森尾月子

もりおつきこ

何気におばちゃんです。
今まで書いてきた書き物を残したくて登録しましたが
どうしたらよいかわからず、
別サイトより手直ししながらUPしています。
妄想ものです。夢物語です。

YUZURU 196

「先生おはようございます、橋本です。」
「もう来られたんですね。待っていましたよ。
 お父さんも朝からすみませんご足労願いまして。」
「いえ、翔太が何か無理なことを話してはいないのでしょうか?それが心配で(笑)」
「いえ、大丈夫ですよ。彼はすこぶる元気みたいですね。」
「先生、みんなの前できちんと俺の事診察で感じたことを伝えてほしいんです。」
「なんだか翔太は先生に無理なことを話させようとしていないか?」
「してないよ。さっきも先生と話して俺思ったこと伝えましたよね?」
「えぇ、確かに。では本題に移りますか(笑)」
「おやじ、俺先生にさっき俺の希望を伝えたんだ。」
「翔太お前まさか・・・・・」
「では、翔太君の経過なんですが見ての通り良好だとは思います。
 前の事故で入院していたころと全く違う感触がありますが、ここまでとは思いませんでした。
 まず、初めの事故の事で記憶がない状態になってしまわれたことですが
 前の病院からのカルテを見た感じでは手術もかなりうまくいってましたし
 本人のちょっとしたショックだったんだとは思いますが
 あちらの病院での事故でこちらへけがをして移送されたとき
 持ち込まれたカルテを何度も見直しながらこちらに運んで手術するとき
 本人のMRIを撮り直しこと細かく見ていきました。
 実をいうと見落とされていた血腫も一つあり一緒に取り除きました。
 それが原因とは言いにくいのですが損傷もないのに少しおかしいとは感じてたのですが
 手術後、原田さんとのやり取りやご両親とのやり取りを横で見させてもらっていて
 私は大丈夫と思いました。昨日の診察でMRIの画像を撮り見ましたが
 もう頭のほうのけがは全然大丈夫なはずです。
 本人がすこぶる元気な事と診察のたびに少しづつテストをしていましたが
 後遺症もないと思います。」
「本当に・・・・・翔太は・・・・・???」
「おやじ、大丈夫だって。」
「でも、今の翔太の動きはきちんと動けていませんよね?」
「いえ、それは気にしないでいいと思いますよ?翔太君。動けるって見せてあげたら?」
「あ、俺今左足びっこひいているように見えるけど昨日リハビリでちょっとひねったんだ。」
「無茶しちゃいかんといったのに。」



そういいながらも診察する先生の前の椅子に座ってた翔太はすっと立ち上がると
少し離れて軽く体を動かすと弓弦のほうを見てにやっと笑いワンフレーズ踊って見せた。



「それ・・・・・沖縄で教えてもらった・・・・翔太君本当に・・・・。」
「先生にも話したもんね。弓弦さん自分の足のリハビリのために、
 俺が休んでいるときこっそりと会議室借りて練習してたでしょ?
 それこっそり見てたんだ(笑)」
「原田さんが時折いなくなるんだと言ってたんで
 実はって話をしたらそれをこっそりのぞいてみたいといわれましてね。」
「先生(笑)」
「二人そろって合わせてみたらどうだ?翔太。」




そういわれて二人並んでステップを踏んでみる。二人並ぶと中の良い兄弟に見えた。
あの時の合わせたときの感触がよみがえる。
あの時の呼吸が、タイミングがすべてが思い出され
満面の笑顔で二人視線を合わせてステップを踏んでいた。
ワンフレーズ進むともうワンフレーズ。少し息が上がる翔太を見て弓弦は動きを止めた。



「すごいね、体動くじゃん。」
「だって俺の本業じゃん(笑)」
「そうだね(笑)」
「翔太頑張ったんだな。お前もこっそりとやってたんだろ?
 思い出した分だけじゃそんなに動けないしな。お前は昔から一人で動くやつだし。」
「だって一人暇なときあるんだし、弓弦さんみたいに怪我が骨折とかじゃないし
 俺体は全然大丈夫なんだよね。動かないとなまってしまうからさ。」
「そうですね。一応こちら側の見解としては結果・・・・・。
 一番新しいMRIの画像をお見せしますね。」



そう話すと画像を机の上にあるディスプレイに映し出し先生が説明を始めた。
翔太の細かいその脳の写真を指しながら説明を一つ一つしていく。
翔太はそんな細かいことを説明しなくてもと思いながら少し落ち着かな一度で聞いている。




「先生。俺の提案は?先生に提案してみんなで聞いて・・・・。」
「そう急がなくても君はもうそのつもりでいるんでしょう?」
「翔太?もしかして退院したいと言い張ってるんじゃないだろうな?」
「当たり前じゃん。おやじ、俺もうこんなに体は大丈夫だしリハビリ室で
 体をなまらないようにトレーニングしているしさどんな状況でも今のところ大丈夫なんだよ?
 なのにいつまでこう入院してなきゃいけないんだ?」
「早く退院したい気持ちは十分に伝わっていますよ。
 いろんなことを聞くよりも先に結果が知りたいとは思ったのですが
 説明は説明きちんとしてからでも結果を伝えてもいいでしょう?」
「先生の言うとおりだ。気持ちが急いでもそれだけじゃ無理だろう?翔太。」
「そりゃそうだけど。」
「結果言いますが、翔太君。」
「はい。」
「すべての検査数値も怪我の具合もすべて退院しても大丈夫な数値です。
 しかし、2回目の病院での事故で脳への損傷が見られた。
 今現在、損傷という損傷は大丈夫そうに見えていますがどんなところで
 危険な顔を出すかわかりません。なので療養期間を最低でも3ヶ月。」
「3ヶ月も?」
「いや、それだけのダメージを受けているのですから本当は3ヶ月でも短いんです。」
「先生、やはり翔太は・・・・・。」
「回復しているわけではないでしょうが、爆発でのダメージはそれほど体にはなかったのでしょう。
 脳へのダメージは少し大きかった気がしますが。」
「先生!俺は大丈夫です。1度目の事故の事も事故の前の事も
 そして2度目の事故の後、気が付いたこともすべて自分では覚えていました。」
「しかし、気が付いた瞬間の君はベッドの上で暴れて容体は悪化した。
 それを食い止めるのは大変でしたが、君の命は取り留めたが正直自分の腕がきちんとやりこなしたとは
 思えてなかったために、気が付いた時のあの痛がってた君への処置が
 本当に不安だった。」
「あの時は本当に翔太君の様子は心配でならなかった・・・・。」
「しかし今君は私の前でそこまでは気は気をいろんなことを話せる。
 そして処置の後は何ら問題もないまま今日まで来た。
 昨日少し退院の事で話をと言われ、話をしていた様子でも問題はないように思えたよ。」
「お願いだ・・・・先生。」
「明日の朝からもう一度検査をする。そして脳への異常がないか
 少しテストもするし、体機能のテストも。
 今日の診察でも少し試してはみたけれど、まだ不安なんですよ。
 もう脳内での出血は見当たらないけれど、気になるところもある。
 これからのいう事をきちんと守っていただくのであれば本日退院としましょう。
 その代り条件があります。それは毎週1回顔を出して診察を受ける。
 そしてその3ヶ月間はしっかりと原田さんに甘えて療養をしてください。
 先ほど原田さんには私からもお願いの電話を入れました。
 原田さんのご自宅は前に入院されたときにこことの直通ラインを設けましたから
 何かあれば原田さんの家の方からここに連絡が入りますのですぐにここから動ける。
 橋本君は3ヶ月間はしっかりと原田さんのもとで療養し体を元に戻していってください。」
「先生、ありがとう!おやじ!ほら、突っ立ってないで!」
「先生ありがとうございます。
 先生からもお口添えしていただけて翔太はなんて・・・・。
 本当にありがとうございます。弓弦さん、いいでしょうか?」
「もちろんです。前へ進めるんですね。
 早く病室に戻ってこれからのことを決めていかなければいけない。」
「先生お世話になりました。」
「退院手続きは、看護師を向かわせますのでその指示に従って手続きをしてください。」
「はい、ありがとうございます。」
「橋本君。」
「はい、先生。」
「退院おめでとう、もう少しだが頑張って自分を取り戻してください。」
「ありがとう先生。まだまだ無理できないことは俺だってわかっています。
 先生が言われる通り一歩一歩しっかりと踏みしめていくように気を使います。
 で、診察の時唸るように元気になって顔を見せますから。」
「その意気だね。がんばれ、橋本君。」
「はい!」



翔太と翔太の父。
弓弦と石橋と一緒に行った面々はすぐに携帯をだしそれぞれに電話。
これから退院手続きをして、原田の家へ向かうのだ。
退院して向かう原田の家のほうの準備とご挨拶にと父が。
石橋は事務所に電話を入れ社長に報告。すると山本も向かいたいという。
石橋はその旨を翔太に伝え翔太はよろしくお願いしますと。
弓弦は嬉しさのあまり原田に電話を入れていた。
翔太を受け入れるための準備をと話をしなければと。
病室に戻ると西村がいたのだがドアを開けて入るなり翔太は西村に抱きついた。




「まささん!まささん!やった!退院!」
「翔太本当か?」
「ちゃんと守らなければいけないこととかあるけどそれをしっかりと守ることと、
 先生からの条件をきちんと守ることで退院の許可が下りたんだ!」
「おい、よかったなぁ!」
「これで一歩進める。きちんとみんなに恩返しができるようにしっかりと療養する。
 甘えることが恥ずかしいとか思わない。
 しっかりと復活するために俺頑張ります。まささん、弓弦さん。お世話になります!」
「よかったなぁ、翔太。弓弦!原田さんに連絡は?」
「先生が先にお爺ちゃんに連絡を入れているみたいだけど、とりあえず連絡入れてみようかな。」
「弓弦さん、電話繋がったら私にも電話を代わってくれますか?」
「えぇ。ちょっと待っててください。」



そういうと弓弦はすくに電話を入れた。



   `turururururu turururururu´

「はい、原田でございます。」
「あ、弓弦です。お爺ちゃんに電話があったんでしょう?」
「えぇえぇ。少し前にドクターから電話があって旦那様話をされていましたよ。」
「そう、だったらいいね。」
「私たちにも準備の支持をされてご自分でも何かされているみたいですよ?」
「そうなの?今大丈夫そうだったら電話変わってほしいんだけど。」
「承知しました、少し待っててくださいね。」





(旦那様。弓弦さんより電話ですが。)
(なんか?どれ)




「おはよう弓弦。どうしたんじゃ?」
「おはようお爺ちゃん。電話あったでしょ?」
「あったあった。退院なんじゃろ?橋本君とやらは。」
「そうなんだ、自分で何でも決めちゃった雰囲気もあったけど
 決めていいだけの事がそろっててさ。先生もOKださざろう得なかったって感じ?」
「弓弦とそっくりじゃの(笑)
 とりあえず、何時にこっちについてもいいように部屋の準備をしておったんじゃ。」
「翔太君の部屋?」
「そうじゃが・・・・・・部屋は誠の部屋の隣と思っての。片ずけておったんじゃ。」
「んじゃ大丈夫だね?これから退院手続きで病院を出るのがお昼前なのかな。」
「昼はどうするんじゃ?」
「どうするか聞いてないけど・・・・・・。」
「まっすぐうちに来ればよい(笑)何人じゃ?」
「えっと翔太君とお父さんお母さん百合子さん。で、あたしとまささんと・・・・・・。
 渡辺さんも山田さんも翔太君のマネージャーさんも来るよ。」
「大丈夫じゃ。何か用意させておこうまっすぐこちらに、いいかの?」
「わかった、そう伝えるよ。こっち出るときまた電話する。」
「たのむぞ、またあとでな。」
「あ、ちょっと待って。橋本さんがお話ししたいって。変わるよ。」
「すみません、橋本です。」

そう言って橋本は弓弦と電話を代わり、少し話を始めた。
電話を代わるとゆ弓弦はふと翔太のほうを見た。
退院の言葉がそんなにうれしかったのかベッドの上で達哉たちにメールを入れている。





おはよう!みんなにうれしい報告でメール。
もちろん弓弦さんにならって一斉送信だからみんな一緒に受信だから驚くかな?

本日、橋本翔太は退院が決まりました!
今朝ね診察時間よろ少し早目に先生のところに行って交渉し
検査とか診察とか終わった後再びおやじたちと一緒に先生のところに行って
退院って言わせちゃった。
でも条件が付いてて(笑)
これから原田さんのうちに行きます。熊ちゃんと弓弦さんと。
電話をしてくれているから行けばいいらしくて。
だから午後からは大泉にある弓弦さんのご実家の原田さんの家に行きます。
何かあったらそっちのほうにお願い。   翔太より。



そうメールを入れた翔太は、話の終わった父と片づけをしていた母と一緒に退院準備を済ませ、
病室を後にしようとしている。
弓弦も西村もそれに合わせお互いのマネージャーに連絡を入れたりとせわしくしていた。

午後の受付の一番最後、退院の手続きと支払いを終わらせ翔太と両親、
妹と西村や弓弦とともに病院を後にし原田宅へと向かっていった。

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