がさみしそうな顔をして食事が進まないままTVを見ていた。
それがドアが開き自分の分を抱えて帰ってきた弓弦を見ると途端に満面の笑み。

「おかえり、弓弦さん!」

と、屈託のない笑顔で弓弦を見つめ話しかける。

「弓弦さん食べてくるって言ったのに持って帰ってきたんだ。」
「だって、翔太君のさみしそうな顔が浮かぶんだもん。
 そんな顔思い出してほかの人と楽しい朝ご飯なってあたしには無理よ。」
「弓弦さん結構そういうところ気にするんだね。でも気にしてもらってうれしいかも。」
「本当に年上なの?翔太君のほうが3つも上なんだからそれじゃだめなんじゃない?」
「あ・・・・・それ言われると痛いかも。(笑)」
「さてと。食べ終わったら持っていくから。」
「早く食べるのがもったいないな。」
「まささんたち来るからそんなにのんびりもできないし、お父さんには電話入れたんでしょ?」
「そうだっ!早く食べてと(笑)」


そう二人にぎやかに話をしながらそそくさと食べ終わり片づけた。
ドアを開けると少し先に配膳された食器をを回収する人がいて
その人に二人分をわたしごちそう様と伝えた。
ドアを閉めるときちょうどエレベーターに石橋の姿が見えた。
駆け寄る石橋。




「おはようございます、翔太君原田さん。」
「おはよう、熊ちゃん。」
「おはようございます、石橋さん。まささんたちと一緒ではなかったんですか?」
「私のほうが先についちゃいました。
 で、駐車場で待ってるよりもって思って先にこっちへ来ちゃいました。」
「まささんたちも遅いですね、弓弦さん。」
「ほんとマジ何してんだか(笑)」
「ねぇ、熊ちゃん。」
「なんですか?」
「うちのおやじには少し前に電話入れたんだけどさ熊ちゃんいるし、
 熊ちゃんもいっしょにって思うんだけど・・・・・・。」
「そのほうがいいんじゃない?」
「なんですか?何があるんですか?」
「おやじたちが来たら一緒に先生のところに行くんだけど。」
「何かみんな集まらなければいけない話なんでしょうか?」
「熊ちゃん、俺さ先生に面と向かって退院の話をしたいんだって言ったんだ。
 そしたらきちんと診察をして検査して皆さんで話をしましょうって。」
「治りがよければ退院ということですね?よかったじゃないですか。」
「だから弓弦さんにも一緒に。
 退院したら弓弦さんのおじいさんの家にお世話になるってこと決まってるし。」
「そっか。ん・・・・・まささんたちも来るし退院するとなればスケジュールも確定しやすいね、」
「そういえば電話したんじゃなかったっけ?」
「あ、熊ちゃん。おやじに電話したからもうちょっとしたら来るんだけどさ。
 んじゃ、ご両親待ちですね。そろってから先生のところに・・・なんですね。」
「だから弓弦さんも一緒なんだ。熊ちゃん、その時の結果で熊ちゃんも忙しくなるから。」
「いえ、もう忙しくなるに決まってると思いますよ!頑張らないと。」


まだ翔太の父も雅たちもいない3人の病室では笑顔がこぼれ明るい話し声が響いていた。
少ししてドアがノックされ看護師が翔太のところへやってきた。
ご家族が来られたら先生のところにお願いしますと。`はい´と返事をした後、また3人で話をしていた。
その看護師と入れ替わりまさと山田と渡辺が到着。5人で騒がしい病室。
あとはおやじとお袋が来ればとこれからの話ができるんだけどとスケジュールの話を始めた。
肝心の翔太の退院する日が決まらないと何事も進まないところまで詰めているので
とりあえずの話をしている5人だが時間は進むばかり。翔太は時計を見ながら父が来るのを待っていた。




   `konkon konkon´



「やぁ、おはよう。あ、皆さんもお揃いで。」
「おはようございます。」
「おやじ。電話で話した通り着たらすぐに先生のところに行かなきゃいけないんだけど。」
「そういってたな(笑)いい話ができそうか?」
「行かなきゃわかんないけどたぶんね。」
「あの・・・・・。」
「なんだね?弓弦さんも一緒なんだろう?」
「えぇ。ご家族の話に私も???いいのでしょうか・・・・。」
「あなたも家族だ。石橋さんも皆さんいなければ話が進まないんでしょう?」
「んじゃ行こうよ。きっと待ってる。」
「そうだな。でもこんな大人数で大丈夫か?」
「大丈夫でしょう。」

そういって翔太と翔太の父、弓弦と翔太のマネージャーとで診察室に移動していった。
まさと山田と渡辺を置いて。

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