風鈴の音と、
虫の音は、
何処か似ていると思う―・・・
- 最終更新日
- 2011/09/28
- 作品公開日
- 2011/09/27
- ページ数
- 完結 20ページ
- 文字数
- 3,922文字
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作品コメント
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- 涼音
深い たった20ページなのに、読み終えた今、すごく余韻に浸っています。 本来なら、誰しも親から愛をもらえるのに、玲にはそれがなかった。ゆえに、彼女の性格は歪んでいく。 けれど、玲は本当はただ寂しいだけなのではないか、と思いました。愛を求める方法を知らないだけなのではないかと。 そして、玲が嫌いな風鈴を持って彼女を待ち続ける圭の心も歪んでいると思いました。でも、そうでもしなければ圭と玲の世界は壊れてしまう気がします。 彼らの未来が気になりますが、世間的にはバッドでも、2人にとってはハッピーエンドであってほしいと思いました。
- 杏花
黒く、深く。 はっと息を呑むような、深く底が見えない闇。 玲を憎んでいる圭は彼女が嫌がる風鈴をつけて彼女を待つ。 自分の日常を掻き乱す彼女が傷付けばいいと思う圭が持つのは、彼自身を浸蝕しそうな程ぐにゃりと歪んだ感情。 玲の弱さと圭の脆さ。 二人が脆弱を纏うと、風鈴が揺れて。 風鈴の音が遠く耳を衝くような胸のざわめきが、読み終えた後にどっと押し寄せてきました。 一言では言い表せない深さを持った魅力ある作品です。 素敵な作品をありがとうございました。
- 藤崎りく
濃く、深い。 淡々としているようでいて、その内に秘められた激しいほどに強い圭の想い。 コンプレックスゆえか激しくきつい性格をした玲の弱さと脆さ。 短いページの中でこんなにも表現できるものなのだと脱帽しました。 圭の心の内は決して綺麗なものではないけれど、だからこそその愛の深さが重く響いて。 その後の二人にありがちなハッピーエンドは想像できないけど、こじれた糸がほどけるようにまっすぐに繋がる時がきてほしいと願わずにいられませんでした。