森尾月子

もりおつきこ

何気におばちゃんです。
今まで書いてきた書き物を残したくて登録しましたが
どうしたらよいかわからず、
別サイトより手直ししながらUPしています。
妄想ものです。夢物語です。

YUZURU 200

そんな時間の流れも人の波に変化をもたらし始めた。
そう、気づくとすでに時計は0時の鐘を鳴らそうとしている。

「翔太、疲れていないか?」
「オーナー、大丈夫です。すみません俺のためにこんなに遅い時間まで。」
「お前はどうするんだ?誠と弓弦は0時で上がるために事務所に行った。
 お前もいいんじゃないのか?一緒に帰っても。」
「いいんでしょうか?」
「いいに決まってるだろ(笑)おい,葵生。」
「はい、オーナーどうかされましたか?」
「ロッカーにある翔太のあのノートを持ってきてくれないか?」
「あ、わかりました。翔太、ちょっと待ってな。」
「ほい(笑)」

そういうと葵生が控室の翔太のロッカーからノートの束を持ってきた。

「翔太、何か入れるものはあるか?」
「あ・・・・。」
「俺の貸すからこれに入れて行けよ。翔太はこの復習からだろ?」
「そうだなぁ、でも自分のノートだもん大丈夫さ。」
「翔太さぁ、そばに誠先輩もも弓弦先輩もいるんだから復習もすぐじゃん。」
「頑張るよ。」
「翔太・・・・・待ってるからな。みんな待ってるんだから早く追いついてこいよ。」
「わかってるさ。すぐに追いつくし、ちゃんと両立していかなきゃいけないんだから。」





話をしているとみんな集まってきたがそのにぎやかな事。
もうそろそろお開きにしようと言われ、片付けが始まる。
秋山やほかの人たちもそろそろと帰り始め、
店内には落合兄弟と月城と上村と達哉・悠太が残っているだけとなっていた。

「さぁ、帰るとするか。」
「誠さんも帰るんでしょう?」
「あぁ、翔太を連れて。」
「おーい、まさ!お前弓弦さんと帰るんだろ?」
「そうだけど?達哉連れて帰らないとおばさんうるさいし、3人で帰るけど?」
「はなさんは俺が送っていくから(照)」
「いえ、寛司さん今日はすみません。翔太さんの事もあるので誠さんと自宅へ戻ります。」
「そっか、仕方ないな。んじゃ、帰ろうか正和さんよぉ。」
「えぇ?兄ちゃんと帰るのか?」
「いやならいいんだぞ?戸締りしっかりして寝るから。」
「ごめんごめん、んじゃ俺も兄ちゃんと帰るよ。」
「お?寛司さんんはなさんおいて帰るんだ?」
「まさっ!いいんだよ(笑)」
「ったく(笑)」
「んじゃ、また明日なぁ。」」



「誠さん、先に帰るよ。外でまささんが待ってる。」
「あぁ、無理しないで早く寝ろよ。お休み。お疲れ。」
「兄さんまた明日な。翔太をよろしく頼まれてくれ。」
「了解(笑)」


翔太にとって退院したその日は忙しくとも大切な区切りの日の一つとなった。

「明日から忙しくなるな弓弦も。」
「そうだね、ビシバシ鍛えなきゃ(笑)」
「油断していると追いつかれるぞ?」
「大丈夫、きっと大丈夫。追いつかれないようにあたしも頑張るから。」
「明日は?」
「明日朝から和鍋さんが電話してくるからそれから・・・・なんだっけ(笑)」
「そうなんだ。山田は朝一でスケジュールの事でと言ってたけど一緒じゃないのか?」
「そっか、明後日は4月1日。のJanis事もあるからさぁ。
 打ち合わせもだし午後からは弓弦も一緒だと思うぞ?」
「あ・・・・忘れてた(笑)それもあるんだったっけ。
 んじゃあいているときは翔太君のところにいないとね。」
「俺も一緒にフランス語教えろよ。」
「時間があるときにいいじゃん。今日はもう休もうよ。」
「んだな。」

そう話をしながらの家路。まだ街の明かりが煌々と輝き星空が見えない。
かろうじて月が西の空にあることだけが認識できる程度。そんな夜道を帰る。
次の日の朝を幸せに迎えるためのおしゃべりも一つ一つ楽しそうに嬉しそうにしゃべりながら。
タクシーを少し手前で降りて家まで歩く3人。
怒られるのどうだの3人は楽しそうに歩いて行った。
そして門をくぐると達哉がちょっと引いた顔をしている。
大丈夫だよと言いながら家に入っていった2人。

達哉は今日のはいいんだと自分に言い聞かせて家に入るとひかりが`お帰り´と声をかける。
遅いと怒られると思っていた達哉は拍子抜けしたのか口元をひきつったまま`ただいま´と
一緒に部屋に行った。
同じように弓弦たちも明日の事を考えながら眠りについた。
そう、西の空につきg沈む少し前26時を回る前に夢の中へ落ちて行った。

一方同じ3人で帰るためにお店を出た誠たち。
一緒に上村も悠太も中村もタクシーを捕まえるために表に出てきた。

「明日は何かあったっけぇ?」
「確か何もなかった気がするけど、翔太も退院したからもしかしたら何かあるかもな。」
「俺誠さんの部屋に泊まりたいって思っちゃったけどいきなりはダメですよねぇ。」
「ん?俺の部屋か?悠太の寝る場所がないぞ?」
「悠太ずるいって。俺だって!(笑)」
「俺は明日何にもないってわかってるけど、とりあえず家に帰るわ。」
「まじめだなぁ、雄ちゃんは。雄ちゃんがそう言ったら俺らまでちゃんと帰らなくちゃいけないじゃん。」
「んじゃ、タクシーとめてやっからお前らはちゃんと帰るようにな(笑)」

誠は店の表の通りでタクシーを止めた。
中村は悠太と一緒に、方向が違う上村は一人タクシーに乗って帰ろうとした。
その帰り際、上村は月城の横で何か手紙を渡している。
にっこりと上村に微笑んだはなは彼のほほに手を添えて何かを耳打ちした。

月城はそんな上村を含めタクシーに乗り込んだ3人を誠と翔太と3人で見送ると駐車場まで歩く。
誠は翔太と二人はなを挟んで歩いていく間、それが気になっていたが
それよりも本当にご機嫌な顔をして話をするはなを見ていたら
上村の行動など気にすることでもないかと口には出さなかった。
車に乗り込み家に着くまでは助手席でうとうととしはじめるはな。
後ろの席ですっかりと腰を落ち着け翔太も寝息を立て始めた。
家に着くまでの30分あまり、誠は幸せな寝顔を見ながらご機嫌な鼻歌で家路をいそぐ。
途中、秋本に電話を入れもうそろそろつくのでと伝えた。
家に着くと静かに門が開き誠も2人を起こさないように静かに運転。
秋本と2人玄関から出てくると、ドアを開け2人をそれぞれ抱き上げ部屋に連れて行く。
翔太はぐっすりと寝ていたので部屋に連れて行くにかなり飲んでたためかも起きもしなかったのだが
はなはすぐに気が付いた。

「秋本さん、ただ今帰りました。」
「起きてしまったんですね。すみません、起きないよう気を付けたんですが。」
「いえ、誠さんの車の中でうとうととしてしまって。誠さんは?」
「車をガレージに入れにかれましたが?」
「そう、わたくしちょっと誠さんとお話ししたいんですけど・・・・・。」
「明日でもいいんじゃないでしょうか?うとうととしていたということは疲れている証拠です。
 明日は何もなかったのではありませんか?講義も春休みでないのでしょう?」
「確か明日は・・・・・そうね、明日朝からまことさんを捕まえるわ。ありがとう秋本さん。」
「ではわたくしはここで。お休みなさいませ。」
「おやすみなさい」



「ただいま。」
「お帰りなさいませ。誠さん。」
「賑やかでしたね、先に帰りまして申し訳ありませんでした。」
「いや、爺さんについてくれててありがとう。」
「いえ。それはそうと今、月城様をお部屋に連れて行ったのですが、誠様にお話が合ったようなのです。」
「俺にか・・・・・。」
「しかし月城様にはそのままお部屋でお休みになっていただきました。誠様も疲れたでしょう。」
「あぁ、ありがとう。大丈夫だ。」
「月城様には明日の朝・・・・・・とも話をしておきました。
 早くお休みにならないときっと早くに起こされますよ(笑)」
「そうだな、今日はありがとう。もうおとなしく休むよ。爺さんよりは遅いと思うから伝えてほしい。
 ご協力ありがとうございましたと。」
「承知いたしました。わたくしも朝が早いのでこれで。」


すでに25時を回っている。部屋に入ると、隣の翔太の部屋の明かりも小さいのが一つだけつけてあった。
しかし翔太は眠りについているのだろう、起きている気配はなかった。
反対側の月城の部屋は、まだ明かりがついていたが
しばらくすると薄暗い明りに代わり眠りについたように見えた。
誠はそんなまだ寝つけない時間をのらりくらりと携帯をいじりながら眠るまでの間を過ごしている。
缶ビールを2,3本空けたころだろうか
誠もあくびが止まらなくなってきたと感じたのかベッドに横になった。
そしてそのまま眠りに落ちて行った。


夜が明けた。退院した1日目の朝が来た。
あまりのまぶしさに目をうっすらとあけ一瞬ここはどこなんだろうという風に思い周りを見渡す翔太。
ちょうどキーパーが`おはようございます、起きておられますか?´と言い入ってきて
カーテンを開け窓を開いた時だった。

「おはようございます、えっと・・・・。」
「橋本様、朝はこちらで食べますか?それとも・・・・。」
「俺は皆さんと一緒のほうが嬉しいかも。」
「そうですか?では毎朝7時半にはご主人様たちも顔を出されます。
 お着替えが済みましたらリビングへ。」
「わかりました。でもこれから療養で少しの間いるだけですが`橋本様は´ちょっときついかも。」
「でも橋本様は橋本様ですよ?」
「まぁ、食事しながらでも原田さんと話してみよう。」
「そうですね、それがいいでしょう。では、お部屋でご用意しておりますね。」
「はぁい。」




窓を開け風が心地よく入るその部屋で翔太は達哉にメールを入れる。


`おはよう、リーダー。
 今起きたんだ。昨日はどうも。今日はどうなってるの?
 俺、退院したって記者会見あるのかなぁ。たぶんあるんだろうなぁ。
 なぁ、リーダー。俺さ、原田さん宅にいるけどなんだか環境が違いすぎて変だよ。
 事務所に行ったら何かわかるかな。連絡頼むね。´




身支度を済ませ、部屋を移動する。
部屋に入ろうとする月城の姿が見えた。



「おはようございます、月城さん。」
「あぁ翔太君。おはようっ、ご機嫌いかが?」
「昨日の今日ですがすっきりと目覚めました。」
「昨日ね(笑)退院から大忙しだったわね。」
「でもすごくうれしかった。あんなに俺を待っててくれた人がいたなんてすごくうれしくなりました。」
「これからよ、これから・まだまだ大変なのはこれからよ?」
「そうなんですかねぇ・・・俺大丈夫かな(笑)」
「今日はどうするの?今日は。」
「ん・・・たぶん後で熊ちゃんが来ると思うのでそれからだと。」
「ねぇ?」
「なんでしょう?」
「いつまでも`月城さん´じゃなんだか厚い壁があるみたいで(笑)」
「でも俺的には`月城さん´が自然なんですが(笑)」


「おはよう、ご機嫌に起きれたかの?」
「はい、おはようございます。原田さん。」
「聞こえてたとおり、ちとかたぐるしいかものぉ(笑)」
「おじい様もそう思うでしょう?」
「そうじゃの。まぁ今日は第一日目。お手柔らかにの。」
「あの・・・」
「なんじゃの?」
「俺・・・・・。」
「橋本君らしくないのぉ。弓弦に似ておるのに(笑)」
「俺・・・・・あの・・・・・おせわになります、よろしくお願いします」
「いや、それはこの間(笑)橋本君はどうしたんだね?」
「いや・・・・その・・・・。」
「おかしいわ(笑)ねぇ、橋本・・・・・翔太君だったわよね?」
「はい、だからみんなからは翔太とかの名前で呼ばれているんですか・・・・。」
「弓弦ちゃんはなんて呼ぶの?」
「翔太君って素直に呼んでもらっています。西村さんにもみんなにも翔太って呼んでもらってて。」
「なんと呼ばれたい?」
「橋本君とやら。」
「はい。」
「せっかくの療養じゃて、気持ちもゆっくりとしたほうがよいじゃろうし。
 ほれ、弓弦もはなさんもみんな出入りすることじゃから
 気負わんでお互いが呼び合えたらいいんじゃないのかね?」
「そうですね・・・・」
「だからのぉ(笑)自分のうちにいるように、
 自分の身内に話をするように同じようにしゃべってはどうかのぉ?」
「俺、自分で言い出したこととはいえこんなにすんなり受け入れてもらえてすげぇうれしくって。
 その反面本当に迷惑かけ始めたんだなって。」
「正直に言うが弓弦が言い出して受け入れたのではないんじゃよ、君を見ているとなぁ。
 なんとなくじゃが、気になってしもうてな(笑)」
「おじい様が気になるのはやっぱり弓弦ちゃんと似ているだけじゃないのね(笑)」
「そうかもしれんがそれだけではない。それだけでは失礼じゃろ?
 何となくじゃがの。ほぉっておいては行けんような気がしての。
 まぁ、深く考えなくともこれからしばらくは一緒なんじゃしそのうち呼びやすいようになるじゃろ。」
「おじい様?わたくしは・・・・橋本君では呼びにくいので翔太君って呼ぶわ。」
「好きなように、本人が困らんように(笑)」
「翔太って呼び捨てで構いませんって(笑)誠さんも俺の事翔太って呼ぶし西村さんもみんな。」
「わしもそのうち慣れた呼び方になるじゃろうからそれまではのぉ(笑)
 とりあえず、朝はしっかりとたべんとな。」
「さぁ、座って。あたしもおなかすいたわ。今日はおじい様は?」
「わしか?わしは事務局に行かないとな。はなさんはどうするんじゃ?」
「わたくしは今日は講義もないので丸一日お休みなの。翔太君にフランス語を教えないとね。」
「俺は・・・俺どうなってるんだろう。くまちゃんが来ないとわかんないや(笑)」
「聞いてからでいいじゃない。食べよう。」
「はなさんと橋本君の話を見いていれば毎日が平和じゃのぉ。」


朝食を食べ始めると、にぎやかな食卓に周りは笑顔がこぼれていた。
健康を考えてあるのがよくわかる和食の朝ご飯。
香ばしい雑穀米、納豆とたまごに白みそのお味噌汁。焼魚と野菜の煮物。
翔太には物足らないだろうとしっかりおかわりの準備をしてあったのが正解。
あんなに3人で話しながら食べていたはずなのに、気づけばおかわりをしている翔太。
その様子が原田は嬉しくてつい笑ってしまったが、はなも同じでその様子は頼もしく映っている。
キーパー達もその翔太の食欲を見てこの後の食事も少し見直しをと思ったに違いなかった。

少しすると秋山が原田を呼びに来て事務局へと出かけて行った。
はなはメールの確認をしてからフランス語をと話をしている。翔太は早々に鍛えたいみたいだった。
なんせ、Janisと続き部屋になるのだから
少しは話せないとと思っている翔太の気持ちをうすうす感じているみたいだったはな。
誠はまだ寝ているのか部屋のほうからはまだ起きた様子も感じ取れなかったのだが
はなはキーパー達のフランス語の勉強に合わせて翔太もそれに付き合わせようと
メールを確認しテキストを探し始めた。
そんな今日はすでに3月29日。Janisの来日まであと4日。4日後には到着するのだ。
来日するための荷物は明日明後日でつくのだろうがJanis本人は2日の午後のエールフランス機で到着する。
その時の荷物が部屋に運ばれ、Janis自身はそのまま記者会見場などを移動しホテルでの晩餐に突入する。
そのホテルでの晩餐は翔太もみんな一緒になるということだったのでキーパーたちよりも
少し早く少し多めのフランス語を帯び終えなければと翔太も意識はしている様子。
誠のほうは少し前からはなより聞いていたためかはなお手製のテキストぐらいは話せるようで
弓弦と同じで少しは英語ができるおかげでましな感じはしている。
遅れて勉強するのは翔太だけ。
バカンスに来るということが決まってからはみんながフランス語をかじったために
ちょこっとだけねと言いながらもたどたどしい単語だけの会話は
どうにかなるところまで来ている人もいた。
はなは基本のんびり屋さんなのか、あと2,3日でこれぐらいと思ってテキストを持ってきた。

`konkon konkon´

「翔太君、今大丈夫?」
「はぁい。」
「あのね、これ。」
「フランス語の・・・・(汗)」
「そう、このテキストはとりあえず単語と簡単な日常会話のだけよ。」
「俺英語全くもダメなんですけど?フランス語はもっと・・・・・。」
「大丈夫よ。フランス語はね、雰囲気でわかるから。とりあえずの単語だけ。
 Janis兄さんも日本語は少しできるから片言でいいのよ。」
「でもなんだか・・・・・」
「翔太君だってJanis兄さんがいる1ヶ月ぐらいできっと聞いてわかるぐらいにはなるわよ。
 そう難しく考えなくったって大丈夫。弓弦ちゃんもいるんだし。」
「そうですよね。弓弦さんもいるし月城さんもいるし。」
「んふふ。でもさ、これからしばらく一緒に過ごすのに月城さんってやっぱり呼びにくいでしょ?」
「やっぱり月城さんですよ。」
「寛司さんやみんなはなさんって呼ぶのにJanis兄さんの前で月城さんはかえってはずかしいわ。」
「寛司さんは月城さんと同じくすごい人ですし(笑)」
「あら、あたしは翔太君と同じ人間よ?」
「それは違いますよ。俺よりうんと先輩です、音楽も何もかも。」
「でも、あたしはなって呼ばれるほうがすごく楽なのよ。
 だからほら。呼んでみて、一度はなって呼んだら楽になるから。」
「えっと・・・・・はなさん・・・・・って?」
「そう。よくできました(笑)」
「あの・・・・・今日は?」
「あたし何にもないのよ。だから翔太君が何もなければ・・・・・。」
「熊ちゃんが来るとどうするか予定がわかるんですがとりあえず療養期間なので仕事はないと。」
「んじゃ、後は弓弦ちゃんに電話してと・・・・・誠さんもそろそろ起きるころだし。」
「なんだかテキスト持って喜んでませんか?」
「翔太君にはあと2,3日しか時間ないのよ?単語ぐらいはね?」
「熊ちゃん来たら巻き添え食らわそ・・・・。」
「んと・・・・熊ちゃんって???」
「あ、すみません。俺のマネージャーやってるのが熊ちゃんで、そう呼んでるんです。」
「そうなんだ。んじゃ、彼もいっしょのほうがいいわね(笑)」
「俺部屋で熊ちゃんに電話入れてきます。」
「はぁい。リビングで待ってるわ」


部屋の前で別れそれぞれの部屋に入っていった。


`turururururu tururururururu tururururururu´


「弓弦ちゃん?」
「おはよう姉さん、朝早くからどうしたの?」
「んと、今日は?」
「朝から一度事務所に顔を出してそれからそっちに行くけど。」
「んじゃ、お昼前にはこれるね。何もなければ翔太君も今日はここにいるみたいだから
 誠さんと弓弦ちゃんとあたしと4人で特訓ね(笑)」
「だね♪でも誠さん単語は大丈夫になってきたんじゃない?」
「もうチョイかな。んじゃ待ってるね、弓弦ちゃん。気を付けて行ってらっしゃい。」
「うん、行ってきます。」

電話が終わり振り向くとドアの隙間から翔太が顔を出している。

「あら。どうしたの?翔太君。」
「いや、あの・・・・・熊ちゃんこっちに向かっているって。
 電話したら熊ちゃん今日は一日こっちにだって。だから・・・・その・・・・。」
「んじゃ、話せないと困るから熊さんも単語ぐらいは(笑)一緒にお勉強しちゃいましょ。」
「はい(喜)一人じゃなくってよかった。」
「だって熊さん?も翔太君と一緒にしばらくはここにいるんでしょう?」
「どうだろう・・・・・通いだと思うんですけど。」
「でも翔太君と一緒ということはお兄様ともきっと一緒でいることも多いはずよ?」
「そうですね。あ、テキストありますか?」
「大丈夫あるわよ。そのこと考ええ多めにあるから大丈夫。」
「そうですか、んじゃ…えっと・・・・・はなさん。」
「なんでしょう翔太君(笑)」
「俺誠さんの部屋にいます。キーパーさんにも熊ちゃん来たら誠さんの部屋にいるって言ってますから。」
「そう、んじゃ、あたしも誠さんの部屋に行こうっと。」

2人たのしそうに話をしながらもつものを持ってとりあえずと誠の部屋に行く。



    `konkon konkon konkon´




「・・・・・・・・・・・・はい。」
「誠さん、おはようございます。」
「はなさんか・・・・・おはよう。どうかしたのか?」
「帰ってくるの遅かったの?」
「あぁ、少しだけな。」
「ねぇ、誠さん(笑)」
「なんだ?」
「何か上に来てほしいんだけど。」
「あ・・・(笑)すまん、ていうか、見て恥ずかしがる年なのか?」
「んもぅ!早く何か来てください!」

ドアのところではなが後ろを向いて赤い顔をして大きな声を出して話をしているのが
翔太には新鮮で面白かった。誠からは見える位置にはいなかったのだが、声だけは大きく聞こえている。

「翔太かぁ?はなさんの陰で大笑いしてるのはっ!」
「いえ違います(笑)」
「翔太だろ?そこにいるのは。お前飯食ったのか?」
「もうとっくに早い時間にはなさんと原田さんと一緒に。」
「そうか。もう一度おれとの朝飯付き合え。一人だと緊張するから。」
「え?俺はなさんと誠さんの部屋で待ってますって。」
「いや、お前もついてこい(笑)」

ふくれっ面のはなが立つ誠の部屋のドアの向こうから翔太に向かって着替えをしながら話をしていたが
着替え終わるとはなにごめんごめんから買ってと笑いながらおはようといい、
そのはなをかわすように部屋から出てきた誠はくすくすと笑っている翔太を捕まえ食堂まで連れて行き
誠の遅い朝食・翔太の2度目に朝食・はなはそれに付き合って紅茶をいただきながら
翔太のマネージャーの到着を待ちのんびりしていた。


昨日の営業の話をしながら3人おしゃべりに夢中になっていた。
食べ終わると結構な時間がたっていたのか、キッチンのほうはあらかた片づけたらしく
誠たちのものだけが残った。
誠が自分たちの持ってきたのを洗って片付けようとすると
「私がやりますから」とキーパーが声をかける。
しかし誠は自分の分だけだしとさっさと洗い始めた。
はなも横に立って手伝っている。
その後ろ姿を見ながら、翔太は2人にいろいろと話しかけて聞いていた。




しばらくすると石橋がやってきた。

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