作品コメント
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- 刈り取る者
二人の贖罪
まず、良い点を述べますと。彰と克彦、二人の主人公が織り成す。命の重さ、負の連鎖。
そんな、一言では言い表せない何かを。読者の心に投げかるように、素晴らしい物語を書かれた作者様は、大変素晴らしいと思います。
ただ、改善点が読むうちに。いくつか、あがりまして。
貴女の作品は、どうも冒頭の書き方が弱いです。
何度も刺されているに加え、怨みが込められている描写を。もっと丹念に描き込めば、ゾクゾクして続きが読みたくなると思います。例えば、床に爪痕が残っていて。死ぬほど痛かった、描写など。
他は、猫をクビしめた彰をすぐに慕う結真も、暴力に恐れをなす人物であるように見えませんし。
2日寝込んだ病院で、結真のアザが見つからないのも納得いきません。
そして一番言いたいのは。
302Pの
皆で俺達を責めないでくれ、という表現。
良いセリフなのに、タイトルと一字違いますし。
そのセリフだけで、1ページ使って欲しかった……
強弱をつけることも、物語では必要だと思います。 - ココ
泣けます(>_<)
増加する少年犯罪・児童虐待がテーマとのことですが、
人情味溢れるヒューマンドラマのようなお話です。
細部までリアルな少年院のシーン
それぞれに思いを抱えた登場人物たち
大人に翻弄される少女と少年に感情移入しながら、最後まで一気読みしてしまいました。 - アオイ
涙なしでは読めませんでした。悲しすぎる現実の中で紡がれる、少年と少女の絆があたたかい。
最初から最後まで、先が気になり一気に読み進めることができました。
読みやすい文章と深い描写に引き込まれ、まるで映像でも見ているかのように作中の情景が鮮明に伝わってきました。
彰が結真の両親を殺していく場面は非常に生々しく恐ろしくもありましたが、この作品に絶対必要なシーンだったと思います。
また、右手の人差し指で鼻の下を擦るという彰のクセが、各場面でかなり効果的に描かれていたと思います。人が、言葉以外のもので気持ちを語るという描写がすごく丁寧に現れていました。
そして、彰が自殺を図って回想に入り、病院で意識が戻る時の心象風景もすごく印象的でした。
過酷で難しい虐待という現実。それに負けない結真の強さと、結真を助けたいと願う彰の優しさに何度も涙がこぼれました。(結真は彰がいたから、あのような最期の言葉をつぶやけたのではないかな、と思いました。)
克彦と彰の過去が徐々にあらわになってゆくタイミングも絶妙でした。
作品全体に、人の優しさや絆の大切さがにじみでていました。
この先、彰が栞と共に幸せになることを信じて……。 - コーイチ
向き合う事の難しさ
この作品を読んで、色んな事に向き合うのは、難しい事なんだ、
と深く思いました。
主人公とその周りの登場人物がそれぞれに、
物語の主軸の事件であったり、
登場人物が抱える想い、
に、それぞれ、何とか向き合い、また、目を背け、視野を狭め、
それでも前を向くためにもがく。
そんな感じを私はこの作品から感じました。
読まれていない方は、少しでもこのレビューでひっかかる部分があるのなら是非、読んで下さいませ。 - 桜崎水音
今の社会に必要な作品
ぜひ、
いろんな方々に読んで頂きたい作品です。
描写がリアル過ぎて気持ち悪く思える方もいると思うので、
強制はできませんが。
不器用な少年が必死に小さな女の子を守ろうとする姿、
ツラい目にあっても誰にも言おうとせずひとりで闘う少女。
人が人を想う、
その尊さと、
不器用なゆえに招いてしまったのかもしれない悲しい結末。
そんな過去も互いに持つ教官と少年。
そして自殺を試みる少年を命がけで助けようとする教官。
さらには、
いろんな人の様々な立場からの気持ち。
二人を支えるそれぞれの人物。
読んでいて涙が止まりませんでした。
多分、
読んだ人の数だけ感想というものは存在するでしょう。
この話についてのその感想を、
ぜひ大切にして欲しい。
人間に必要な何かを、きっと感じられることだろうと思います。
長くなってしまってすみません。
作者、井関和美様、
作品完結おめでとうございます!