パパとママが結婚して2年後、みんなが集まった。
パパがみんなに連絡を入れ、夕食を食べようとのこと。
娘、3人と孫6人が集まった。
ここでパパが料理の腕を振舞った。
久しぶりに会うので出前にしようと言ったのだが、パパが作ると言った。
パパの作る料理を食べるのは娘たちは初めてだった。
「手伝おうか?」
ママが聞いてきた。
「いや、全部自分でできる!!」
パパは言い張った。
実はママのおなかには8ヶ月の子供がいる。
「ママ、おなか大きくなったよね!」あおいが言った。
「もう8ヶ月だよ!男の子だと思う?女の子だと思う?」
「おなかの出方からして男の子!」美加が言った。
「先生にはまだ聞いてないの。産まれてからのお楽しみ♪」
パパとママらしかった。
「名前は決めてあるの?」千里が聞いた。
「うん!でもまだ内緒!」
「えー!教えてよー!」
千里は名前を知りたがった。
そんな時・・・
「ご飯できたよー!」
パパが声をかけてきた。
パパが作ったのは焼きうどんだった。
千里と千里の娘、千奈美は焼きうどんが好きだった。
「おじいちゃん、ありがとう♪」
千奈美は嬉しそうに言った。
みんなで食事をしていた。
そんな時、事件はおきた。
「いたい!いたい!」
ママが叫びだした。破水した。
「パパ!救急車呼んで!」あおいが叫んだ。
パパはうろたえていた。代わりに美加が救急車を呼んだ。
5分後救急車が来た。
ママとパパがのり、千里の運転で病院に向かった。
今日、みんなが集まる事だったので大きめの車で来ていた。
「逆子ですね」先生が言った。
帝王切開することになった。
「ママ!大丈夫か!?」
ママは何も言わず、顔を歪ませ横に首を振った。
すぐに手術が行われた。
早産だった。子供は無事産まれたのだが、保育器に入れられた。
未熟児だった。だがパパの望んだ男の子。
2ヶ月、保育器に入れられ退院した。
パパは毎日子供を見に行った。
ママも母体には何もなく1ヶ月の入院後、退院した。
名前は「栄吉」。パパの名前が「栄司」だからだ。
程なくして、また家族揃って夕食を食べた。
パパはママの体を気遣って、子供の離乳食を作った。
そして、ママと娘たちにまた焼きうどんを作った。
みんな、美味しそうにパパの作った夕食を食べていた。