作品コメント
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- 朝海 颯妃
奏でられる美しい旋律
まるでオペラを観劇した後のような…そんな余韻を感じました。
過去と現在を行き来する展開にもかかわらず、読んでいて何の違和感もなく、作品の世界にぐいぐい引き込まれていきます。
さらに、表現力の巧みさが秀逸で、人物達の感情や、ふとした日常の風景、色、音など、繊細で尚且つ、独創的な言葉で綴られていて、そのリズムや雰囲気が何とも心地良いです。
節々に入る写真や、作中に登場する数々のクラシック音楽も素敵で、物語にさらに彩りを添えています。
さらに、キャラクター、一人一人がきちんと立っていて、とても魅力的です。
そして、彼女らが繰り広げる様々な心模様―。
恋愛の「甘い」一面だけじゃなく、「苦い」部分や「暗い」一面も描く事によって、「甘さ」がより際立ち、彼女達の心情をとてもリアルに、そして身近なものとして感じる事が出来ました。
主人公の春娜が、色々な葛藤を経ながらも、少しずつ自分と向き合い、秋留に向き合って「自分の居場所」を掴み取ろうとする姿には、たくさんの勇気を貰えました。
最後に、「恋愛小説」というジャンルを超えた素晴らしい作品だと思います。 - ぱーじ
青春。
前後編読み終えました(`・ω・)
……前編では煮え切らない春さんに悶絶してました。あー、あー、あー、といった具合に(え)彼女の魅力はなんぞや?と。…偉そうですみませんorz
でもそれだけ感情移入、というか作品移入していたのだと思いますっ(><)
後編でようやくいろんなことに向き合おうとした彼女を応援することができました(ひねくれ者でゴメンナサイ)それまではずっと悟さんを応援してまし(殴)
そして日野さんがどうして超人的なったのか気になる……。それとも私が考えすぎなのかなorz
前編で煮え切らない分、後編の印象が強いです。構成や表現の多さ、凄いと思います。登場人物のそれぞれの役割がきちんとあって。
音楽について無知な私ですが、綺麗な作品だなあ、と思いました。
そして、皆それぞれ幸せになってよかったなあと思える作品でした(><)!
何だか生意気言ってすみません。これからも頑張ってください\(^^)/ - riko
カッコイイ小説!!
前編、後編を続けて
読ませて頂きました。
後編は一気に読みました
ただただ、すごい!と
思うことばかり。
こんなに楽しくて
先を読みたいと思えた
作品は初めてでした。
登場人物の性格や人間性などが細かく描かれていて読みやすかったです。
場面場面の状況が
想像できて楽しかったです。
過去と現在を行き来するのも分かりやすくて
カッコイイ作品だなぁと思いました。
いろんな想いがあると
いうことを学びました。
ありがとうございました - MIN
言葉が聴こえる物語
前編から後編のレビューまでかなり時間がかかりました。
『chair』という題名を鵜呑みにして登場人物それぞれの居場所を見つける物語であり、その過程で物語の随所に流れるピアノの音色がアクセントと深みを演出していると思っていましたが【後篇・完】を読み終えキャラたちがその時々で探し求めていたchairと
いうのは、もがき苦しんで見つけ出す『居場所』ではなく、最初からそこに座ることが決まっていた場所に
『自分が決めた場所に座れるか、自分で決められるかどうか』を酷なほど突きつけられることが人生なんじゃないか? という思いがしました。
明確な言葉を紡がないピアノの音色に乗せてそれぞれが思うコトバが積み重ねられていく季節。過ぎ去るのは一瞬だが、積み重なった時間は限りなく重い。
この物語では見事なまでに時間が、思いが、鮮やかな絵画と音楽によって成就されていきます。
今いる場所に、思いを馳せるのも悪くない。
そんな作品に出会えたのは、ありがたいです。 - ダイ
文句無しの★5つ
前篇後篇になっており、前篇読破後に少し触りだけ読もうと後篇を読み始めたワケですが、触りで終わらず最後まで読みきってしまいました。
面白いです。実に面白い作品です。
自分的には美南がお気に入りでした。
彼女の竹を割った様な性格が、読み手に安心感を与える感じがしました。
一人称なんで読み手はハルナ目線になっていますから、男ながらに秋留の事は好きになってしまいますし、生徒会長は嫌いになってしまうと、完全に作者様の手の上で転がされてるなぁと、思いつつ読んでいました。
本当に良い作品でした☆ - 鈴木 鶉
オトナも読める学園モノ
ともかく文章が丁寧。
過去と現在の織り交ぜ方が、(タイミング的に)読み手には優しくない作りなのに、すっと入ってしまうのは文の美しさだと思います。
全編通した中で、雨の中の秋と春のシーンが一番好きです。(傘落とすとこ)
スピンオフもよかったけど、生徒会長よ・・・って感じでした(笑)
個人的に、ピアノ弾ける美男子って萌えるわ―って人には相当おススメです。
秋くんは性格的にいわゆるヴィルトゥオーゾ的な曲が似合いそう・・と一人でむふふと妄想しちゃいます。 - 由宇
それぞれの思い、それぞれの音色
なにか言葉では言い表わせない魅力がある作品でした。
登場人物の言動や行動を通して、作者が伝えたかったことが表現されていました。
お互いを思う気持ちや、自分の願望、そしてプライド。そんなものが混ざりあってしまい、なかなか交わらなかった春と秋の音色がようやく一緒になったとき、本当に感動してしまいました。
あと最後の、春那、秋留、美南、悟の4人が再会したシーンが一番好きです。
美南の四季が表現された絵をこの目で見てみたいなって思いました。
登場人物、それぞれが味を出していて本当にいい作品でした。読んで本当によかったです。 - ゆんにゃん
傷つき、磨きあって…
人物がとても人間味が溢れていて生き生きと描かれていました。
春と秋、お互い惹かれ合ながらもぶつかり、傷つけ合い、成長したからこそまた二人の道が交わったのではないかと感じました。
過去の自分と現在の自分、成長したけど変わっているようで変わらない自分の本質を照らし合わせるかのようにストーリーが展開されていてとてもよかったです。
音楽を織り交ぜることでストーリーがすごく美しく感じられました。 - あき
大きな、でもカッチリとまとまった物語
まずは、作品完成、お疲れさまです。
遅くなりましたが、最初から全部読ませてもらいました☆
過去と現在を交錯させながら、そのすべてが重なって、最後には未来へと収束していく。
長編ですが、筋のはっきりした作品でした。
要所で選ばれる選曲が気に入っています。
小説から音楽が流れるようになったらいいのにな~
所々で語られる格言?のような文章も、スパイスになっています。
良い作品に出会えました☆ - 鳥葬
誰もがそうであるように
自分の過去を肯定できるだろうか。過去から続く未来を肯定できるだろうか。現在にあってそれを思うことは、実はけっこう過酷なことだったりします。過去の結果として現在があり、現在の姿から未来を描かなければならないから生きることはしんどい。夢(または欲望)があれば尚更。出来ていないこと、叶わないことが苦しい。苦しいから行動が正論から外れて行く。
「a chair」西蘭高校に超人はいません。登場人物が、名前という記号や取って付けた不幸を付与された、結末へ向かうための道標ではなく、人間としてきちんと歪んで(変な日本語ですが)在るところから、小説「a chair」は始まっていて、
これは小説が「人間を描くもの」である以上、すごく大切なことであると共に、難しいことでもあるように思います。不調和を持った人間達による、調和についての体験哲学としての「a chair」
得た恋の行く先は別離でしたか。倦怠でしたか。得ていない恋に期待するものは何ですか。恋愛に失望する前に読んで欲しい。失望した後には尚更読んで欲しい。大切な一篇になると思います。そして、精神は入学へ。 - 鋼雅 暁
本物の恋がしたくなりました
甘いだけが恋じゃない……泣いて笑って傷ついて傷つけて。
それでも、恋がしたい!
まさに大人になるための階段を一段づつ登っていく彼ら。
共感したり見守ったりしていたはずなのに、気が付いたら彼らの方が大人になっていました。
情景描写がとても巧いので、町や建物の様子が目に浮かび、登場人物たちがどのように動いているのかがよくわかります。
忘れてはならないのが随所に散りばめられている「芸術」。
なるほど、と唸りました。