森尾月子

もりおつきこ

何気におばちゃんです。
今まで書いてきた書き物を残したくて登録しましたが
どうしたらよいかわからず、
別サイトより手直ししながらUPしています。
妄想ものです。夢物語です。

YUZURU 198

誠が珍しく早く起こされた。
真夜中26時過ぎ家に帰ってきて、すぐに休んだとはいえその日は忙しかったのか
すぐに寝付いてしまったのだ8時過ぎけれど原田達に起こされた。
翔太が退院するから部屋の準備を手伝ってくれと。キーパーたちと一緒に呼ばれたのだ。
原田も何か楽しそうにしている。
ベッドとかいろんなものを別の部屋からかき集めては
これはいるのかいらないのかとにぎやかに運んでいる。
秋元は朝早くにはなと一緒に出掛けて行ったので男手がほしいと起こされたのだが
誠と同じぐらいの広さの部屋にいろんなものを持ち込まれて大賑わい。
しかし、誠が部屋を覗いた時にはいろんなものがひしめいていてどうしようもないように見えたが
原田に一言`翔太の荷物もあるんだろうからベッドとTVぐらいでいいんじゃないか?´と一言言った。
原田もふとその言葉に一呼吸置き、`そうじゃったの´と笑ったかと思うと
やっぱり余計なものは出そうと言ってベッドとTVなど以外を元に戻し
いるものは後からでいいだろうと掃除を始めた。
誠もキーパーたちだけでできるとこをまで手伝い掃除を任せてキッチンへ向かう。
キーパーの一人が朝食を用意していますと伝えてきたからだ。

そんな翔太が退院して原田家に来るとなった今日は3月の終わり。
Janisが来日して原田宅でバカンスを過ごすと来る日が迫ってきている。
キーパーたちがフランス語の勉強をしているのがちらほら見える。
片言でもいいからと秋元に作ってもらったテキストを見ながら勉強しているのだ。
誠も気にはしていたがまずは今日翔太がここにやってくるということ。
お昼はきっとみんなそろってにぎやかなんだろうとそう感じた。キーパーが電話をしている。
きっとひかりのうちに頼んでいるはず。おばさんもみんななくるんだろうなぁと
誠は嬉しそうな顔をしていた。
今日はここで明日はきっと記者会見だ。そのあとからはきっとにぎやかなうちになる。
誠にメールが来た。もちろん弓弦からだ。

誠さん。

 退院したよ。翔太君退院した。お昼前にはみんなでそっちにつくと思う。
 翔太君すごく元気な顔をしているよ。待ってな。すげぇ元気だから。

短いメールが弓弦からきた。そのメールを見たら誠も何となくその喜びが伝わってきたのか
その弓弦からのメールをオーナーや貴志やみんなにメールを回した。
みんなの喜ぶ声が聴きたい。みんなの喜ぶ顔を見たい。そんな一心でメールを回した。
きっと`mask´でも今晩は当事者がいないままでのお祝いだ。
自分もきっとみんなと一緒にご機嫌な仕事になるだろうと思った。

原田家での翔太の受け入れのための準備が進み、
それと同時に吉祥にも電話が入り 総出で退院祝いの注文の用意に取り掛かった。
お昼には原田家につくということで伯父も伯母も板前も仲居も一緒になって取り掛かり
表門には「本日は、閉休なり。またのお越しをお待ちしております。 店主。」と
木の札がかかり扉はとじられた。
一つ一つ年の若い仲居などに料理を相談しながらもしっとりとした和食を作り上げていく。
向こうに行ってから最後の手を入れ盛り付けれるようにすべての食材が整えられ
移動するための車に積み込まれていく。板前や仲居など原田家に集まる人数を電話して聞き
それにわせ多人数での移動となった。

原田、月城、誠。西村と弓弦と双方のマネージャー翔太と翔太のマネージャー。
unionMartin4人そして4人のマネージャーそして代表の山本社長。橋本の両親と妹百合子。
たったそれだけの人数と思いきや失礼のないようにと
原田が料理を指定してきたために少し大変な量になったのだが
吉祥として恥ずかしくないような品としてならべるために妥協はしなかった。

お昼になる。
原田家では入り口の門の前でキーパーたちが到着する人たちのためにスタンバイしていた。
早々に山本社長とMartin4人マネージャー4人が到着。原田家の中へ招き入れられた。
そして広間のほうへ連れて行かれそこで原田と話をしている。
月城が秋元と一緒に帰ってきた。そして広間へ呼ばれ話に交じる。
そして広間にある時計の鐘が鳴る少し前にキーパーより西村と弓弦と退院した橋本が到着した。
原田達とキーパーは家へ迎え入れ、部屋へ案内する。
翔太を隣に父が、母は別のキーパーと一緒に百合子とリビングに通され楽しそうに話をしている。
原田は、自分の部屋の前を通りここが自分の部屋だといいその隣が誠の部屋。
反対側のほうには月城さんの部屋があると説明をする。
4月に入るとJanisが来るのでと話をしながら部屋に案内。
翔太の部屋はゲストルームの一番手前の部屋をと原田が決めた。
ひろく大きなその洋館のような屋敷の部屋の一つ一つが大きく翔太のために用意された部屋も
結構の広さがあった。広い上の窓が大きい風の通る部屋。カーテンが揺れている。

「原田さん、いいんでしょうか?翔太のためにこんない陽当たりのよい部屋を用意していただいて。」
「陽当たりがよく風通しの良い明るい部屋は人間を元気にしてくれる。気に入ったかね?橋本君。」
「本当に俺にこんな広い部屋を?すみません、なんて言ったらいいか・・・・・ありがとうございます。」
「じゃが大変じゃぞ?」
「どうしてですか?」
「橋本君とJanisの部屋は続きで隣じゃ。
 キーパーたちには秋元が作ったカンニングペーパーを持たせておるが
 直接Janisと話せる空間じゃから、
 今日より秋本に少しづつインスタントのフランス語を教えてもらうとよいじゃろう。
 弓弦も話せるが秋本のほうがやさしくわかりやすく教えてくれる2,3日秋本と一緒におれば
 単語ぐらいは大丈夫だろうて。」
「俺Janis・renoと一緒に過ごしていいんですか?」
「大丈夫じゃよ。なんせ根性座った息子さんだからのぉ。」
「原田さん、翔太にこんないい環境を与えてくれてありがとうございます。
 翔太、何かをつかんで帰ってこいよ。甘えるだけじゃなく何かをつかんでこないともったいないぞ。」
「わかってるって、おやじ。」
「じゃ、お昼としようかの。もうみなさん来ておるじゃろう。」

そういいながらその部屋を後にし原田は広間のほうへ案内した。
原田の後ろでは翔太が父に話をしている。それに割り込むように原田が言った。

「TVとかそういうのはうちにあるのを秋元に用意させる。ベッドはそのまま使えばよい。
 あと必要なものがあればご自宅から持ち込むなりないものは別の部屋にあるのでよければ
 自由に使ってよいからあまり気にしなくともゆっくりと静養するといいと思うんじゃが。」
「ありがとうございます、おやじと相談して決めて持ち込むものがあると思いますが
 ご迷惑にならない程度に頑張ります。」
「そうそう、弓弦の道着があるから、合気道はわしが朝からおしえるからの。
 体力の基礎にはあるから仕事のためにも面白いじゃろ。」
「原田さんいいんですか?本当に翔太が甘えても。」
「大丈夫じゃよ。静養してきちんとカリキュラムを皆で組んで
 しっかりとJanisの相手もしていただくから(笑)」
「あの・・・・・。」
「マネージャーの熊さんもきっと出入りすると思うのですが・・・・・。」
「大丈夫じゃよ。何も気にすることはない。」
「それに・・・・・・。」
「なんじゃの?」
「なんだかいろいろと覚えるのが多そうで。」
「弓弦が言っておったぞ?自分に似てるから何でも覚えが早いからって。」
「早いったって・・・・・。」
「弓弦のおる店でもかなりな上達ぶりと聞いておる。秋元と弓弦とはなとの話を合わせても
 Janisと一緒にひと月おれば、単語ぐらいは覚えるじゃろ。会話には不自由せん。」
「みんな羨ましがって泊まるっていうんだろうなぁ。」
「翔太、あまりご迷惑にならないようにきちんとね?」
「わかってるって、母さん。」
「さ、入って。」

終わらない話を部屋の前まで来てしていたのだが原田は部屋に4人を招き入れた。
部屋の入り口にいたキーパーはすぐに百合子の手を取り父と母と似用意された席へ連れて行かれた。
到着していた西村と弓弦、誠がその横に座りその真を挟むように月城がにっこりと笑って座っている。
原田は自分の椅子に座りその横に翔太を座らせた。
英国紳士風に背の高い男性が原田の後ろに立っているものだから気になって視線が外せない。
秋元はその視線に気づくと笑って会釈をした。

「では、退院祝いじゃの。身内だけのお昼じゃて何も関会えはしなくともよいじゃろ。
 退院を祝ってのお昼は山本が用意した。ごゆるりと楽しまれよ。」
「原田さんありがとうございます。翔太、きちんと。」
「えっと、座ったままですみません。原田さん、こんな俺をご自宅で静養させてくれること
 うれしく思います。きちんと元の自分に戻り皆さんから吸収できるものはすべて吸収し
 もっともっと橋本翔太として成長したいのでよろしくお願いします。」
「まぁ、硬いことは抜きじゃ。とにかく退院おめでとう。」
「原田さん。」
「ん?」
「翔太の事よろしくお願いします。こんなに甘えてしまって・・・・。」
「気にしなくていいんじゃよ。みんながおるからわしが元気になれるんじゃて。
 秋元、橋本翔太さんのご両親に後でいろいろとよろしく頼むぞ。」
「わかっております。」
「しばらくは、はなさんとJanisと橋本君とについてあげてくれてて良いからの。
 事務所やわしの事は、松崎がついてくれるそうじゃ。」
「承知いたしました。」
「あ、朝の合気道はわしが。Janisが来るまでのフランス語ははなさんと秋本で頼む。」
「お爺ちゃんあたしは?」
「お前は仕事があるじゃろ?西村君と一緒じゃ。手が空いているときでいいんじゃないのかの?」
「弓弦お前いると邪魔だよ(笑)」
「もぅ!そんなこと言う!」
「これ、さぁみんな来ているぞ。いい顔をして(笑)」

部屋の意はいるともうそこには山本社長もひかりや達哉も上村もみんな座ってい待っていた。
もちろん月城も誠もそろって座っており、原田と翔太とその父と入ってきたときおしゃべりをやめた。

「皆さんよろしいかの?
 本日退院を迎えた橋本君じゃ。当分はうちに滞在するゆえ、ご家族迎えての退院祝いじゃ。」

「あの。退院のお祝いをしていただきありがとうございます。無事に退院しました。
 療養先にと無理を言ってしまいちょっと気が引けてたのですが快く了解してくれて
 本当にありがとうございました。
 んで、おやじたちもそんな俺のわがままを許してくれてありがとう。
 
 原田さん。そして西村さん、弓弦さん。誠さんと月城さん。お世話になります。
 ちゃんといろんなことを吸収しながらも自分をきちんと取り戻し達哉たちと一緒に
 またステージに上がれるように頑張ります。」

「皆さん、何を言っても始まりません。こんな翔太ですが見守ってやってください。」

「さぁさぁ、皆さん山本が用意したお祝いの膳じゃ。ごゆるりとおくつろぎの上楽しまれませ。」
「おめでとう、翔太。そして復活するまでの辛抱だ。
 原田さんのところでしっかりと自分を取り戻してこい。」
「さぁ、座って。お父さんたちも百合子さんも」

その場にいる人たちのおめでとうに少し目を潤ませた翔太だが、
一人一人にあいさつして回った、両親と一緒に。
原田に、そして月城に。山本社長に深々と挨拶をした後達哉たちのところへ。
食宴がすすみ、にぎやかなお昼は時間が過ぎ山本帰らなkれえばと席を立つ。

「翔太。」
「なに?」
「私たちもこれで帰る。何かあれば連絡をするようにな。」
「わかった、気を付けて帰って、俺にはみんながついてるから大丈夫。」
「おにいちゃんほんとに?」
「大丈夫だって、泣きべそ百合とは違うやい(笑)」
「おにいちゃん???!」
「原田さん、こんな翔太ですがしっかりと叱ってください。」
「大丈夫じゃよ。みんなが見ておる。みんなが見ておる前じゃ何もできまい。」
「すみません。弓弦さん、ご迷惑かけます。」
「母さん、大丈夫。翔太君は秋元がしっかりと見張りますから(笑)」
「秋元さん、楽しみね(笑)いろいろと教えがいがありそうよ?」
「そうみたいですね、月城さんと誠さんと皆さんできちんと。」
「翔太(笑)」
「なに?西村さん(笑)」
「まずは月城さんと秋本さんに引っ付かれてフランス語だぞ(笑)」
「大丈夫、きっと単語ぐらいは(笑)」
「そうそう、翔太君。」
「ん?」
「キーパーさんたちはあたしと秋本さんと姉さんのおかげでもう単語は大丈夫だからね?
 出遅れているのは翔太君だけ(笑)」
「そうなの?」
「そうみたいよ?秋本さんと姉さんにビシバシと♪」
「まいったな笑)」


そんなあいさつして回り、おしゃべりが止まらない彼らも
吉祥のお昼は空腹を満たすのには絶好な料理だった。
12時を少し回ったころにはじまった昼食はあっという間に14時を過ぎた。
山本が社に戻らなければと帰り、月城が秋元と一緒に基金の事でと席を立った。
翔太の父も原田に`お願いします´と頭を深々と下げ母と百合子を連れ帰って行った。
そんな原田家のリビングには西村と弓弦、誠と原田。
そして達哉たちが残りひかりとひかりの両親は片づけをしお店に戻る準備をしている。
すると翔太は誠に声をかけ席を立った。
西村も弓弦も楽しそうにくつろいでいる5人の姿を見たら安心したのか家に帰ると言い始めるが
言葉を発したとたんにみんなに囲まれなかなかか部屋を出してくれない。
原田の家はにぎやかな午後となった。

しばらくすると西村に携帯に山田から電話が入り、
打ち合わせで少し変更しなければいけないのでと呼び出しを受けた。
弓弦は気を付けてと声をかけ見送りに玄関へ移動する。
そして原田家ではにぎやかな午後のスタート。達哉たちと5人一緒に翔太の部屋に移動する。
弓弦は西村を見送った後リビングに戻りはなと一緒にリビングで話し込んでいる。
その二人をそのままにして5人移動する。誠は出勤しなければいけないためにその準備で自室に戻り
秋本は月城との基金のための資料集めとか必要書類の作成とかで事務室に入り込んでしまった。



「なぁ、翔太。」
「ん?」
「いいなぁ、お前。なんか療養先にしちゃすげぇ環境良すぎないか?」
「そうだな、翔太ずるいな(笑)」
「でも来れるじゃん。俺がいるからここに来る理由あるし。な、雄ちゃん(笑)」
「ん?そこ俺?」
「俺がいれば、いつなんどきもここに来れるじゃん。」
「それrはね。ちょっとうれしいけど。でも月城さんは俺の事全然眼中にないように見えるし。」
「それはお前次第じゃん、頑張ってみれば?」
「ちょっと考えるよ(笑)」
「あと翔太。何持ってきたらいいんだ?」
「お願いしたいのは・・・・・まだ思い出せないや(笑)」
「まぁこれが必要だって思い出したらメールだってできるし買い物ぐらい自由にいいんじゃ?」
「そうだな。それよりもさぁ、今日はこのままどうするんだ?」
「どうしようか、俺庭を借りて体動かそうって思ってるけど。」
「着替えは?俺らはもう仕事ないからこのままお前に付き合うけど?」
「いいの?」
「んじゃ、ちょっと外に出て動いてみるか?」
「弓弦さんに言えばCDもデッキもあるでしょ。借りてくるよ。」
「翔太着替えは?」
「俺のは入院してたぶんの着替えあるからジャージぐらいはあるけど。」
「他は?」
「明日以降でおやじたちが持ってきてくれる。」
「んじゃ、少々汚れたって着替えは大丈夫ってことだな。」


5人はリビングに行き弓弦にCDとデッキを借りようと声をかけ庭へ出ていく。
久しぶりにそろった姿は元通りの5人に見えた。

リビングの窓辺から5人がはしゃぎながら騒ぐその楽しそうな声が聞こえる。
中庭の芝生の上で翔太がストレッチをしてゆっくりと体を動かすその周りで達哉と賢一がはしゃぎ
雄一郎がストレッチの手伝いを始めた。
悠太は窓辺から誠に声をかけ今日は遅くなるのかどうかを確かめている。
しばらくして少し静かになりデッキから音が聞こえ始めると、翔太の目の前で踊り始めた。
それも楽しそうに、動けるんなら一緒に交じらないかと言わんばかりに楽しそうに。
そんな様子を誠は窓から`あまり無理すんなよ´と声をかけ出勤していく。
それに気が付いた弓弦も今日は自分も一緒に出勤するといい一度家に帰るという。
誠は先にいくといい出勤していった。
弓弦が家に帰ると一人さみしく感じたのか一度部屋に行き秋元のいる事務室へ足を向け
部屋に入ったまま出てこなくなった。
それでも5人中庭で軽く動こうと言いつつもしっかりと楽しんでいる。
夕方の事とかでバタバタしはじめたキーパーたちはそんな5人の楽しそうな声を聴きながら
手を動かし仕事をしている。
次第に疲れたのか翔太が座り込み悠太が横に座り15時過ぎ5人とも木陰で寝てしまった。
いつかの西村と弓弦のように。芝生の上がそんなに気持ちがよかったのか、
5人ともすやすやと5人それぞれの無謀な寝姿がそこに。
その中庭には、久しぶりの5人の笑顔とともにゆっくりとした時間が流れて行った。

少し日が陰り始めたかのような柔らかい日差しに代わる夕方
リビングに置いてあった達哉の携帯が鳴った。
気が付いたキーパーが庭を見るとまだ5人寝ている。
しかし着信があったことは伝えなければと、中庭におり達哉だけを静かにおこす。

「達哉さん、携帯が鳴っていましたよ。」

そうほかの人までも起こさないようにと静かに達哉を起こし伝えた。

`誰だろう・・・・・’そう思い確認してみると誠からだ。
`そういえばこの間アドレス聞かれたんだっけ(笑)´そう思いメールを開いた。
すると、`達哉からはアドレスしか聞かなかったが携帯の番号も教えろ´とのこと。
`えっと 090-****-****ですけど。´と返すとすぐに着信が入った。


「いきなりすまないなメールとかややこしいのはちょっとな。」
「いえ、でもどうかしたんですか?」
「今何してたんだ?そばにみんないるんであればちょっと席を外してほしいんだが。」
「今ですか?庭で昼寝してました(笑)
 お手伝いさんがこっそりと起こしてくれたんでみんな寝てますよ。」
「そっか、でも起きだしたら困るからちょっとそこから離れろ。」
「わかりました。ちょっと待っててください。」



「で、どうしたんですか?」
「今、翔太の様子はどうだ?」
「ご機嫌ですよ。ちょっと中庭でストレッチした後軽くステップとか合わせて。」
「動けたか?」
「完全に自分を取り戻した翔太じゃないから無理な話なんですが、でもこの分だと早いかなって。」
「んじゃ、体調もいいはずだな。」
「そうですね。」
「んじゃ、もうそこのキーパーたちにはこの電話の前に話をして合わせてある。
 弓弦も出勤してきてこっちで全部用意した。」
「何をですか?」
「お帰り打ち上げだ(笑)だから、もうそろそろ起こされるはずだから起きたらそのままでいい。
 いわれる通りにしてこっちにこい。来ればあとは暴れてもらうぞ(笑)」
「暴れてもらうったって、誠さん(笑)」
「今弓弦があの2曲の曲を聴きながらステップを練習している、大丈夫な感じだぞ。
 俺らもそろそろ練習を開始する。そのつもりでな。」
「誠さん(笑)無茶なことしないでくださいよ?」
「弓弦の全快祝いと翔太の退院祝いだ。
 俺から話を聞かされててもお前は知らないふりして流れに乗っかれ。
 流れに乗っかるように達哉が仕向けろ(笑)」
「俺も巻沿いにするんですか?」
「おい、お前はこっち側の人間だぞ?忘れるなよ?」
「はいはい、誠さん。んじゃ、そろそろ起こしに来る手筈なんですね?」
「あぁ。」
「んじゃ、流されまくってそっちに行きます。」
「あぁ、よろしく頼まれろ(笑)」

電話を終わり振り向くとはなとお手伝いの二人がにやにやして後ろに立っていた。

「はなさん。」
「なぁに?」
「これから作戦実行ですか?」
「そうよ?達哉君、わかってる?」
「わかってます、大丈夫です(笑)」
「んじゃ、あたしはキーパーさんたちとみんなでみんなに目隠しするから
 達哉君は目隠しされたふりをしてね?」
「とりあえず、19時にお店にということだったからまだ大丈夫だけど。」
「19時ならまだ時間ありますね。」
「ちょっとお茶にしない?って言って部屋に呼ぶからお話してましょうよ。」
「でも、あいつら腹減ってるだろうから夕飯楽しみに集まるかも。」
「そうねぇ・・・・。」
「誠様からはこう言われました。

 お茶だと言ってはなに部屋に呼び入れてもらえ。
 次はお茶とお菓子で話は盛り上がるはずだから18時までひっぱれ。
 時間が近くなったら人数だけのキーパー達で椅子の後ろに回り、
 夕飯の用意ができたといいナプキンをかけるふりして全員に目隠しをしろ。
 お願いですからそのまま移動してくださいといい、車まで案内しこっちまで。
 送り出すそこまでをお願い。

 なので、その通りに行きます。秋元様にも連絡が言っているので車の手配も大丈夫です。」
「そこまでちゃんと準備しているのか、なら大丈夫だな。」
「だから達哉さん、一緒に騙されてね?」
「わかりました(笑)んじゃ俺はまた元のところで寝たふりしますから声をかけてください。」

そうやって話をした後達哉はまた元の場所に戻り寝たふりをする。
翔太たちも絡んだまま寝ている、そのまま寝息を立てながら寝ている。
それに紛れて元の通りに。ちらっと部屋の窓を見るとはなが合図を送った。
達哉はOKと合図を送ると建物からキーパーが一人出てきてみんなを起こしはじめた。

「皆さん起きてください、体が冷えますよ?さぁ、橋本様も皆様起きてくださいな。」
「・・・ん?何時なの?」
「今17時前ですよ。さぁ、皆さんここも片づけましょう。
 月城様が皆様のためにスコーンを親機になられています。お茶にされませんか?」
「月城さんは?」
「先ほど電話がありお出かけになられました。」
「そうなの?」
「お夕飯前ですが、少し遅くなるのでお茶にされてはいかがでしょうか?」
「んじゃ、部屋に戻ろう。おい、翔太大丈夫か?」
「おぅ!大丈夫。」

いつもの騒がしい中の良い5人。
そんな時間が戻ってきてうれしいのか5人の姿は本当に仲の良い兄弟のようにも見える。
部屋に行き翔太は着替えをし、4人はリビングに行き先におしゃべりを開始する。
そこの翔太も戻ってくるやいなや、マシンガントークが繰り広げられていた。
その横をするりとおりキーパー達がお茶の用意をしている。
そう、少し前に月城が彼らのためにと作ったスコーンがあったからだ。
英国風に持ち運ばれたそれを見てまた盛り上がる5人。
`月城さんは?´とまた聞くと`先ほどお出かけになられました´とそっけない返事を返された。
本当に出かけたんだと5人さみしそうな顔をした。
しかし温かいスコーンには負けたのか次の瞬間紅茶と一緒にスコーンに手が伸び
テーブルを囲んで楽しい会話が弾んでいる。
スコーンが一つまた一つと消えていく中、リビングの柱時計が18時を指そうとしている。
そんな楽しい時間を遮るように秋元と別の運転手とともに数人リビングに入ってきた。

「達哉さん、皆さん。」
「秋本さん、どうかしたんですか?」
「あ、翔太さんも楽しそうに話をされていましたが体調はいかがですか?」
「全然すこぶるいいんですけど?(笑)」
「さぁ、皆さん。達哉さん達を捕まえて目隠しを。皆さんも抵抗はしないでくださいね?」
「秋本さん何をするんですか?!」
「悪い事ではないのでおとなしく縛られて目隠しをされてください。
 このまま移動しますので。さぁ、皆さんお願いします。 ここを片付けは任せましたよ?」
「承知しました、秋本さんもお気をつけて行ってらっしゃいませ。」

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