こんにちは、魔法のiらんど編集部です。本日ご紹介する注目作家は、「儚い恋」を描いたヒューマンラブストーリー『光合成理論』の著者、奈瀬セナさんです。
本作書籍版が8月26日(水)に発売される予定です。今回は作品『光合成理論』に焦点を当てつつ、奈瀬さんご自身についてもお話を伺っていきたいと思います。
【書籍版】『光合成理論』
著/奈瀬セナ 装画/456
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ーー受賞作品『光合成理論』についてお伺いします!
―作品を執筆された動機、ストーリーを思いついたきっかけなどを教えてください。
書き始めた当時、社会福祉の勉強をしていたのでそれに絡めた話を描いてみたいなと思って短編を描いていました。でも恋愛要素が薄かったので自信がなく削除したのですが、読んでくださっていた方から、「続きを読みたかった」とメールを頂いて、思い切って少し長めに作り直そうと思ったことがきっかけです。書き終わった後、その方から感想を頂けてすごく嬉しかったので、思い出のある作品になりました。
―執筆する上で、こだわっていた部分はありますか? それはどんなところですか?
実際に手話を使っている大学生の方や、当事者の友人の生活の様子の話を聞いて、ミズキの設定を細かく決めていました。コミュニケーションの方法や、支援環境をなるべく現実に寄せるようにこだわりつつ、人や環境によって違う部分も多いので表現は固くなりすぎないようにしていました。
―完結までに苦労されたこと、大変だったことはありましたか?
終わり方や書きたい場面が決まっていたので、完結まではあっという間でしたが、エンタメ要素が少ないのであまりキャラが動かせなくて苦労しました。
―逆に楽しかったことや、執筆・完結までのモチベーションとなったことはありますか?
書き上げるまでの間に、色々な方に感想を頂けたことが大きかったです。書き始めから終わりまで、ずっと誰かと一緒に作ってきたような感覚がありました。あとは、夏っぽい話にしようと思って、季節感のある描写を沢山入れられたことが楽しかったです。
―登場するキャラクターはみな何かを抱え、それでも光に向かって進む、非常に魅力的なキャラクターばかりでした。キャラクターの設定は、どのように決まっていったのでしょうか?
キャラクターは、あまり深く考えずに人数と簡単な設定だけ決めておいて、あとは勝手に動いてくれるのを待っていましたね。リカちゃんだけは知り合いの女の子を少しモデルにしました。すごく可愛い子なので書きたくなって(笑)
―『光合成理論』というタイトルがとても印象的なのですが、なぜこのタイトルにしようと思ったのでしょうか。または、思いついたきっかけなどがありましたら教えてください。
最後の方のエピローグを一番最初に思いついたので、それに合わせたタイトルにしたいと考えていました。主人公と男の子の名前の漢字もタイトルに合わせて決めました。
―文章の校正やカバーのリクエストなど書籍発売に伴う作業で、印象的な出来事や今だから言えることがありましたら教えてください。
サイトに載せているのは中編より短いくらいのものだったので、書籍化にあたりほとんど一から書き下ろしました。でも激務なこともあって全然進まなくて、各方面に迷惑をかけてしまって……。帰りが遅いので職場の廊下で担当の方に電話したり、相談内容を手帳にメモして、会社の人に見られそうになって焦ったりしていました(笑) 今にして思うと大分怪しいやつでしたね。
―これから(8/26予定)発売される書籍について、アピールポイントがあればお願いします!
内容はほとんど変わっていませんが、一からほぼ書き下ろしたものになっています。エピソードやキャラクターの動きを追加して、より厚みのあるものになっているかと思います。 サイトにあるものとは、少し違った『光合成理論』を楽しんで頂けたら嬉しいです!
ーーコンテスト受賞や奈瀬セナさんご自身についてお伺いします!
―「“儚い恋”小説&ポエムコンテスト」で受賞された率直な感想を教えてください。
受賞の連絡を頂いた時、半信半疑な気持ちと、最初にサイトに「続きを読みたい」とメールを下さった方にお伝えしたい! という気持ちが湧きました。
―受賞の際に周りの方々の反応などはありましたか?
現実では誰にも言っていないのですが、昔から仲良くして頂いてる読者の方が自分事のように喜んでくださって、それが何より嬉しかったです!
―「世界はいつもより綺麗な気がした」という言葉が印象的ですが、奈瀬さん自身、「世界はいつもより綺麗な気がした」と感じる瞬間はありますか? それはどんな瞬間ですか?
子ども関係の仕事をしているのですが、子どもたちから見た世界を彼らの遊びや言葉を通じて知った時に感じることがあります。
―好きなものやハマっていることなどがあれば、教えてください。
自粛期間中なので料理にハマってます。可愛いお弁当箱を買ったので作れるときは会社に持っていっていますが、最近力尽きてきました……(笑)
ーー普段の執筆活動や作品についてお伺いします!
―執筆歴はどのぐらいでしょうか?
数えて怖くなりましたがもう10年くらいです。
―執筆を始めようと思ったきっかけは何ですか?
当時流行っていた不良ものを自分ウケ用に書こうと思ったことがきっかけです。
―執筆活動をしていて、楽しいあるいはやりがいがあるなと感じるのはどんな時ですか?
感想を頂いたときです! 自分用に書いていたものに、どなたからか面白かったと言ってもらえるなんて本当にありがたいです。全部感想は保存しています。
―今後の展望は? 現在更新中の作品や今後書いてみたいストーリーがありましたら教えてください。
今サイト内にあるものだと、義理姉弟の禁断ほのぼの『眞夏の夜の夢』は書いていてすごく楽しいので書き上げたいです。また自分が社会人になり書ける描写が増えたので、オフィスラブも書いてみたいです。
―読者のみなさんとのコミュニケーションはどのように活用していますか? または、これまでもらったレビューやお手紙で、一番うれしかったメッセージはどんなものですか?
昔馴染みの方は最近Twitterで繋がれたので、そこでのやりとりがメインになりましたが、以前はメール機能を使っていました。昔は掲示板なんかも使っていましたが、SNSになってから距離が縮まったような気がします!
―読者のみなさんへのメッセージを!
初めまして、奈瀬セナと申します。ここまで読んでくださってありがとうございます!
『光合成理論』は聴覚に困難を抱えた男の子と、ごく普通の女の子の話です。このお話を書くにあたっては、冒頭でも書きましたが、1人の読者の方のメールがきっかけとなりました。 私が携帯小説を描いている時いつも思うのが、誰も読まないだろうな……、ということです。特に流行りのジャンルでもないので、自信がありませんでした。でもこの方のメールをきっかけにまた描き始めて、そうしたら途中でも色々な方から感想を頂けて……。最終的にこうして一冊の本になった、ということが今でも信じられません。
1人ではなく、読者の方と一緒に作った作品となりました。ぜひ色々な方の手にとって頂けたら嬉しいです。
――インタビューにお答えいただき、ありがとうございました。
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