君こそ理想のチューリップ

【ストーリー概要および物語の設定】

恋する人の瞳にチューリップが咲いて視える能力がある中学生の芽吹（めぶき）は自身のその力のせいで両親が離婚してしまった過去をもつ。以来、すっかり人と関わることを避け続けてきた彼はある日飛び降り自殺をして幽霊となった少女、耶笑（やえ）と出会う。

困惑する芽吹を前に彼女は告げた。

『あたしの好きな人探してください！』

曰く、自分が成仏できないでいるのはきっと好きな人に想いを伝えることが出来なかったからだと言う。渋々その頼みを受けることにした芽吹だったが、自分の名前以外はほとんど思い出せないという耶笑の発言に頭を悩ませてしまう。

見かねた耶笑がとある提案をする。

それは若者に人気のSNSで在学生限定の恋のお悩み相談を募集しようというもの。あまりにも無鉄砲なやり方に難色を示す芽吹だったが意外にも依頼は日々寄せられていった。

数々の恋に触れていくうちに耶笑に惹かれつつあることに気付いた芽吹。両想いであることに微かな希望を見出し始めていた矢先、ついにたどり着いた耶笑の好きな人。

しかし、彼の目に咲いていたのは"失われた愛”の意味をもつ白いチューリップで──