聖女の位を継承した幼い王女とその女官が、国が滅びゆく中で最後の時間を過ごす短編です。

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聖女


 リューリは王族の女子が神に仕える聖女となって国を守護するという信仰のある王国の王女である。亡くなった先代の叔母の跡を継ぎ、リューリは七年前に聖女になった。


 聖女となった者は聖域の深い森に建てられた塔の中だけで生き、共に塔で神に仕える女官以外の人間とは一切会うことなく一生を終える。


 そのため四才の時に聖女となり塔に入ったリューリは、塔の外についてほとんど何も知らずに成長した。リューリにとっての世界は塔の居住室と、そこで幼いころから仕えてくれている女官のテアだけである。