こんにちは、魔法のiらんど編集部です。本日ご紹介する注目作家は、カクヨム×魔法のiらんどコンテスト「泣ける」小説部門で『青くて、溺れる(改題前タイトル『名前のない喫茶店』)』が特別賞を受賞した、丸井とまとさんです。
本作品書籍版が8月26日(水)に発売される予定です。今回は作品『青くて、溺れる(改題前タイトル『名前のない喫茶店』)』に焦点を当てつつ、丸井さんご自身についてもお話を伺っていきたいと思います。
【書籍版】『青くて、溺れる』
著/丸井とまと 装画/ダイスケリチャード
『青くて、溺れる』の書籍情報の詳細はコチラから!
▽書籍化作品原作『名前のない喫茶店』はコチラ
ーー受賞作品『青くて、溺れる(改題前タイトル『名前のない喫茶店』)』についてお伺いします!
―作品を執筆された動機、ストーリーを思いついたきっかけなどを教えてください。
姉と喫茶店でお茶をしていたときに、◯◯な要素(ネタバレになるので伏せます)が入った話を書きたいんだよねと話すと、「じゃあ、喫茶店を舞台にしたら?」と言われたことがきっかけです。その後、ある事情を持った子が喫茶店にたどり着いて、そこでの出会いによって心が救われる話にしようと決めました。
―執筆する上で、こだわっていた部分はありますか? それはどんなところですか?
喫茶店の人たちとの会話です。出会ったときに皐月が主人公に向かってあることを言うのですが、その理由が私の中では大事な部分でした。
―完結までに苦労されたこと、大変だったことはありましたか?
2016年の7月くらいから書き始めて、8月に完結させたのですが、短い期間で一気に書いたので腕が痛くなりました……。あとは、ひとりでひたすら書いているので、完結までモチベーションを保ち続けることに苦労しました。
―逆に楽しかったことや、執筆・完結までのモチベーションとなったことはありますか?
どうしてもこの物語の秘密となっている部分を書きたくて、とにかくそこにたどり着くことを目標にしていました。
―本作には主人公以外にも様々な個性豊かなキャラクターが登場しますが、なかでも特に思い入れのあるキャラクターはいらっしゃいますか? またそのキャラクターのどんなところが気に入っていますか?
思い入れがあるのは喫茶店の大人たちです。
執筆当初、主人公視点で物語を見ていたのですが、改稿のときは喫茶店の大人たち目線になっていました。きっと自分自身が色々な失敗や悲しいこと、嬉しいことを繰り返して、大人になったから、彼らへの思い入れが強くなったのかもしれないです。
―文章の校正やカバーのリクエストなど書籍発売に伴う作業で、印象的な出来事や今だから言えることがありましたら教えてください。
主人公が珈琲カップの中にいるイラストを早めにいただけたおかげで、イメージが膨らんで物語の中にも反映することができました。ダイスケリチャードさんのおかげです。
また、今年の春頃にタイトルとプロローグに悩んでいたのですが、何案か出したものを友人たちに見てもらい、アンケートをとりました。みんな真剣に考えて色々な意見をくれて、本当に助かりました。
記憶に強く残っているのが、ボツになった長くて暗めのプロローグを読んだ友人のひとりに「この主人公は地獄にでもいるのか」と言われて(笑)そのときに改めて、読んでもらうための物語の始まり方について考えさせられました。無事に今のタイトルとプロローグに決まってよかったです。
―これから(8/26予定)発売される書籍について、アピールポイントがあればお願いします!
ほろ苦い事情を抱えた喫茶店の人たちが、日常に溺れそうな主人公の話し相手になり、背中をそっと押してあげる物語です。最後は少しでもほっとした気持ちになっていただけると幸いです。
ーーコンテスト受賞や丸井とまとさんご自身についてお伺いします!
―カクヨム×魔法のiらんどコンテストで受賞された率直な感想を教えてください。
最初は詐欺メールだったらどうしようとなりました。その後は、「書いてよかった」「完結できてよかった」と思いました。
―受賞の際に周りの方々の反応などはありましたか?
おめでとうと言ってくれたと思います。このときのことは、いっぱいいっぱいで記憶があやふやなのですが……(笑)
―物語後半「夢は何ですか」と問うセリフが何回か出てきますが、丸井さんには現時点で「夢」あるいは「目標」などはありますか?それはどんなものでしょうか?差支えないようでしたら教えてください。
『残念系お嬢様の日常』のコミック化や、今回の『青くて、溺れる』の書籍化など、魔法のiらんどで色々と叶えていただいているのですが(ありがとうございます)、今後も作品をなにかしらの形にすることができるように頑張っていきたいなと思います。
―好きなものやハマっていることなどがあれば、教えてください。
パン作りを始めました! 他には香りにハマっています。最近は家で過ごすことが多くなったので、日によって香りを変えて、気分を上げています。あとはゲーム実況が大好きです。
ーー普段の執筆活動や作品についてお伺いします!
―執筆歴はどのぐらいでしょうか?
中学生くらいのときから趣味で書いていましたが、書籍化を目指して書き始めたのは、2013年くらいからだと思います。
―はじめて書いた作品はどんな作品ですか? 当時を振り返ってどんな思い出がありますか?
もうタイトルは思い出せないのですが、ファンタジーだったと思います。二匹の狐のあやかしと夜の学校で事件を解決する女の子の話でした。夜遅くに必死に文章を打って、夢中になって書いていました。感想をもらえるのが本当に嬉しくて、そこで書く楽しさを教えてもらいました。
―受賞作品はもちろん、丸井さんの作品は『言葉』というものの重さやその意味がキーポイントとなっている作品が多いように感じます。丸井さん自身、執筆中の言葉の使い方や言い回しで気を付けていること、もしくは工夫していることなどはありますか?
言葉……いつも難しいなと思います。些細な言葉で人を傷つけることもあるので。
自分にとって正しいと思っていることが、相手にとって正しいとは限らないので、こういう考え方の人もいるだけで、正しさの形はひとつではないということを前提として書くようにしています。
―今後の展望は? 現在更新中の作品や今後書いてみたいストーリーがありましたら教えてください。
現在は、高校生の女の子が自分を見失い、自分自身の顔が認識できなくなる青年期失顔症というテーマの作品を書いています。他にも薬草やご飯もの、宝石、学生のメイクの話など、色々書いてみたいのがあるのですが、どれから書こう……と迷っています。
―読者のみなさんとのコミュニケーションはどのように活用していますか? または、これまでもらったレビューやお手紙で、一番うれしかったメッセージはどんなものですか?
コミュニケーションはTwitterがほとんどですが、作品にいただけるコメントには全て目を通させていただいています。
『イケメンだけは対象外です!』という作品は、何度か挫けそうになっていたのですが、更新中にコメントをいただけたおかげで書ききることができました。ありがとうございました!
―読者のみなさんへのメッセージを!
いつもありがとうございます!
感想をいただけることや、しおりを挟んでもらえるのが本当に嬉しいです。8/26発売の『青くて、溺れる』と、『残念系悪役令嬢は三年後に破滅するようです』をよろしくお願いいたします。
――インタビューにお答えいただき、ありがとうございました。
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