死んだ私と屍術師の契約(「恋愛コン」タテスクコミック部門応募作)

作者たかつじ楓@『後宮の華、不機嫌な皇子』発売中!

OLの結衣は、仕事帰り夜遅く新宿の路地裏で、何者かに首を絞められて死んでしまう。
 怒りと悲しみを抱えながら絶命する時、偶然通りかかった黒髪の男が問いかけてきた。
「まだ生きたいと願うなら、俺と契約しろ。条件は、俺が死ぬまで側から離れないことだ」
 初対面の男に急にそんなことを言われて戸惑う結…

 OLの結衣は、仕事帰り夜遅く新宿の路地裏で、何者かに首を絞められて死んでしまう。

 怒りと悲しみを抱えながら絶命する時、偶然通りかかった黒髪の男が問いかけてきた。


「まだ生きたいと願うなら、俺と契約しろ。条件は、俺が死ぬまで側から離れないことだ」


 初対面の男に急にそんなことを言われて戸惑う結衣だが、死にたくないため、契約すると心の中で願う。


 助けてくれた男は加賀見雅人。彼は今人気のミステリー作家だった。

 

 雅人は結衣に、自分が屍術師ネクロマンサーであることを告げる。

 屍術師ネクロマンサーは、死人を生き返らせるわけではなく、自らの霊力で死体に本人の魂を留まらせておけるだけだという。

 主人の霊力が届かないほど離れると、肉体から魂が抜けてしまう。

 彼が契約の際に言った『俺が死ぬまで離れるな』の意味、屍術師ネクロマンサー契約者ヴァレットの関係を理解する。

 

 そして世間では、新宿を中心に若い女性の窒息した死体が何人も発見されているというニュースで騒がれていた。

 結衣に手をかけた犯人に違いないと、二人で犯人を追うことに。

 

 冷たく見えるが、自分を常に守ってくれる雅人に恋心を抱きつつ、死んでしまった自分では報われないと葛藤する結衣。


 平凡なOLと、「呪われた血」と恐れられた異端の屍術師が、彼女の死んだ夜に出会ったことから始まる、恋愛ダークファンタジー。