尾張大名・織田島宗近を父に、三条橋家の娘・芙由子を母に持つ織田島宗冬。嫡男でありながら、秘密を抱える忌むべき体により父に疎まれ、他家へと人質に出される幼少期を過ごす。常に命を危険に晒す日々だが、側には腰元に化けた美貌の忍・藤森葛が付き従っていた。葛もまた、幼い頃に大名の父と三条橋家の出である母を亡くし、忍の頭領・藤森市蔵に育てられたのであった。美貌を生かして女と偽り、あくまで侍女として他家へも付き従い、宗冬を守り続けるのであった。
葛は己の持つ全ての知識や武芸を宗冬に仕込み、やがて奥川家へ人質に出されて間も無く13にして宗冬は戦で手柄を立てる。その才に惚れ込んだ奥川将康によって武将としての道を切り拓くが、やがて妻を娶り、その妻を失い、命の遣り取りの無情さを知っていく。一方で葛は幼馴染の碤三と結ばれ、二人で命を削るようにして宗冬をどこまでも守り続けるのだが、世の趨勢は刻々と推移し、時代の荒波に飲み込まれていく。
信長、秀吉、家康……実在の武将の裏側を覗くような舞台の中で、必死に人としての生き方を求めて愛を乞う宗冬と、ひたすに宗冬に尽くし碤三と共に支え尽くす葛の限りのない戦い。桜の下で紡がれていく生と死。
男でも女でもなく、親でも子でもなく、主でも臣でもない。一個の人間としての生き様を模索し続けた宗冬の一生。
舞台はやがて、大阪城桜の陣に……。
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