【小説の書き方】初心者が押さえておきたい基本やコツをプロが解説!

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「こんな物語を作りたい」と想像したり、日常の葛藤や感動を何かの形にして伝えたいと思った経験はありませんか? そういった気持ちを表現する方法の一つが小説です。しかし、実際に小説を書こうにも、何から始めたらいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は書評家・作家として活躍し、著書『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』(サンクチュアリ出版)等で文章の書き方を伝える活動をしている三宅香帆さんから、小説の書き方のアドバイスをもらいました。

これから小説を書こうと思っている人、また、小説コンテストに応募したいという方は、ぜひ参考にしてくみてください。

教えてくれた人


三宅香帆さん
書評家、作家。1994年生まれ。高知県出身。著書に『人生を狂わす名著50』『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』『女の子の謎を解く』等がある。批評・エッセイ・インタビュー等の執筆業、文章の書き方や小説の読み方を伝える講師業、メディア出演を中心に活動。

Twitter :@m3_myk
Instagram:@m3_myk_

■小説の書き方の基本と知っておきたいコツ

小説を書きはじめる前に考えるべき大事な3要素【構想・テーマ・ジャンル】

思い付いたことをメモするのが、構想を練る第一歩

小説を書く前に最初に考えなければいけないのは、構想を練ること。どんな物語を書きたいのか、そして、自分ならどんな物語を読みたいのかを念頭に、まずは思いついたことを全部書き出してみましょう。

例えば、「夏」「お祭り」「ピュアな恋愛ドラマ」「幼なじみ」「三角関係」「サスペンス」「犬の可愛らしさを描きたい」「ハートフルなストーリー」「笑って泣ける」とメモし、その中から、メインとなるテーマとして「ピュアな恋愛ドラマ」をピックアップしてみます。

「どんな話が書きたいのか分からない人は、自分の好きな物語のあらすじを書き出して、そのあらすじに使われているキーワードを並べてみるのがおすすめです。そうすることで、自分の好きなモチーフなどが見つかることがあります。また、メインとなるテーマは、いちばん自分がグッとくるキーワードを選ぶと書きやすいですよ」(三宅、以下同)
キーワードから物語の起承転結をイメージし、テーマを決める

次に行うのはテーマ決め。先ほどのキーワードから想像できるのは「夏祭りデート」「小さい頃からお互いに好きだけどなかなか言い出せない関係」「犬がキューピッド役に」「ライバルの登場ですれ違い」といったエピソード。

「ライバルの登場ですれ違い」「小さい頃からお互いに好きだけどなかなか言い出せない関係」「犬がキューピッド役に」「夏祭りデート」という順番にすることで”初恋が実る瞬間のきらめき”といったテーマになれば、「小さい頃からお互いに好きだけどなかなか言い出せない関係」「夏祭りデート」「ライバルの登場ですれ違い」「犬がキューピッド役に」という順番なら、”恋愛のもどかしさ”といったテーマにもなり得ます。

起承転結という物語の基本構成にどの場面を当てはめていくかで、書き手の個性が表れます。どんな物語が書きたいのか、じっくり考えてテーマを決めることが大切です。

「順番をどうやって決めたらいいか分からない! という人は、先ほどと同じように好きな物語のあらすじを書き出してみると、物語の起承転結をどのように考えればいいのかが分かってくるはず」
構想、テーマが決まれば、おのずとジャンルは見えてくる

そして、最後にジャンルの決定。構想、テーマ決めという段階を踏む中で、ジャンルは自然と絞られてきますが、「キューピッド役を務める犬が、実はロボット犬」という設定にすればSFラブロマンスになるし、「幼なじみの正体は某国のエージェント」というキャラクターにすれば、ラブサスペンスへと早変わり。この後に決める「キャラクター」「舞台設定」などで細かな部分を決定してから、ジャンルを決めても遅くはありません。


話の展開や登場人物の行動の指針になる【プロット作り】

プロットとは小説の設計図のようなもので、舞台設定やキャラクターの性格、物語の中で起こる出来事から、どのような形でストーリーが完結するのかを短くまとめたものです。ここでしっかり時間をかけて内容を詰めておくことで、小説を書きながら話の展開を悩んだり、登場人物の行動に矛盾のない、しっかりとした作品が完成します。

「とりあえず最後まで展開を決めてみるのが大切なので、『プロットを考えるのが苦手!』という人はまずはプロットを完成させることを目標にしてみてください。最後までプロットができあがっていると、執筆中に悩むことになっても『最後まで書き上げよう』というモチベーションになります」


読者の共感を呼び、魅力的な作品に欠かすことができない【キャラクター設定】

読者の共感を呼んだり、小説を魅力的に輝かせるのに重要な役割を担うのがキャラクター。ここでおすすめしたいのが、身近な人や好きなキャラクターと現実世界でよく知っている人物を参考にしたキャラクターを創ること。

例えば、外見は好きな小説の主人公を参考にしつつ、その中身は好きな芸能人のイメージと自分自身が入り交じったものにすると、キャラクター像を作りやすくなります。また、こうすることで、書き手はキャラクターに寄り添いながら物語を書き進められます。

「キャラクターを生み出すことが苦手な方は、自分の好きな人や好きなキャラクターのどこが好きなのか言語化する癖をつけるのがおすすめのトレーニングです。自分のキャラクターにもその魅力を持たせることができるので、ぜひ好きなポイントの言語化をしてみて」


読者にテーマを伝えやすく、ストーリーに深みを与える【舞台設定】

物語のテーマが読者に伝わりやすくするのに重要なのが舞台設定。現実世界が舞台だと身近なテーマとして読者から受け入れられやすくなります。一方、まだ近代文明が発展しておらず、ネット環境や電気などの便利アイテムがなく、身分の格差などの障害がある時代が舞台なら、キャラクターたちの関係性をさらにドラマチックに盛り上げることができます。

また、異世界やSF的な舞台を背景に物語を書く時は読者に世界観をしっかり伝えなければならないので、その世界の成り立ちからどのような歴史が紡がれてきたのかなど、細部にわたって設計することが大切。そうすることでストーリーにさらなる深みが加わるはずです。


物語に深みを持たせるさまざまな視点

主人公を「私」の視点から物語を進行させる「一人称」と、その物語を間近で観察するような「三人称」、そして、読者にも語りかけてしまうような視点といったように、小説はさまざまな視点で書くことができます。視点によって、物語に異なった味わいが生まれます。

悩む場合はまず、「一人称」で書いてみることをおすすめします。他のキャラクターが考えていることや、主人公が知らないところで起きる事件についてはリアルタイムで語ることができないといった制約がありますが、主人公になりきって物語を進めることができるため、初心者の方は一人称が書きやすいのではないでしょうか。

「三人称」では、どんなキャラクターの視点や心情も書くことができるものの、どのキャラクターに焦点を当てると物語がドラマチックに進むかを的確に判断しなくてはならないなど、はじめのうちは難易度が高く感じてしまうかもしれません。

「本を読む時も、その話が一人称なのか三人称なのかを気にしてみると、自分の小説の参考になります。なぜその作者はその視点で書いたのかということを考えてみると、思わぬ意図が見えてくる時もあります」


物語の時間の流れを明確化する【行動表】

キャラクターや舞台設定などが明確になったら、各登場人物が小説の中でどのように行動するのかを、物語内での時間の流れに沿ってそれぞれ表にしていきます。そうすることで、どのタイミングで誰と会っているのか、心境の変化にどれくらいの時間が必要なのかなどが一目で分かるようになります。行動表を作る中で、キャラクターへの理解度もさらに増してくるはずです。



■パソコン? アプリ? 自分に合ったツールで小説を書いてみよう




昭和中期までは手書きが主流だった執筆環境も、ワープロソフトやパソコンの文書作成アプリ、そして投稿サイトでのフォーム入力と、時代に応じて変化してきました。それに合わせて、小説を書くハードルも一気に下がり、誰でも気軽に物語を紡ぎ出せるように。ここでは、原稿作成ツールについて紹介します。

最後まで書き切ることが困難な【手書き】

かつて小説を書く際は、文豪の指示を受けて原稿を清書したり、小説の構成を整えたりする存在がいたといわれるほど、手書きで小説を完成させるのは非常に大変なことでした。それは現代も変わらず、小説を原稿用紙で手書きする場合、最後まで書き切ることは非常に困難です。そのため、このあと紹介する、パソコンソフトなどのツールを使うことをおすすめします。


設定を自由に変えて自分に合った環境で書くことができる【パソコン】

パソコン内にインストールされているメモ帳などでも執筆が可能です。書籍と同じように縦書きで執筆したい場合や原稿用紙の設定をしたい時などは、一般的な文書作成ソフトをカスタマイズして、自分に合った環境を整えて使いましょう。


パソコンがなくても、手軽に小説執筆が可能【スマートフォン】

原稿用紙やパソコンよりも手軽なツールがスマートフォン。実際、さまざまな小説投稿サイトではスマートフォンでも投稿しやすいように工夫されています。長編を書くのには大変かもしれませんが、パソコンがなくても小説を書いてみたい人や毎日少しずつ執筆していきたい人にはおすすめです。



■小説を書く上で気を付けておきたいルールとNG例

行頭や句点、数字や記号の使い方のルール

小説の執筆には、基本的なルールが存在します。必ずしもすべて守らなければならないわけではありませんが、「知らなかった!」という発見もあるかもしれないので、ぜひ参考にしてみてください。

行頭は一字あける

書き出しや改行後など、文章のはじめには一字分の全角スペースを入れます。会話文でカギ括弧(「」)を使う場合には入れなくてもOK。執筆するソフトで全角スペースを表示できるようカスタマイズするなどの工夫を。

「」内の終わりには句点は必要ない

文章の終わりに句点(。)を入れるのは基本。ただし、「」の中にある文章の最後には基本的に句点を入れる必要はありません。

例「せっかく再会できたのだから、乾杯しよう」


感嘆符の扱い方

感嘆符(!)や疑問符(?)で一文を締めくくる時には、句点(。)はカットします。しかし、その後に文章が続く場合は、一字分の全角スペースを挿入してから書き進めること。


正 なんという奇跡だろう! こんなところで彼女と再会できるだなんて。
誤 なんという奇跡だろう!。こんなところで彼女と再会できるだなんて。


数字は基本「漢数字」で

縦書き原稿で書く場合、数字は「一二三四五」と漢数字を使用するのがルール。ただし、グループ名などの固有名詞といった、漢数字で表記すると分かりにくくなるものでは、「12345」のアラビア数字の使用はOK。

三点リーダーとダッシュは偶数セットで

三点リーダー(…)とダッシュ(ー)は、「……」「――」のように偶数表記が基本。はじめから文字入力ソフトに登録しておくと、間違いが少なくなるのでおすすめ。

せりふの中のせりふはカギカッコの中に二重で

登場人物のせりふの中に他の人物のせりふが入るような場合は、どのキャラクターがせりふを発しているのかが一目で分かるように、「『』」の形に。


正「彼はあの時こう言った。『人生は儚いものだ』ってね」
誤「彼はあの時こう言った。「人生は儚いものだ」ってね」


投稿サイト、公募コンテストごとのルールを遵守

現在、多くのユーザーが利用している小説投稿サイトには、それぞれの利用ルールや利用ガイドラインが設定されています。例えば二次創作の投稿はNG、暴力表現や性表現の規定などがあるため、各サイトのルールやガイドラインを守りながら投稿しましょう。

また、公募コンテストには応募要項があります。例えば、2022年9月30日(金)18:00まで応募受付中の第3回「魔法のiらんど大賞2022」小説大賞では、「本文の文字数が10万字以上の完結作品であること」などの規定が設けられているので、コンテストに応募の際はしっかりとルールを把握するようにしましょう。



■作品ジャンル別 小説の書き方のコツ

純文学、大衆文学、ライトノベルの特徴

大きく分類すると、「純文学」「大衆文学」「ライトノベル」に分けることができる現代の小説。それぞれの特色と、書く上での心構えをおさらいしておきましょう。このあと紹介するカテゴリーと合わせると、その組み合わせは無限大。それぞれのコツを押さえて、自分だけの物語作りに挑んでみてください。

細やかな表現と豊富な語彙が求められる【純文学】

純文学は、一般的に「文学性を重視している」と定義づけられた小説。美しい日本語や表現方法などが物語の展開よりも重視されるため、書かれているストーリーが途中で終わることもあります。純文学を書く際は、細やかな表現と豊富な語彙が求められます。シンプルな構成のストーリーの中で、いかに自分の個性を反映した美しい表現を追求できるかを意識しましょう。

「自分の個性と読者の求める面白さをどうやって両立させるのかを考えて書くと、ハイクオリティーな小説に仕上がるのではないでしょうか。昔の作品なら夏目漱石、志賀直哉といった、大正から昭和にかけて活躍した文豪が残した作品、最近の小説なら芥川賞受賞作や候補作を読むと、プロの作家がどうやってそれを両立させているのかの勉強になります」


高いストーリー性や読者の共感を呼ぶ登場人物などが欠かせない【大衆文学】

大衆文学は、「娯楽性に重きを置いている」小説。時代を反映した設定や、人々の生活などが描かれることが多いです。恋愛、SF、時代劇、ミステリー、ホラー、ファンタジーなど、文学性よりも「読んでいて楽しいか」にスポットを当てたストーリーが魅力。読者の共感を呼ぶ主人公やキャラクター同士の関係性も物語にリアリティーを与えられるので、日頃からの人間観察が欠かせません。

「こちらは直木賞受賞作や候補作を読むと勉強になるでしょう。どんな小説がその時代の流行なのかを理解しておくと、自分の小説にも役立てられます」


自由度が高く個性的な作品が求められる【ライトノベル】

ライトノベルは、比較的若年層に読まれることを想定した小説。舞台設定や世界観、そしてキャラクターの魅力が重視されます。純文学、大衆文学と比較して会話文が多く、また、挿絵の比重が大きく、キャラクターのビジュアルは詳細に表現することが求められます。擬音などを駆使しても問題なく、かなり自由度が高いジャンルなので、のびのびと個性を発揮してみましょう。

「ライトノベルのジャンルは、ある程度物語の展開の型が決まった作品が多いのも特徴です。他の作家がどんな型に沿って物語を作っているのか、市場調査も重要です。自分の書きたいものを最も表現できるのはどんな設定なのか、日頃から考えておくといいでしょう」


小説ジャンルごとに押さえておきたい書き方のポイント

さらにジャンルを細分化することで明確になるのが、物語のテイスト。それぞれの「押さえておきたいポイント」を紹介します。

胸キュンするストーリー構成と視点に注意【恋愛】

ジェンダーを超えた愛はもちろん、ライトノベルなどでは神と人という種族すらも超えた恋物語が描かれる昨今。自分が一番胸キュンするストーリーをのびのびと書いてみましょう。ただし、主人公の一人称でのみ書かれる小説の場合は「主人公が知らないことは書いてはいけない」というルールがあるので、相手の心の声も書き、そのすれ違いにポイントを置きたい場合は三人称視点の小説にシフトしましょう。

「恋愛の舞台はさまざま。会社も、学校も、異世界も、さまざまな場所で胸キュンを書くことができます。シチュエーションや舞台設定も、ぜひ熟考してみてください」


経験と願望をうまく盛り込むことがポイント【青春】

誰もが経験しているがゆえに、リアリティーあふれる描写が可能な青春小説。自身の学生生活を思い起こしながら書くことが、いい青春小説の執筆のコツ。もし学生を主人公にしたり、学校を舞台にするのであれば、文化祭、体育祭、修学旅行といったイベントを盛り込んだり、自分の憧れや願望をたくさん盛り込むことが、読者の共感を呼ぶ秘訣となるのでおすすめ。ただ、登場人物が多くなる傾向があるので、キャラクターの書き分けには要注意。

「マイナーな部活を舞台にしたり、主人公をちょっと変わった人物像にしてみたりと、あえて共感よりも新鮮さで勝負することもできるのが、青春小説のいいところ。爽やかでありながら、王道ではない青春を過ごしている学生を書いてみるのもいいかもしれません」


設定の作り込みが重要【ファンタジー】

近年、「異世界ファンタジー」の人気で最も活気づいているのがこのファンタジージャンル。すでに人気の高いキャラクターやシチュエーションを自分なりにアレンジした作品はもちろんのこと、異世界を舞台とするハイ・ファンタジーや、現実世界にファンタジー要素を取り入れるロー・ファンタジーといった分類に分けられます。また、某国の皇太子といったビジュアルも社会的地位もずば抜けた“スーパーダーリン(スパダリ)”が平凡なヒロインを見初め、溺愛するストーリーも恋愛のファンタジーと呼べます。

舞台となる世界で使われる用語など、しっかりと設定を作り込み、その都度参照しながら執筆すると、完成後の間違いチェックが楽になります。


初心者はまずはスタンダードなトリックから個性を磨こう!【ミステリー・推理】

トリックを考えることに最もカロリーを消費するジャンル。「誰も使ったことのない斬新なトリックを作りたい!」と意気込む人が多いと思いますが、書き慣れていない時期はベーシックなトリックを活用し、リアリティーあるキャラクターやシチュエーションで個性を発揮することに注力しましょう。


緻密なキャラクター設定と情景描写が求められる【ホラー】

読み手にさまざまな情景を想像させるホラーは、最も小説向きのジャンルのひとつ。主人公を絶望へと誘う存在が魅力的であればあるほど物語は輝きを放つので、その存在がなぜ恐怖の対象と化したのかという過程を緻密に設計することが大切です。ただ、血しぶき満載のスプラッタ・ホラーは、小説投稿サイトなどに掲載する場合、利用ガイドラインなどの規定ルールを逸脱しない程度の残酷描写にとどめておくこと。


自由度が高く、初心者向きのカテゴリー【WEB小説・携帯小説】

魔法のiらんど」などのWEB小説投稿サイトは、好きなジャンルで自由に作品を投稿できるので最も初心者向きのプラットフォーム。まずはWEB小説投稿サイトでたくさんの小説を読んでみて、好きな作品が見つかれば舞台設定やキャラクター設定などを参考にするのがおすすめです。最初から完璧を目指そうとせず、まずは気軽に自分のオリジナル作品を投稿してみましょう。

「あなただからこそ書くことのできる設定はどんなものか? とにかくたくさん投稿されているWEB小説と携帯小説の中で、ぜひオリジナリティーを追究しつつ、書きたいものを考えてみてはいかがでしょう」


既存の登場人物が織りなすオリジナルなストーリー展開を楽しむ【二次創作】

人気のアニメやコミック、映画などをテーマに、その登場人物が織りなすオリジナルストーリーを書くのが二次創作。キャラクターや世界観などを原作から借りた上での執筆なので、書きやすさでは断トツ。ただ、「魔法のiらんど」では許諾対象作品以外は原則投稿禁止というルールがあるなど、サイトや公募コンテストはではオリジナル作品以外は受け付けていないことが多いので、二次創作OKのサイトや個人で楽しむ範囲で止めておくことをおすすめします。


長編からショートショートまで、長さ別の書き方を解説

文字数や原稿用紙の枚数により、長編・中編・短編・ショートショートなどに分類される小説。ショートショートは、原稿用紙5枚以下という短さが規定となっている場合も。

ここからは長編からショートショートまで、一般的な文字数や特徴を紹介します。文字数については、いずれも明確な定義はなく、おおよそのイメージだと思ってください。ですが、コンテストごとに規定枚数や文字数が設けられているので、応募前提の作品の場合はしっかり確認を。

プロットと行動表の設定が大事! クライマックスから書いて他のエピソードを書く方法も【長編】

文字数が8万字以上あれば長編小説と呼んでよいでしょう。読むのはもちろん、書くのも相当な時間と労力が必要となります。長編執筆の際に最も重要となるのがプロットと行動表。この二つをしっかり設定しておくことで、ストーリーの破綻を避けることが可能になります。書き始めるのはどの場面からでもOKで、クライマックスや最も書きたかったエピソードから書いて、そこからエピソードを付け加えていくといった手法もあります。

「完結させるのが大変なので、章ごとに自分で締め切りを設定しておくなど、スケジュール管理の工夫をしてみるといいかもしれません」


短すぎず長すぎない“ちょうどよさ”を意識【中編】

文字数に換算して2万〜8万字程度の中編。物語内にもさまざまなエピソードを盛り込むことができるので、読み手も書き手も「ちょうどいい」と感じるボリュームではないでしょうか。こちらも事前に作成したプロットと行動表を元にしながら、ストーリーを構築していきます。


エピソードを切る勇気と端的な文章表現が必要【短編】

文字数に換算して1万~2万字程度という一見すぐ書けそうに見えてもまとめるのが難しいのが短編です。登場人物が多かったり盛り込みたいエピソードがたくさんあると、完結までたどり着けない恐れも。「短編を書く」と決めた場合は、時には思い切って登場人物やエピソードをカットする勇気が必要に。そうすることで、描きたかったテーマが明確となり、より魅力的な作品に仕上がるはずです。

「一度書き上げたものを削ったり修正したりするのも、文章を磨くためのいい練習になりますよ」


テクニックとセンスが必要だが、物語を完結させる経験を積むためにあえて挑戦するのもあり【ショートショート】

文字数にして800〜8000字以下のショートショートは、最も書くのが難しい小説といわれています。世界観の説明は必要最低限、その上で登場人物の言動で、短い物語を小気味よいエンディングまで読者を導くテクニックが重要となります。とはいえ、小説は完結させることが最も大切。初めて小説執筆にチャレンジする人は、ショートショートくらいの文量を目安に挑戦してみるのもおすすめ。


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ここまで、はじめて小説を書く方に向けて、創作する上で必要な基本やコツをご紹介してきましたが、自分の表現したい感情や世界が物語になったところは想像できましたか?

この世界にまだ存在していない物語を紡ぐことは、きっと人生に潤いを与えてくれるはずです。まだ小説を書いたことがないという方も、さっそく小説執筆にチャレンジしてみましょう!

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