作品コメント
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- オギクボ
短編ながら驚きの展開
文章力それにストーリーの流れ、素晴らしいの一言です。
ラストで語られる主人公(女性)の正体は驚きました。
本当は好きでもない。
でも、心のどこかには「愛情」があったんですね。
主人公の優しさ。
でも、正直、性とは違った形で優しさを示して欲しかったというのは正直な意見ですが、でも、主人公にとってはそれが彼にしてあげられる優しさだったと思うと納得はいきます。
作者様のレベルの高さが伺える小説だと思いました。 - めぐり飛空
大人のための純文学
淡々と流れていく物語。
大人と子供の境を宛てもなくさまよう青年と大人の女性の心のふれあいが、自然に描かれています。
ラストの女性の正体は、衝撃でした。
と同時にタイトルになぞられた意味がおのずと解る……。
作者様によって、計算されたストーリーに思わず唸ってしまいました。
大人の雰囲気が漂う、まさに純文学。
そんな言葉がぴったりの作品でした。
整然と書かれた文章力も必見。
オススメです。 - ZAK
思春期のもろい心
かなりネタバレなレビューになるかと思います。
未読の方はご注意下さい。
父親の死。
自分を愛してくれなかった父親。
愛してくれなかったのに、その死は悲しい。
こんな自分の気持ち認めたくない。
だったら……。
短編ながら、非常に心が痛む物語でした。
子供は親を選べない。
親は全身全霊を懸けて子供を愛さなければならない。
それが当たり前。
当たり前が出来ない彼の父親。
深く考えさせられました。
ただ、個人的に自分を大事にしない安っぽい女性は好みではないので、ラスト付近は、違った形で見せて欲しかったです。 - 理香
涙とやさしさ
葬儀の際にひとは泣く。
故人をしのんで?
行き場の無い言葉を
持て余して?
肉親であるがゆえに
愛憎もまた深いならば
流した涙の意味もまた複雑になる。
この短編にはその複雑な意味を、さらに複雑にする設定が
果樹園の果実のようにちりばめられていた。
その果実が苦いか甘いかは、読者の判断にゆだねられるが。
しかし、複雑に交差した設定と感情が終盤、見事な落着を見せる。
「やさしさ」と言うフィルターによって、少年の涙は、本来の「美しい悲しみ」を取り戻すのだ。
人間の本質の美しさの部分が描かれた
心に残る作品。 - DAI
いいですね!
捻ったオチの話は大好きです! しかも、この物語には予想外なストーリー展開に驚くだけでなく、人間味溢れる深みもありました。この短さで大きな内容が、よくまとめられていると感嘆します。
やばい作品です! - 椎名タキ
美しい黒
作品を読んでいて、何故か
【黒】をイメージしていた
二人の出逢い
本当なら出逢えなかった二人
純文学というジャンルを
初めて読んだが
この作品を【良作】と称せずに
他に何と表す事が出きるのか
素晴らしい作品です
椎名タキ - 月季花
胸に沁み入る物語
黒は哀しみを表すなんて誰が決めたのだろう。
梅雨の終わり。
しめやかに行われる告別式の会場で。
黒いスーツを着て、黒いパンプスを履いて、黒い傘を差して、君と出逢った。
それは不道徳なアルバイト。
私を冷ややかに見つめる遺族の少年。
「お父さんが亡くなって、哀しいね……」
亡くなった男性とその息子、男性の「愛人」に成り代わっていた女性。
薄灰色の靄が少しずつ晴れて、最後は透明な涙が伝う……そんな印象を受けました。
文章は淡々としていて味気ない。けれどそれがこの物語をより惹き立て、読者を魅了していきます。
謎めいた女性に隠されていた優しい心と、大人びた冷たい少年の心に潜む闇。
読み終えた後にふわりとした余韻が残る、とても素敵な作品です。
じわり、胸に沁み入る名作短編。
――泣くために、あなたと出逢った。 - 森美伽月
謎めく
冒頭からの謎多き展開にスラスラと読み込むことができました。わずか19ページの短編とは思えない内容に加え、読みやすい文章表現が、この物語をより洗練され完成された作品に仕上げていると思います。
短く、けれども色濃く。短編小説とはこうあるべきだ、というのを見たような気がしました。 - 涼音
名作
読み終えた今、深い余韻に浸っています。
それほど、この作品の完成度が高いです。
告別式に現れた女と遺族の息子。
女の正体は謎のままで、私も息子の彼と同じように、「父親の不倫相手」だと思っていました。
でも、明かされた彼女の正体に驚愕しました。
そして、彼女の胸の中でやっと泣くことができた彼。最後の最後でタイトルの意味を知り、これは本当に名作だと思いました。 - 星崎すず
黒から涙の透明へ
意表外の展開が繰り広げられる、心理的な短編です。
淡々と綴られる文体が趣深いです。
台詞や描写も過剰でなく適度で、重いテーマに拘わらず読み心地が良いです。
黒い傘などのアイテムも雰囲気を上手く作り上げています。
一見ドライな謎めいた女に潜む厚情と、大人びて見える少年の心の闇。
意外な出会いにより互いの内面が露顕し、静かに波が引くかのように穏やかな愛に包まれるラスト。
読後は清爽感と甘さがほんのりと広がり、とても素敵です。
視界を隠す黒から涙の透明に移り行く様子を表現した章タイトルも注目です。 - みふう
泣く為のタイミング
簡潔に言ってしまえば、上手い。
短編には勿体無い題材だか、
短編だからこその良さが、
随所に現われていて。
読ませる力をひしひしと感じる。
素直に泣ける人と、
素直には泣けない人。
泣いてもいいんだよと、
肩を抱かれて、
ようやく彼は泣く。
まるでショートフィルムを、
見ているような気分になる。
10分もかからず読める作品なので、
出来ればより多くの世代に、
読んで欲しいと願う。 - 理輝
埋もれている名作を発見!
重い展開。
その割には次のページへと引き込まれる魅力。
まるで中編、長編を読んだような読みごたえ。
たまに出てくる難しい漢字も、この作品がいかにいいものか窺えます。
取りあえず、読んでみればその良さが分かります。
おすすめです。 - ゆず
深く沈みこむ…
普通に売られている文庫本の短編を読んだ気がしています。
とても、読みやすくて、あっという間に小説の世界に引き込まれました。
読み終えた後に残る、深い充実感。
なのに、振り返ってみれば、登場人物はたったの二人。(実際に動く人物)
ただただ感嘆してしまいます。
ところどころに、色が効果的に使われていて、シーンを引き締めているように思いました。
葬式の黒…
場にそぐわない赤…
ワンピース…
残した残像
艶かしく彩っていると思います。
読みやすいし、短編なので、あっという間に読み終えてしまいます!
おすすめです!是非読んでみて下さい。 - 亜希
驚きの真実
冒頭から謎が多く、どういうことだろう…?
と疑問に思いながら読みすすめていきました。
大人の私と18歳の彼。
父親の愛人『上原恵梨』は?
ミステリー的な要素を含んだ作品です。
驚きの真実は、ぜひあなたの目で!